Oracle Cloud Migration Service(OCM)の検証です。
AWS EC2(Windows Server 2019)からOCI Computeへの移行検証をします。
OCIクラウド移行ガイドとは?
オンプレミスやAWSなどからOCIへの移行プロジェクトに取り組んでいるクラウドエンジニア(@araidon,@kazunishi,@yama6,@tktk2712,@ritokuna,@nomu_kyou,@ora-777,@sshatari,@makoji,@miztana)による、OCI移行手順をまとめたシリーズ記事です
サンプルワークロードから対象サービスを取り上げ、移行手順をガイドいたします
まとめ記事は以下です
今回利用するOCMとは?
VMware仮想マシンおよびAmazon Web Services (AWS) EC2インスタンスを、
Oracle Cloud Infrastructure (OCI)コンピュートに移行するためのサービスです
OCM概要資料はこちら↓
OSのサポートについて
以下の資料に、
- OSの起動
- ネットワーク疎通
- アタッチされたストレージが動作すること
に関する限定的な技術サポートをOracleで提供とあります。
サポートを受ける条件の、規定のインポート方式で作成されたこと
に関しては、本手順の最後に記載します。
上記以外のWindowsのサポートは、ユーザーがMicrosoftとサポート契約を結ぶ必要があるようです。
移行の流れ
前提条件の作成とインベントリ作成を実施しているものとします。
前提条件・インベントリの作成方法は以下の記事をご参照ください。
また上記の記事にOCMのコンポーネントが解説されてます。
手順だけではなく、より詳しい移行イメージや構成を見たい方はご参照ください。
この記事では、以下の7STEPを踏んで移行していきます。
1 【AWS】AWSの資格情報取得
2 【AWS】移行元インスタンスの準備
3 【OCI】アセットソースの作成
4 【OCI】アセットソースで検出の実行
5 【OCI】移行プロジェクトの作成
6 【OCI】アセットのレプリケート
7 【OCI】移行検証
8 【OCI】Windowsイメージの再作成
■ AWS側での作業
1.【AWS】AWSの資格情報取得
OCIからAWSに接続するための、資格情報を先に確認しておきます。
必要な情報は以下。
- アカウントID
- アクセスキーID / シークレット・アクセスキー
これらをマネジメントコンソールから確認してメモっておきましょう。
具体的な確認方法を知りたい方は以下をご確認下さい。
それ以外の方は 2 【AWS】移行元インスタンスの準備にスキップしてください。
- アクセスキーID / シークレット・アクセスキー
「アクセスキーの作成を続行しますか?」にチェックを入れ、アクセスキー作成をクリック
[アクセスキー]と[シークレットアクセスキー]が表示されるので、これをメモっておきましょう。
それか[.csvファイルのダウンロード]を押して、アクセスキーとシークレットアクセスキーを控えておく形でも大丈夫です。
[シークレットアクセスキー]はここでしか表示されないので、忘れずに控えておきましょう
アクセスキーID / シークレット・アクセスキーを控えたら[完了]を押して、画面を閉じてOKです。
2.【AWS】移行元インスタンスの準備
2-1. インスタンスの起動
AWS環境にて、移行元となるEC2インスタンス(Windows Server 2019)を作成します。
- OS:Microsoft Windows Server 2019 Base
- AMI ID:ami-08b1c1fc3101f173a
- インスタンスタイプ:t2.micro
2-2. Oracle VirtIO Drivers for Microsoft のインストール
参考ドキュメント
OCIのComputeで起動するために、上記ドキュメント8に記載のOCI用のドライバのインストールが必要になります。
ダウンロード
- 以下ダウンロードサイトに入ります
(アカウントの作成とログインが必須)
- Oracle Linuxを検索します。(なぜこの段階ではWindowsじゃないのかは謎です
- DLP: Oracle Linux 8.10.0.0.0 (Oracle Linux)、またはDLP: Oracle Linux 9.4.0.0.0 (Oracle Linux)を選択します
ライセンス規約に問題なければ、[続行]をクリック
「Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windows」という説明があるファイル名をクリックし、ご自身のローカルPCにダウンロードします。
インストール
ダウンロードしたインストーラを、EC2のWindows Server2019にアップロードし、setup.exeを起動します。
このタイミングで再起動します
■ OCI側での作業
3.【OCI】アセット・ソースの作成
アセット・ソースとはAWS環境との接続情報を扱うためのコンポーネントです。
OCIコンソールでアセットソースを作成します。
[アセット・ソース作成]を押します。
このタイミングで、「前提条件の作成」で作成した移行用のコンパートメントか確認しておきます。
間違ったコンパートメントで作成していた場合、処理の失敗などに繋がります
ここでAWSの情報を入力します。
アセット・ソースの作成が完了したことを確認します。
4.【OCI】アセットソースで検出の実行
作成完了後、検出の実行を押して、検出します。
検出が終わると(数分待ちます)、AWS環境のEC2インスタンスとアタッチされたEBSの情報が取得され、「アセット」欄に表示されます。
5.【OCI】移行プロジェクトの作成
移行プロジェクトは、先ほど検出したアセットに対し、様々な移行プランを提供する論理的なコンポーネントです。
今回は[初期移行プランを使用して移行プロジェクトを作成します]で進めます。
5-1. 基本情報
5-2. アセット
[OCMのインベントリからの追加]をクリック
移行したいアセットのチェックボックスのチェックを入れて、[移行アセットの追加]をクリック
次へ
5-3. レプリケーション位置
前提条件で作成済みのバケットを指定し、[次]をクリック
5-4. 初期移行プラン
5-5. 確認および作成
最終確認後、[作成]をクリック
作成完了後、移行プランの状態がアクティブになっていることを確認
6.【OCI】アセットのレプリケート
いよいよレプリケートを実施します。
レプリケートが完了すると、ゴールデン・ボリュームなどが作成されます。
この作業は約30分程、かかります
7.【OCI】移行検証
左側の[ターゲット・アセット]を選択後、対象のターゲットアセットを選択後、[アクション]より構成をクリック
デプロイ先のVCN、サブネットをここで設定します。
無事に作成ができると、RMSスタックの欄に、スタックが表示されます。
RMSスタックのデプロイを実施します。
このデプロイが完了すると、EC2からの移行が完了します。
Compute画面に遷移すると、該当のEC2が作成されています。
割りあたったパブリックIPに、RDP接続をして、ログインできることを確認します。
8.【OCI】Windowsイメージの再作成
以下のOracle公式のドキュメントにて、OCMで移行したインスタンスは一度カスタムイメージに落としてエクスポートし、Windowsイメージとしてイメージを再度インポートするのが必須と書いてあります。
手順7で作成されたComputeのOS属性が、Windows ではなく Customになっていることを確認します。
8-1 カスタムイメージの作成
インスタンスのメニューから、 [More Actions] → [カスタム・イメージの作成]をクリック
8-2 カスタムイメージのエクスポート
作成したカスタム・イメージをObject Storageにエクスポートします。
イメージの形式をOracle Cloud Infrastructureファイルとし、[イメージのエクスポート]をクリック
8-3 イメージのインポート
エクスポートしたカスタムイメージを元に、イメージをインポートします。
OSとバージョンを指定し、Object Storageのイメージとイメージタイプを選択し、[イメージのインポート]をクリック
インポートの完了を確認
8-4 Computeの再作成
Computeのインスタンスの作成を実施し、イメージ選択画面で再インポートしたイメージを選択し、インスタンスを作成
8-5 確認
コンソールにて、OSがWindowsに、バージョンが指定どおりになっていることを確認
まとめ
OCMは手順が多く、最初は大変ですが、慣れれば意外とすんなりできます。
Windowsに関しては、AWS側でライブラリのインストールが必要なことと、OCM移行後に、イメージのエクスポート・インポートが必要なため、台数が多いと大変だなという感想です。