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経費精算自動化も夢じゃない!Cognitive Services Form Recognizer × Azure Logic Apps で請求書のアイテムを自動読み取り (1)Form Recognizer 編

Last updated at Posted at 2019-12-05

単なる OCR ではなくドキュメントに含まれるフォーム(表)データを取得できる Cognitive Services の Form Recognizer。請求書や発注書のようなドキュメントやレシートなど、PDF や 画像(JPG, PNG, TIFF) からデータを読み取ることが出来る Web API です。

また、Azure Logic Apps を使うと、トリガー(ドキュメントのアップロード、メール送付や Web API Callなど)で起動するワークフロー処理を GUI で作成できます。

今回は、定型フォーマットで作成されたお客様からの発注書(PDF)を読み取って、DB に自動取り込みするまでを Cognitive Services Form Recognizer と Azure Logic Apps で作ってみます。

手順

    1. 準備
    1. Form Recognizer でカスタムモデルの作成
    1. Azure Logic Apps 編 (後日公開)

0. 準備

Azure サブスクリプション

Azure Logic App の利用に必要です。
また、Form Recognizer の利用申し込み時に有効な Azure サブスクリプション ID を申請する必要があります。

利用準備: Microsoft Azure & Cognitive Services 利用準備

Azure サブスクリプションが利用できるようになったら、今回作成するサービスをまとめておくためのリソースグループを作成しておきます。
Azure Portal から [+新規作成] 、または [リソースグループ] > [+作成] をクリックします。

20191205_01.png

分かりやすい名前をつけます。ロケーションは日本なら東日本または西日本から選択して [確認および作成] をクリックします。

20191205_02.png

[作成] をクリックするとリソースグループが作成されます。

20191205_03.png

Form Recognizer のサービス作成

現在プライベートプレビューのため、Form Recognizer プレビュー利用申し込み のサイトから申請します。

メールで Form Recognizer プレビュー参加OKの連絡が来ますので、メール本文に書かれた URL から Form Recoginzer のサービスを作成します。

  • 場所: 日本から近いのは東アジアになります。
  • 料金プラン: F0(無料) と S0(有料) がありますので、まずは F0 で作成しておけばよいでしょう。

20191205_04.png

Form Recognizer のサービスが作成できたら、場所 と API Key をコピーしてローカルに保存しておきます。

20191205_05.png

発注書データ

Form Recognizer は 2019 年 12 月現在 ラテン文字(英数字) のみ対応なので、英語の発注書(PDF) データを利用します。
後述しますが、カスタムモデルを作成するための学習データと実際に分析を行うためのデータを準備します。

請求書データサンプル(PDF)

手順

1. Form Recognizer でカスタムモデルの作成

Form Recognizer には Prebuilt (マイクロソフトが作成したモデルを使うもの、利用者の準備不要) と Custom (学習データを読み込ませて独自モデルを作成) という 2 つのモードがあります。今回は Custom を使います。

1-1. Azure Blob Storage に学習データをアップロード

Custom モデルの学習用データは Azure Blob Storage にアップロードしておきます。

Azure Portal から Azure Storage (ストレージアカウント) を作成します。
新規作成 から 'Azure Storage' で検索、または表示一覧から Azure ストレージ を選択します。

20191205_06.png

作成をクリックして、Azure Storage の作成に進みます。

20191205_07.png

必要事項を入力します。

  • 場所: リソースグループと揃えます(東日本 or 西日本)
  • パフォーマンス: Standard
  • ストレージの種類: Storage V2
  • レプリケーション: RA-GRS
    [確認および作成] をクリックして作成に進みます。

20191205_08.png

[作成] をクリックすると、Azure Storage が作成されます

20191205_09.png

作成できたら、Azure Storage のブレードで [コンテナー] をクリックして、新規 Blob ストレージを作成します。

20191205_10.png

[+コンテナーの追加] をクリックして、Blob Storage を追加します。ここでは train という名前にしておきます。

20191205_11.png

train コンテナーを表示し、[アップロード] をクリックします。
アップロード のブレードで学習データ(PDF)を選択、[アップロード] をクリックします。

20191205_12.png

学習データ(PDF)が表示されたら、アップロードは完了です。

20191205_13.png

1-2. Form Recognizer の Web API からカスタムモデルの作成

Postman など Rest API ツールを用いて、学習データ(を保存した Blob Storage URL) を送信し、カスタムモデルを生成します。

  • YOUR_RECOGNIZER_ENDPOINT: Form Recognizer を作成したロケーションが東アジアの場合は、eastasia.api.cognitive.microsoft.com になります。
  • YOUR_RECOGNIZER_KEY: ローカルに保存しておいた Form Recognizer の API Key
  • YOUR_STORAGE: 学習データを保存した Azure Storage の名前
request.
POST https://YOUR_RECOGNIZER_ENDPOINT/formrecognizer/v1.0-preview/custom/train
request.header
Ocp-Apim-Subscription-Key: YOUR_RECOGNIER_KEY
Content-Type: application/json
request.body
{
	"source": "https://YOUR_STORAGE.blob.core.windows.net/train",
	"sourceFilter": {
		"includeSubFolders": false
	}
}

以下のようなレスポンスが戻り、modelId が取得できます。この Model Id をつかって、カスタムモデルを使ったフォーム読み取りを行いますので、コピーしてローカルに保存しておきます。

response.body
{
    "modelId": "d6c0380b-8ff0-455f-999e-36df8952e723",
    "trainingDocuments": [
        {
            "documentName": "Invoice103563.pdf",
            "pages": 1,
            "errors": [],
            "status": "success"
        },
    :

1-3. カスタムモデルのテスト

生成されたモデルをつかって、PDFのフォームを読み取りできるか確認してみます。
以下のようなフォーマットで Body に分析したい PDF を追加してリクエストを送信します。

  • YOUR_RECOGNIZER_ENDPOINT: ローカルに保存しておいた Form Recognizer のエンドポイント
  • YOUR_RECOGNIZER_KEY: ローカルに保存しておいた Form Recognizer の API Key
  • YOUR_MODEL_ID: ローカルに保存しておいた Form Recognizer で生成した Model ID
request.
POST https://YOUR_RECOGNIZER_ENDPOINT/formrecognizer/v1.0-preview/custom/models/YOUR_MODEL_ID/analyze
request.header
Ocp-Apim-Subscription-Key: YOUR_RECOGNIER_KEY
Content-Type: application/pdf
request.body
(PDFをバイナリーで送付)

以下のようなレスポンスが戻り、KeyValue のセットでフォームのデータ(と表示されている位置など)が取得できます。

response.body
{
    "status": "success",
    "pages": [
        {
            "number": 1,
            "height": 792,
            "width": 612,
            "clusterId": 0,
            "keyValuePairs": [
                {
                    "key": [
                        {
                            "text": "Name",
                            "boundingBox": [
                                80.6,
                                 :
                            ]
                        }
                    ],
                    "value": [
                        {
                            "text": "Kaylee Carter",
                            "boundingBox": [
                                80.6,
                                 :
                            ],
                            "confidence": 0.34
                        }
                    ]
                },
              :
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