ArduinoからWHILL Model CRを動かす

この記事はWHILL Advent Calendarの３日目の記事です.
３日目は中の人でソフトウェアエンジニアの私、杉浦がお送りします。

WHILL Model CRとは

[WHILL Model CR](https://whill.jp/model-cr)とは、WHILL社が販売しているパーソナルモビリティ[WHILL Model C](https://whill.jp/model-c)にRS232C経由で操作できるコマンドを追加した研究開発モデルです。

ハックしよう

WHILLのgithubで公式ライブラリが配布されています。
今のところ、

• ROS
• Python
• Arduino

が公開されています。
今回はArduinoライブラリを使ってModel CRをArduinoから制御してみたいと思います。

用意するもの

Arduino SDKは予めこちらからインストールしておいてください。

• Arduino Uno
• RS232Cシールド http://amzn.asia/d/h3Y525W
• RS232C NULLモデム http://amzn.asia/d/8zhkRWj
• Model CR to RS232Cケーブル

Arduinoは、RS232Cシールドが対応している互換機やMegaでも大丈夫だと思います。
内部的にSoftSerialを使っているので、SoftSerialが実装されていない機種(ESP32 Arduono Core)などはおそらくそのままでは動きません。
RS232Cシールドの代わりにUART-RS232C変換基板も使えますが、TXとRXを間違えないように注意が必要です。
サンプルではRS232Cシールドの設定は、TXを７番ピン、RXを6番ピン になっています。

Model CR to RS232Cケーブル　→ Model CRから生えているケーブルとRS232を変換するケーブルです。自作が必要です。　

Arduinoライブラリをインストール

ここを参考に、WHILLの公式リポジトリwhill-arduino-sdkかライブラリをZipファイルをダウンロードし、インストールします。

正常にインストールされた場合、一旦終了して再起動すると、File→Examplesの中に"WHILL Model CR"という項目が増えていると思います。

サンプルを動かしてみよう

Arduino IDEの File → Examples → WHILL Model CR とたどると、以下の４つのサンプルスケッチを見つけることができます。

• blink_power
• callback
• mirror_joystick
• shake

blink_powerは５秒毎にWHILLの電源をON/OFFします
calllbackはWHILLから状態を受け取るたびにジョイスティックの値をPCにprintで表示します
mirror_joystickは、WHILLから受け取ったジョイスティックの信号を上下左右反転して、WHILLに入力します。
shakeは1秒ごとに左右にゆらゆらと揺れます

それぞれスケッチを開いた状態でArduinoに書き込むとサンプルスケッチが動作します。

whill-arduino-sdkで出来ること

• 電源のON/OFF
• WHILLからの電源供給(WHILLのバッテリー電圧)のON/OFF
• ジョイスティックを仮想的に操作
• 加速度センサ・ジャイロセンサの値の取得
• バッテリー情報の取得
• モーターの角度とスピードの取得
• 現在の速度設定の取得

自由にスケッチを書いてみよう

さあ、ここまで来たらあとは自由にスケッチを変更したり、センサを追加して思い通りにWHILLを動かしてみましょう。
例えば....

• 後進するときだけ音がなる
• 距離センサを追加して人についてくる

などなど、様々なアプリケーションが考えられますね！

WHILL::register_callback()を使う場合の注意

WHILL::register_callback()でコールバックを登録した場合、ループの中で定期的にWHILL::refresh()を呼んであげてください。
この関数でソフトウェアシリアルのQueueからシリアルコマンドをパースして該当するデータがあったら場合はコールバック関数を実行するようになっています。
refresh()されない場合、永遠にコールバック関数が呼ばれません。

Arduinoをつなげるのに便利なUSBポート

PCからArduinoを切り離してスタンドアローンで動作させたいときは、WHILLのシート後ろにあるUSBポートからArduinoの電源を供給すると別途モバイルバッテリーなどをのせる手間が省けて便利です。

Pull Request募集中

whill-arduino-sdkはまだまだベータ版です。改善点がございましたらドシドシPull Request送ってください。

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