Cloudflareは無料でどこまで使える?Workers・D1・R2の無料枠を調べる【Cloudflare運用記録 #2】
はじめに
こんにちは。
なかのひとカンパニーの archer です。
前回は、AWSや自宅サーバーも試したうえで、なぜ個人開発でCloudflareを使うようになったのかを書きました。
理由のひとつが、
無料で始めやすいこと
でした。
ただ、「Cloudflareは無料」と言っても、当然なんでも無制限に使えるわけではありません。
Workersにはリクエスト数。
D1にはRead / Writeや容量。
R2にはストレージ容量や操作回数。
それぞれ違った上限があります。
今回は、個人開発でよく使う、
- Workers
- D1
- R2
- Pages
を中心に、
無料でどこまで使えるのか
を調べてみます。
※料金・無料枠・制限は2026年8月時点のCloudflare公式ドキュメントをもとにしています。
今後変更される可能性があるため、実際に利用する場合は最新の公式情報も確認してください。
まず無料枠をざっくり見る
主要な無料枠をまとめると、こんな感じです。
| サービス | 主な無料枠 |
|---|---|
| Workers | 100,000リクエスト / 日 |
| Workers CPU | 10ms / リクエスト |
| D1 Read | 500万行 / 日 |
| D1 Write | 10万行 / 日 |
| D1 Storage | 合計5GB |
| D1 Database | 最大10個 |
| D1 1DBあたり | 最大500MB |
| R2 Storage | 10GB-month / 月 |
| R2 Class A | 100万回 / 月 |
| R2 Class B | 1,000万回 / 月 |
| R2 Egress | 無料 |
| Pages Build | 500回 / 月 |
こうして見ると、小さなWebサービスを作るだけならかなり余裕がありそうです。
ただし、数字だけでは分かりにくいものもあります。
Workersは1日10万リクエスト
Workers Freeでは、
1日100,000リクエスト
まで利用できます。
単純に考えると、
1日に数百、数千アクセス程度の個人サービスなら、かなり余裕があります。
ただし、アクセス数とリクエスト数は同じではありません。
1回画面を表示したときに複数のAPIを呼べば、その分Workerへのリクエストも増えます。
また、FreeではCPU時間にも、
1リクエストあたり10ms
という制限があります。
ここでいう10msは、リクエスト開始から終了までの時間ではなく、Workerが実際にCPUを使った時間です。
外部APIやD1の応答を待っている時間が、そのまま10msに加算されるわけではありません。
なので、
「10msしかないなら何もできないのでは」
と最初は思いましたが、普通のWeb APIであれば使える範囲は思ったより広いです。
一方で、
- 重い計算
- 大量データの変換
- CPUを使う画像処理
- 複雑な処理
などには向いていません。
無料枠を超えた場合に自動で青天井に課金されるというより、FreeプランにはFreeプランとしての上限があります。
Workersでは1日のリクエスト上限を超えると、構成によってWorkerをバイパスするか、エラーになります。
本格的に使うならPaidプランを検討することになります。
Workers Paidは最低月額5ドルからです。
D1は「容量」よりRead / Writeも見る
D1はCloudflareのサーバーレスデータベースです。
Freeでは、
- 500万行Read / 日
- 10万行Write / 日
- 合計5GB
- 最大10データベース
- 1データベース最大500MB
まで利用できます。
ここで面白いのが、
SQLを何回実行したかではなく、読み書きした行数が重要
というところです。
たとえば大量の行を毎回検索するSQLを書いていると、アクセス数自体は少なくてもRead数が増える可能性があります。
逆に、小さなテーブルから必要な行だけ取得するサービスなら、かなり余裕があります。
個人開発で気をつけたいのは、合計5GBよりも、
Freeでは1つのD1データベースが500MBまで
という点かもしれません。
画像や大きなファイルまでDBへ入れようとすると、すぐに苦しくなります。
そのようなデータはR2へ置き、D1にはファイルの情報だけ持たせる、といった構成が使いやすそうです。
D1のFree上限を超えた場合も少し注意が必要です。
Read / Writeの1日上限へ達すると、その日はD1へのクエリがエラーになります。
容量上限へ達した場合も、新しいデータを書き込むことができなくなります。
つまり、
無料枠を超えたら勝手に課金されながら動き続けるわけではない
という点は覚えておいた方がよさそうです。
R2は10GBまで無料
R2はCloudflareのオブジェクトストレージです。
画像やJSON、バックアップなどを保存できます。
Standard Storageでは毎月、
