背景
日本語入力時にJIS配列(日本語配列)を維持したまま、中国語入力法のみをJIS配列の記号とキー配置に変更したいです。(例えばShift+2で引用符「"」を出力し、「@」を出力しないようにする)
Windowsのグラフィカル設定ではこれを実現できません。システムが中国語キーボードを「デフォルトでUS配列と同等」として扱い、選択可能なキーボード配列リストに「中国語 + JIS」の組み合わせが存在しないためです。(Macにはこういう問題はないですね)
それを解決するために、レジストリを直接編集して中国語入力法のキーボードレイアウトをJIS配列に変更する方法を紹介します。
手順
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レジストリエディタを開く
「Win + R」キーを押して「regedit」と入力し、Enterキーを押します。(あるいは、スタートメニューから「regedit」を検索して開きます。) -
レジストリキーに移動する
以下のパスをレジストリエディタのアドレスバーにコピー&ペーストして、Enterキーを押します。- 簡体字中国語(中国大陸)の場合:
コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layouts\00000804 - 繁体字中国語(台湾)の場合:
コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layouts\00000404 - 繁体字中国語(香港)の場合:
コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layouts\00000C04 - 繁体字中国語(マカオ)の場合:
コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layouts\00001404
- 簡体字中国語(中国大陸)の場合:
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「Layout File」の値を変更する
右側のペインで「Layout File」という名前のエントリを探し、ダブルクリックして編集します。
その値を「KBDUS.DLL」から「KBD106.DLL」に変更し、「OK」をクリックします。おすすめ:表示用のLayout textの値も「US Keyboard」から「106 Keyboard」に変更しておくと識別しやすくなります。

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コンピューターを再起動する
変更を有効にするために、コンピューターを再起動します
注意点
- この変更はシステム全体に影響を与えるため、他のキーボードレイアウトにも影響を与える可能性があります。必要に応じて元に戻すことができます
- Windowsのアップデートやシステムの変更により、レジストリの設定が上書きされる可能性はあります。その場合は、再度同じ手順で設定を変更する必要があります。
仕組み
- DLLファイルとは、動的リンクライブラリ(Dynamic Link Library)の略で、Windowsオペレーティングシステムで使用される共有ライブラリの一種です。これらのファイルには、特定の機能やリソースが含まれており、複数のプログラムから共有して使用されます。
- 「KBDUS.DLL」はUSキーボードレイアウトを定義するDLLファイルであり、「KBD106.DLL」はJISキーボードレイアウトを定義するDLLファイルです。

