ターゲット
このガイドは以下のような読者を対象としています:
- AWS認定試験に挑戦しようとしている人
- AWS認定を目指したいが、プライベートや仕事のバランスを保ちたい人
- 忙しい日々の中でAWS認定全冠を達成したい人
自己紹介
普段は自社のSaaSアプリとAWSサービスを連携させるサーバーサイドの設計や開発を担当しています。AWSの経験については、3年前まではEC2やセキュリティグループの設定などを浅く行っていましたが、部署移動するタイミングでAWSの深い知識が求められるようになりました。そのため、約1年半前から認定試験を取得することにしました。
私は1児の子供を持つエンジニアであり、家族や子育て、ランニングなど、プライベートな時間を大切にしながら認定試験に取り組みました。新たに追加されたAI系の認定以外は全て取得しました。
今回は、なるべくプライベートを犠牲にせずAWS認定試験を突破する方法をご紹介します。
AWS認定とは
AWSのクラウドプラットフォームに関するスキルや知識を証明するための試験です。
去年あたりから認定体系見直しの風潮があり、新規追加された試験もあります。
個人的には、AIに関するサービスを充実させていきたいというAWS側の意図だと感じています。
出典:AWS 認定
実績
新しく追加されたAIFとMLAは近日公開予定です。
私が過去に受験したAWS認定試験の実績を以下に示します。
※DBSは既にリタイアしています
$\textsf{受験日}\hspace{4em}$ | $\textsf{試験名}\hspace{12em}$ | $\textsf{略称}\hspace{0.3em}$ | $\textsf{合否}\hspace{1em}$ | $\textsf{参考書}\hspace{15em}$ | $\textsf{問題集}\hspace{2.5em}$ |
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2024年10月26日 | AWS Certified Advanced Networking - Specialty | ANS | 合格 | 要点整理から攻略する『AWS認定 高度なネットワーキング-専門知識』 (Compass Booksシリーズ) | CloudLinecse |
2024年9月21日 | AWS Certified Advanced Networking - Specialty | ANS | 不合格 | 要点整理から攻略する『AWS認定 高度なネットワーキング-専門知識』 (Compass Booksシリーズ) | CloudTech |
2024年8月24日 | AWS Certified Solutions Architect - Professional | SAP | 合格 | AWS認定資格試験テキスト&問題集 AWS認定ソリューションアーキテクト - プロフェッショナル 改訂第2版 (AWS認定資格試験テキスト) | CloudTech |
2024年7月20日 | AWS Certified DevOps Engineer - Professional | DOP | 合格 | なし | CloudTech |
2024年6月15日 | AWS Certified Data Engineer - Associate | DEA | 合格 | なし | CloudTech |
2024年5月18日 | AWS Certified Machine Learning - Specialty | MLS | 合格 | 深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版 | CloudTech |
2024年4月13日 | AWS Certified Security - Specialty | SCS | 合格 | 要点整理から攻略する『AWS認定 セキュリティ-専門知識』 (Compass Booksシリーズ) | CloudTech |
2024年3月2日 | AWS Certified Database - Specialty | DBS | 合格 | 要点整理から攻略する『AWS認定 データベース-専門知識』 (Compass Booksシリーズ) | CloudTech |
2024年1月22日 | AWS Certified Developer - Associate | DVA | 合格 | ポケットスタディ AWS認定デベロッパーアソシエイト [DVA-C02対応] | CloudTech |
2023年11月25日 | AWS Certified SysOps Administrator - Associate | SOA | 合格 | AWS認定資格試験テキスト AWS認定SysOpsアドミニストレーター - アソシエイト AWS認定資格試験テキスト | CloudTech |
2023年7月8日 | AWS Certified Solutions Architect - Associate | SAA | 合格 | AWS認定資格試験テキスト AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト 改訂第3版 (AWS認定資格試験テキスト) | CloudTech |
2023年6月3日 | AWS Certified Cloud Practitioner | CLF | 合格 | AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー 改訂第3版 (AWS認定資格試験テキスト) | 無料問題集 |
ANSだけ一発合格できませんでした。
試験を解いてからの感触で「CloudTechだと厳しい」と思ったのですぐに違う問題集を探してCloudLicenseを購入しました。
経験者が正直に語ると、ANSの問題は圧倒的にCloudLicenseの問題傾向と近い です。
ANS以外はCloudTechで十分対応できると思います!
