SPSS License ManagerをAWS上で冗長構成にしてみた(手動編)
目的
IBM SPSS StatisticsやIBM SPSS Modelerの同時接続ユーザライセンスを購入した場合、Licnese Managerを導入する必要があります。業務上の理由で冗長構成を選択する場合、製品として推奨している構成は、3台のActiveーActive構成のため、ダウンタイムが全く許容できない場合は、この構成が必要です。この構成の問題点としては、3台のサーバをacitve-activeで運用しなければならないため、運用コストが増大することです。仮に数分から10分程度のダウンタイムが許容できるならば、AWSのサービスをうまく組み合わせて、Acitve-Standby構成を構築することで、管理の省力化と運用コストの削減を行うことが出来ます。
対象読者
- インフラ構築担当者
- SPSS Modelerを利用しているが、運用コストが高いと考えている人
- AWS EC2 ,EventBridge ,Lamdbaについて基本的なことを理解している人
前提条件
- 冗長構成は同じAZ内で2台のEC2を作成しております。
- SPSSのクライアントからLicenseManagerに接続するときはPublicIPを使用しています。
目次
1.事前準備
今回の環境では、Windows Serverの2台のEC2を用意します。EC2の作成については下記を参考に各自作成してみてください。
Amazon EC2でWindows Server 2025を起動する方法
1台目のマシン:lm_redundant1 eth0:172.31.34.35/16
2台目のマシン:lm_redundant2 eth0:172.31.37.87/16
2.License Managerの導入と設定(1台目)
2.1 ライセンスマネージャの導入
下記を導入手順の1~4までを実施致します。
2.2 認証方法の変更
インストールフォルダ配下(C:\Program Files (x86)\Common Files\SafeNet Sentinel\Sentinel RMS License Manager\WinNT)の「echoid.dat」ファイルをメモ帳で開き、以下の様に修正して上書き保存してください。
0x002
2.3. ENI(Elastic Network Interface)の追加
ネットワークインターフェースを上記1台目のインスタンスに追加します。追加の方法はこちらを参考にしてください。
追加のENI eth1:172.31.63.43
2.4 ロックコードの再取得
ライセンスマネージャの導入の手順5以降を実施ください。
3.License Managerの導入と設定(2台目)
3.1 ライセンスマネージャの導入
2. License Managerの導入と設定(1台目)の2.2までの手順を参考に導入、設定致します。
3.2 ENIのデタッチ(1号機)
- 1号機のインスタンスを停止します。
- 「1号機のインスタンスを選択」→「該当のネットワークインターフェースを選択」→「アクション」→「デタッチ」を選択します。
3.3 ENIのアタッチ(2号機)
- 「該当のネットワークインターフェースを選択」→「アクション」→「アタッチ」→「該当のVPCとインスタンス(2台目)を選択してアタッチ」
3.4 ロックコードの再取得
2.4 ロックコードの再取得と同様に手順5以降を実施ください。
3.5 ENIのデタッチ(2号機)
- 2号機のインスタンスを停止する。
- 3.2 ENIのデタッチ(1号機)を参考にデタッチする。
3.6 ENIのアタッチ(1号機)
- 3.3 ENIのアタッチ(2号機)を参考にアタッチする。
- 1号機のインスタンスを起動する。
4.試してみた
4.1 SPSS Modelerから1号機への接続
4.2 1号機から2号機へ
-
3.2 ENIのデタッチ(1号機)を参考にデタッチする。
-
3.3 ENIのアタッチ(2号機)を参考にアタッチする。
4.3 SPSS Modelerから2号機への接続
5.次回
次回は、手動で切り替えていた部分をEventBridge+Lambdaを使用することで、自動で切り替えるようにしたいと思います。