『経済・ファイナンスデータの軽量時系列分析』
の章末問題を解いていきます。
必要に応じ『統計学のための数学入門30講』を参照しています。
Rの実施は『経済・ファイナンスデータの計量時系列分析』章末問題をRで解く-第2章ARMA過程-にあります。
2.1
y_t = c + \phi_1 y_{t-1} + \phi_2 y_{t-2} + \epsilon_t, \epsilon_t \sim W.N.(\sigma^2)
\tag{2.18}
定常条件はAR特性方程式の解|z|>1だから、 (2.18)の特性方程式
1- \phi_1z-\phi_2 z^2 = 0
から
z = \frac{-\phi_1 \pm \sqrt{\phi_1^2 + 4 \phi_2}}{2}
これから
\phi_2 < 1 + \phi_1 \\
\phi_2 < 1 - \phi_1
は出てくるが、
\phi_2 > - 1
がわからない。
2.2
定常な(AR)モデルの条件は
1 - \phi_1 z - ... - \phi_p z^p = 0
|z| > 1
反転可能な(MA)モデルの条件は
1 + \theta_1 z + ... + \phi_p z^p = 0
|z| > 1
(a)MA(0) 定常かつ反転可能なモデル
(b)MA(1)
\begin{align}
1 + z &= 0 \\
z &= -1
\end{align}
|z|>1ではないので反転可能ではない定常なモデル。
(c)MA(2)
\begin{align}
1 - 0.3 z + 0.7 z^2 &= 0 \\
z &= \frac{0.3 \pm \sqrt{0.09 - 4 \times 0.7}}{2 \times 0.7}
\end{align}
zは虚数解なので反転可能ではない定常なモデル。
(d)AR(1)
\begin{align}
1 - 0.5 z &= 0 \\
z &= 2
\end{align}
|z|>1より定常かつ反転可能なモデル。
(e)AR(2)
\begin{align}
1 - 1.3 z + 0.4 z^2 &= 0 \\
z &= 2.5
\end{align}
|z|>1より定常かつ反転可能なモデル。
(f)ARMA(1,1)
AR(1)について
\begin{align}
1 - z &= 0 \\
z & = 1
\end{align}
よって定常ではない。MA(1)について
\begin{align}
1 + 0.5 z &= 0 \\
z &= -2
\end{align}
よって反転可能である。
2.3
(1)
\begin{align}
E(y_t) &= E(\mu) + E(\epsilon_t) + E(\theta_1 \epsilon_{t-1}) + E(\theta_2 \epsilon_{t-2}) \\
&= \mu
\end{align}
(2)
\begin{align}
\gamma_0 &= Var(y_t) \\
&= Var(\mu + \epsilon_t + \theta_1 \epsilon_{t-1} + \theta_2 \epsilon_{t-2}) \\
&= Var(\epsilon_t) + \theta_1^2 Var(\epsilon_{t-1}) + \theta_2^2 Var(\epsilon_{t-2}) \\
&= (1 + \theta_1^2 + \theta_2^2) \sigma^2
\end{align}
(3)(4)(5)わからず。