はじめに
皆様お疲れ様です。
今回の 「番外編」 では 「映像編集の目的」 について紹介いたします。
はじめまして「フィルム」です。
皆さんは映像編集についてどんなイメージをお持ちでしょうか?
「楽しそう」「編集できる人すごい」「ムズそう・・・」などあるかもしれません。私も実際色々な動画を編集した経験がありますが素直に言えば「楽しい」です。これは私自身がクリエイティブなものを制作するのが大好きだからというのもありますね。(まぁ難しいこともありますが)
では編集そのものについてはどうでしょう
「カットされてる」「BGMが入ってる」「エフェクトがある」「字幕がある」色々な要素があると思います。映像編集は、ただカットを繋ぎ合わせるだけの作業ではありません。
例えば、1つ1つのカットを 「単語」 としましょう。それらを組み合わせて魅力的な文章を紡ぎ出すのが映像編集と言えるでしょう。同じ内容を伝える文章でも、言葉の選び方や言い回しによって、様々な表現が可能であるように、「編集次第」で作品のトーンやテーマさえも左右されます。
映像編集の目的
私は「最高の作品にすること」という目的をもって作品を制作します。
目的 → concept
目的は人それぞれ異なるでしょうし、目的が被っても問題ありません。
映像編集には、演出意図の実現を始め、様々な目的が存在します(可愛らしい映像にしたい、綺麗なものが良い、コメディ系にしたい、迫力満載の映像にしたい などなど)。要素として3つ挙げますので見ていきましょう。
①意図の実現
重要な目的の1つとして、「演出意図の実現」かなと思います。
視聴者に 「何」を見せたいのか、どのように受け取ってもらいたいのか、ストーリーをどのように展開したいのか といった演出意図を的確に実現しなければならないと考えます。
②魅力的な映像にする
「やはり作品には、伝えたいストーリーや内容が理解出来れば良い!」...というものではありませんね。観客、視聴者に作品を引き込ませるためには、映像としての魅力も重要になります。
特に長編な映像ほど観客に飽きさせない工夫が必要となります
完成度の高い作品に仕上げるためにも 「編集」の担う役割も大きいということになりますね
リズムをつくる
映像も音楽と同じように 「リズム」 があります。
ずっと同じリズムよりもメリハリを付けることで作品が豊かになると思います。
睡眠導入や作業用とかの動画はメリハリを付けすぎると逆に集中しづらい傾向にあるためなるべく同じリズムの方が良いという場合もありますね(因みに私は川のせせらぎ、清流のような環境音を聴くのが好きです)
効果の強調
同じ内容でも、「編集次第」 で効果を強調することができます。
・急にアップカットを挿入する → 「激しい戦いのイメージを強調させる!」
・スローモーションの効果 → 「映像を味わう時間を与えて、劇的な効果を強調!」
同時進行する異なる出来事や、シーンを交互に繋げば、 より緊張感を高めることができるでしょう
視聴者を集中させる
これは 「カット」 の要素になります。
作品への集中を阻害しないようにする工夫に「カット」という要素も必要になります。
その基本としては
「できるだけ自然に、スムーズにカットをつなげていくこと」です
もしカットが不自然に繋がっていたらどうでしょうか?
観客や視聴者に違和感を与えてしまい、ストーリーに集中することを阻害したり、誤解を与えて内容が正確に伝わらないこともありえますね...
以前番外編で紹介した 「イマジナリーライン」 を考慮した編集は、カットを自然に繋げていくための手段の1つでもあります。
※イマジナリーラインについては↓の記事をご覧ください
③尺の調整
これは映像の長さ、いわゆる 「尺」 です。商業作品の場合制限が設けられている場合が多いです。映像の中で沢山ある要素から必要なシーンを配し、目的を達成しつつ決められた尺に収めるのも編集の重要な役割ですね。
欲しい素材が足りずに、規定の時間に満たない場合はよく 「情景カット」(映像のバランスがとれるように風景などを挟んだもの) で尺を埋める場合もあります。しかしそれは、作品のリズムを崩してしまったり、本来意図していない別の意味が生まれたりしないようにする注意が必要です。
では逆に素材が多すぎて規定の時間よりも大幅に超過してしまった場合どうでしょうか。
そんな場合には、「エピソード」「※サブプロット」を丸ごと削除しなければならない時があります。
何を残して、何を削除するかは、目的を達成するために必要なテーマや要素、演出意図などを考慮しつつ慎重に検討する必要があると思います。
※サブプロットとは... メインのプロットとは別に設けられて、登場人物の別の一面を描いたりなど、作品の幅をもたせるための構想、物語の節です。
ちなみに
おもしろおかしい 「ネタ」 ですがある意味良い例だなと思いました。(これを意図的に編集できるのはある種の天才かなと)
おわりに
ちょっとしたまとめになります。
映像編集は編集次第で作品のトーンやテーマさえも左右される
映像編集には、演出意図の実現を始め、様々な目的(コンセプト)が存在する
魅力的な映像にするための要素として
①リズムをつくる
②効果の強調
③観客をストーリーに集中させる
今回は映像編集の目的を達成するために必要な要素について学ぶことができました。次回はこの続きでとある理論について見ていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
過去の番外編はこちら
#1 ばねのような動きを再現
#2 関節を動かしてみた
#3 軸回転をしてみよう
#4 イマジナリーライン