はじめに
皆様お疲れ様です。
今回の 「番外編」 では 「イマジナリーライン」 ついて紹介いたします。
これは 「動画撮影」 の分野で登場する言葉になります。イマジナリー(想像上の、架空の、非実在的な) がどういう意味を表しているのかを一緒に見ていきましょう。
イマジナリーライン
よくアニメ、ドラマ、映画など何でもよいのですが一例として対話や戦っているなどのシーンを思い浮かべてみてください。きっと下図のようなシーンがあると思います。
「イマジナリーライン」 とは一連のシーンをいくつものカットに分けて撮影する場合に 「カメラ配置のルールとなる基準線」 のことを言います。カメラを置く範囲がイマジナリーラインから見て 「180°以内」 に設定されているため、「180度ルール」 とも言われています。
イマジナリーラインの原則
こちらの2つの図を見て下さい。
Qiita猫とひつまぶしの疑似的な対話シーンのカットとカメラの位置を作成してみました。
では皆様ここで一つ質問します。
AとBのシーンどちらの方が「違和感無く」見えますか?
うーーん...「A」ですね。「B」の方はなんか違和感がありますね。なんででしょうか?
恐らく大半の方が「B」のシーンに違和感があると感じるかなと思います。図の場合、①②③のカットを撮影できる位置(両図「C」)にカメラを配置したとしましょう。この時にQiita猫とひつまぶしを結んだ線が「イマジナリーライン」です。同じシーンにおいては、原則としてカメラもキャラクターも一度設定したイマジナリーラインを越えてはいけません。
この原則を守らないとどうなるのですか?
登場キャラクターの「位置関係が不明確」になり、見ている観客、視聴者を混乱させてしまいます。(このキャラどっちにいるんだろう?というイメージですね)
先ほどの図に戻りましょう。
イマジナリーラインのルールに従って撮影したカットAを「①②③」の順に繋げてみると、①のカットで設定された登場キャラクターの位置関係が②③になっても 「同じ」 になっているため、視聴者は登場キャラクターの位置関係を矛盾無く把握できます。
では一方で、③のカットを同じ図[C]の「カメラ③´」の位置から撮影したものと差し替えると、Qiita猫の向いている方向がひつまぶしと同じになるため「Qiita猫はどちらを向いているんだ?」と位置関係が分からなくなってしまいます。
なお、カメラはイマジナリーラインを越えない限りは自由に設定ができます。
ちなみに
図[C]の「カメラ①、②、③」のカメラ配置は 「三角配置法」 とも呼ばれています。これは実際の撮影現場ではよく取り入れられているとのこと。
実写撮影の場合、ロケーションの関係でどうしてもイマジナリーラインを越えなくてはならない事態が発生することもあります。しかし。観客を混乱させないためには、極力この原則を守る方策を検討するべきですね。
おわりに
ちょっとしたまとめになります。
イマジナリーラインはカメラ配置のルールとなる 基準線のこと
位置関係が不明確になり、観客が混乱しないようにこの原則は破ってはならない
今回はまたちょっとジャンルが変わった内容でした。映像分野のネタにも興味があるため今後も作成していくかもしれませんね。今回はこのQiita猫とひつまぶしに登場してもらいました!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
過去の番外編はこちら
#1 ばねのような動きを再現
#2 関節を動かしてみた
#3 軸回転をしてみよう