- 10GB-month
- Class A Operations 100万回
- Class B Operations 1,000万回
まで無料枠があります。
さらに特徴的なのが、
インターネットへのEgressが無料
というところです。
一般的なクラウドストレージでは、
「保存する料金」
だけでなく、
「外へデータを出す料金」
も考える必要があります。
R2ではこのEgress料金がありません。
個人サービスで画像やファイルを配信するときには、かなり分かりやすい料金体系だと感じています。
一方で、R2では操作回数にも料金があります。
ざっくり言えば、
Class Aは書き込みや状態変更系。
Class Bは読み取り系。
です。
無料枠がかなり大きいため、小規模サービスではまずストレージ容量を意識することになりそうですが、非常に多くのファイルを読み出すサービスでは操作回数も確認する必要があります。
また、10GBなどの無料枠が適用されるのはStandard Storageです。
Infrequent Accessには同じ無料枠が適用されないため、この点も注意が必要です。
Pagesもかなり使える
静的サイトなどではCloudflare Pagesも使えます。
Freeプランでは、
月500ビルド
まで利用できます。
毎日10回デプロイしたとしても、
10回 × 30日 = 300回
なので、個人開発ではかなり余裕があります。
ほかにもFreeでは、
- 1ビルド最大20分
- 1サイト最大20,000ファイル
- 1ファイル最大25MiB
- 最大100プロジェクト
などの制限があります。
なお、静的ファイルへのリクエスト自体は無料・無制限です。
Pages Functionsを使った場合はWorkersとして扱われるため、Workers側の利用量も意識する必要があります。
個人開発では何が最初に上限になりそうか
ここまで見て、
「結局どれを気にすればいいのか」
を考えてみました。
普通の小規模Webサービスなら、
アクセス数だけでWorkersの10万リクエスト/日に到達することは、それほど多くない
と思います。
むしろ先に気になりそうなのは、
Workers
重いCPU処理をしていないか。
D1
大量の行を毎回読み込むSQLになっていないか。
1DBが500MBを超えないか。
R2
大きなファイルを大量に保存して10GBを超えないか。
Pages
大量にpushして月500ビルドへ到達しないか。
といったところです。
サービスの特徴によって、先に当たる制限がかなり違います。
0円で試せることの意味
個人的には、無料枠の大きさそのものより、
0円の状態で本番公開まで試せる
ことが重要だと思っています。
サービスを作る。
公開する。
実際に使ってみる。
アクセスが増える。
必要になったらPaidへ移る。
という順番にできます。
最初から、
「月にいくら売上が出るか」
を考えなくても公開できます。
個人開発では、作ったものが使われるかどうか分かりません。
だから、
使われるようになってからお金を払う
という形にしやすいのは、かなりありがたいです。
今回使ったサービスの料金
今回紹介した範囲なら、Freeプラン内では、
月額0円
から始められます。
ただし「無料=無制限」ではありません。
| サービス | 個人開発で特に見るところ |
|---|---|
| Workers | 10万リクエスト / 日、CPU時間 |
| D1 | Read / Write、500MB / DB |
| R2 | 10GB、操作回数 |
| Pages | 500ビルド / 月 |
Cloudflareの場合、
料金表より先に制限表も見る
というのが大事だと感じました。
無料枠を超えたら必ずそのまま従量課金される、というサービスばかりでもありません。
上限に到達すると処理が失敗するものもあります。
本番サービスで使う場合は、
「いくらになるか」
だけではなく、
「上限に達したとき、サービスがどう動くか」
まで確認しておいた方がよさそうです。
まとめ
今回はCloudflareの主要サービスについて、無料でどこまで使えるのかを調べました。
ざっくり見ると、
- Workersは1日10万リクエスト
- D1は1日500万行Read、10万行Write
- D1は合計5GB、1DB最大500MB
- R2は月10GB
- R2のEgressは無料
- Pagesは月500ビルド
という無料枠があります。
個人で小さなWebサービスを公開するには、かなり試しやすい範囲だと思います。
ただし、
無料だから何も考えなくていいわけではない。
リクエスト。
CPU。
DBのRead / Write。
ストレージ。
それぞれ違う制限があります。
Cloudflareを使うなら、料金と一緒に「何が上限になるのか」も見ておく。
これが重要そうです。
次回は、自宅サーバーで使っている、
Cloudflare Tunnel
について書きます。
自宅のProxmox上に作ったUbuntu、Docker、Nginxを、Cloudflare Tunnel経由でどう外部公開しているのかをまとめます。
