この記事はシリーズの第0回です。新しめのLLMプラットフォーム「ai&」に自腹で課金して、実際に使い倒してみる連載の入口になります。
はじめに
LLMのAPIを使おうと思うと、OpenAIやAnthropic、Google あたりが定番です。でも最近、いろんなモデルを1つの窓口からまとめて叩ける「アグリゲーター型」のプラットフォームも増えてきました。
今回紹介する ai& もそのひとつ。DeepSeekやQwen、GoogleのGemmaなど、複数の会社のモデルを1つのAPIキーで横断して使えるサービスです。
私はこのサービスについて事前知識ゼロの外部の人間ですが、「面白そうだから自腹で課金して試してみよう」というだけのノリで触り始めました。この第0回では、そもそもai&とは何なのか、どんなモデルが使えて、いくらかかるのか、登録はどうするのか、を一通り整理します。
⚠️ 料金やモデルは執筆時点(2026年6月)のものなので、最新の情報は必ず公式で確認してください。
ai&とは何か
こちらが公式サイトです。
URL:https://www.aiand.com/jp/
ひとことで言うと、複数のLLMを1つのAPIで使えるプラットフォームです。
通常、DeepSeekを使いたければDeepSeekと契約し、Qwenを使いたければまた別で契約して……とサービスごとにアカウントとAPIキーが必要になります。ai&のようなアグリゲーター型を使うと、1つのアカウント・1つのAPIキーで複数社のモデルを切り替えて使えるのが大きなメリットです。
また、このai&は日本国内完結しているところが他サービスとの違いです。
管理画面はシンプルで、左side に以下のメニューが並んでいます。
- Home:ダッシュボード
- Playground:ブラウザ上でモデルを試せる遊び場
- Analytics:使用量・コストの確認(※詳細は第1回で検証予定)
- API Keys:APIキーの発行・管理
- Pricing:モデルごとの料金一覧
- Docs:ドキュメント
使えるモデル一覧(2026年6月時点)
Pricingページを見ると、執筆時点で9つのモデルが使えました。価格は100万トークンあたりのドル建てです。Cached列は、同じプロンプトを繰り返し使った場合の割引価格です。
| モデル | 入力 / 1M | Cached | 出力 / 1M | コンテキスト長 |
|---|---|---|---|---|
zai-org/glm-5.2 |
$1.00 | $0.30 | $4.00 | 1.0M |
moonshotai/kimi-k2.7-code |
$0.75 | $0.20 | $3.50 | 262.1K |
deepseek-ai/deepseek-v4-pro |
$1.00 | $0.25 | $2.50 | 1.0M |
deepseek-ai/deepseek-v4-flash |
$0.15 | $0.08 | $0.25 | 1.0M |
qwen/qwen3.6-27b |
$0.00 | $0.00 | $0.00 | 262.1K |
google/gemma-4-31b-it |
$0.20 | $0.05 | $0.50 | 262.1K |
zai-org/glm-5.1 |
$1.40 | $0.30 | $4.40 | 202.8K |
openai/gpt-oss-120b |
$0.15 | $0.08 | $0.60 | 131.1K |
moonshotai/kimi-k2.6 |
$0.85 | $0.20 | $3.50 | 262.1K |
ざっと眺めて気づいたことをいくつか。
とにかく安い。 いちばん高いGLM-5.1でも出力100万トークンで$4.40。OpenAIやAnthropicのフラッグシップと比べるとかなり手頃です。気軽に実験できる価格帯だと思います。
モデルの入れ替わりが早い。 前回確認したときは7モデルだったのが、短期間で9モデルに増えていました。GLMは5.1→5.2が追加され、Kimiもコーディング特化のkimi-k2.7-codeが登場。ラインナップは流動的なので、最新は公式のPricingページで確認してください。
DeepSeek v4のコンテキストが1.0Mと長い。 GLM-5.2も1.0M。長文を丸ごと放り込みたいタスクには向いてそうです。
Qwenが$0.00。 入力も出力もCachedも全部$0.00。タダで試せるモデルがあるのは初心者にはありがたいポイントです。
Cached価格がある。 同じプロンプトを繰り返し使う場合、入力トークンの価格がさらに安くなるようです。DeepSeek flashだと$0.15→$0.08と約半額。APIで同じシステムプロンプトを使い回す実用シーンでは効いてきそうです。
「OpenAI」はgpt-oss-120b。 いわゆるGPT-4系のクローズドモデルではなく、OpenAIが公開したオープンウェイトのモデルです。名前だけ見て「あのGPTが使える」と早合点しないよう、ここは正確に把握しておきたいところ。
モデル名は
会社名/モデル名という形式になっています。APIで指定するときもこの文字列をそのまま使います(例:deepseek-ai/deepseek-v4-flash)。
料金の仕組み:チャージ式(プリペイド)
ai&は使った分だけ後から請求される従量課金ではなく、先に残高をチャージして使う「プリペイド式」 です。
画面右上に Credits: $50.00 のように現在の残高が表示されます。
これは個人で試すうえでは安心材料です。チャージした金額以上は使われないので、「気づいたら数万円課金されていた」という事故が原理的に起きません。チャージ額が事実上の上限として機能します。
私は今回$50ほど入れて検証していく予定ですが、このシリーズの全検証を回しても使い切らない見込みです(コストの実測は第1回以降でやります)。最初は少額だけチャージして様子を見るのがおすすめです。
💡 後の回でエージェント検証もする予定ですが、エージェントは自律的に何度もAPIを叩くのでトークン消費が読みにくいです。そういう用途こそ、上限が決まっているチャージ式は相性がいいと感じました。
登録から最初の生成まで
1. アカウント登録
googleやGithubのアカウントで登録可能です。登録時点ではクレジットカードの登録は不要でした。
2. クレジットのチャージ
Stripeでの決済となります。この時にクレジットカードを登録してください。
3. Playgroundで試す
ログインしたら、まずは左メニューの Playground を開いてみましょう。ブラウザ上でモデルを選び、プロンプトを入力するだけで生成を試せます。コードを一切書かずにモデルの実力を確かめられるので、最初の一歩に最適です。
モデル選択は左上、Control Panelは右にまとまっています。
4. APIキーの発行
アプリから使いたくなったら、左メニューの API Keys からキーを発行します。発行したキーは二度と表示されないので、出たらすぐ控えておきましょう。
APIはOpenAI互換
地味ですが重要な点として、ai&のAPIはOpenAI互換 です。つまり、普段OpenAIのAPIを使っている人は、接続先(base_url)とモデル名を変えるだけでそのまま動きます。
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
base_url="https://api.aiand.com/v1", # ここをai&に向けるだけ
api_key="AIAND_API_KEY"
)
completion = client.chat.completions.create(
model="deepseek-ai/deepseek-v4-flash", # 使いたいモデルを指定
messages=[
{"role": "user", "content": "こんにちは!自己紹介してください"}
],
temperature=1,
max_tokens=1024,
)
print(completion.choices[0].message.content)
公式の openai ライブラリをそのまま使い回せるので、乗り換えコストはほぼゼロ。この手軽さは第2回以降で詳しく検証していきます。
⚠️
base_urlは実際の管理画面のDocsで正確なURLを確認してください。上記は説明用のイメージです。
まとめ
第0回として、ai&の全体像を整理しました。
- 複数社のLLMを1つのAPIキーで使えるアグリゲーター型プラットフォーム
- 執筆時点で9モデルが利用可能(DeepSeek / Qwen / Gemma / GLM / gpt-oss / Kimi)
- 価格は全体的に安く、チャージ式なので使いすぎの事故が起きにくい
- APIはOpenAI互換で、乗り換えコストがほぼない
次の第1回では、いよいよPlaygroundを使って複数モデルを実際に比較していきます。同じお題を各モデルに解かせて、コスト・速度・精度がどう違うのかを実測します。
次回 ai&のプレイグラウンドで、無料モデルQwenの温度をいじり倒してみた
https://qiita.com/aonami3902_/items/ac005fcd9844f3e43d8f