個人的な難易度
人によっても難易度は違うと思いますが、個人的な難易度は下記です。
ANS>>SAP>DOP>SCS=MLS=DEA>(DBS)>SAA>SOA=DVA>CLF |
---|
DEAやMLSはAIやデータ分析という領域なのですが、業務で全く介入したことがありませんでした。そのため覚えることが多かったですが、未知との遭遇が楽しかったです。
また評判通りANSとSAPが最も難易度の高い試験でした。
難しいと感じたポイントを記載しますので、参考にしていただければ!
ANS所感:
ANSは実務であまりネットワークを構築したことがないため、知識がない状態からのスタートでした。
ネットワーク系が奥深いことは重々理解していたつもりですが、やってみると他の試験対策より何を言っているのか想像しづらい印象です。
また出回っている問題集も少なく、設問内の条件と選択肢の条件が多くて「これだ!」って思う選択肢を選びにくいです。
SAP所感:
SAPはAWS認定の中で一番幅広い知識が求めまれました。
自然と問題集の数も多いのですが、サービスの細かい所作まで覚えていないと対応できないこともあり、問題自体を一通り解き終えるのに単純に時間が掛かる印象です。
試験前から合格までの流れ
1. 試験前の準備
試験予約:
試験日をとりあえず1か月後くらいにし、試験スケジュールを予約します。
スケジュール変更は2回までできるので、1回目の試験予定は仮置きします。
インプット:
対応している参考書を1週間程度かけて読みます。
(対応している参考書がない場合は問題集にすぐ取り掛かります)
アウトプット:
インプットした後はアウトプットしていきます。
問題集を使って、最初から最後まで一度解きます。
分からない箇所や専門用語についてはChatGPTで質問したり、Black Beltなどの情報を利用して理解を深めます。
1回目でもだいたい理解していないことが多いので、めげずに2、3回目も分からない問題はひたすら調べて理解していきます。
3回目を解き終わると自然と問題集の7割程度を解けるようになっているはずです。
精度向上:
一通りアウトプットした後は精度を上げます。
Cloud TechやCloud Licenseなどの学習プラットフォームでランダム問題を繰り返し解いて、正答率85%以上を目指します。
試験スケジュールの変更と準備:
アウトプットの精度が上がり、安定して90%程度取れるようになったら仮置きしていた試験スケジュールを変更します。
自分の場合は全てオンライン受験で行っているのでピアソンVUEのシステムテストを実施します。
試験前日は既に勉強しつくしているので、軽くランダム問題一周解いて早めに寝ます。
2. 試験当日の準備
試験時間まで少し細かいところを覚えておきます。
深追いすると逆に混乱してくると思うので、深追いはご法度。
あくまで自信がつくことを目的として勉強しましょう。
オンライン試験の場合はだいたい試験1時間前に以下の準備をします:
- 机の周りを整理
- ディスプレイは毛布で隠すなどして盗視防止対策を取る
- 机の上のものは出窓などのカメラから見えないところに移動させる
- (試験中にネットワークの安定性を確保するため、試験端末のネットワークを優先するためにGoogle WiFiなどを利用)
基本的には上記で問題ないはずですが、こんなのもありました的なものがあれば参考にしたいのでコメントで教えてください
3. 試験後
試験を受けた後の当日、もしくは後日に結果が届きます。
私の場合は、土曜日の午前中に受けているのですが、午後8時ごろには合格通知が届いている ことが多いです。
合格した場合、半額バウチャーがもらえます。
認定の更新方法
同じ資格試験に再度合格することで認定を更新することができます。
また上位資格の試験に合格することでも認定を更新することができます。
ただし、下位資格を合格していない状態で上位資格に合格した場合、下位資格は合格扱いになりません。
つまり、全冠を狙う方ならば下位資格から受けたほうが、下位資格の更新を気にする必要がなくなるのでオススメ です。
さいごに、、、
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
まだAIFとMLAに合格していない状況ではありますが、
私の経験を元にした勉強方法で、現在の試験体系であれば合格点を確実に獲得できるかと思います。
私自身も周囲に合格者が少なかったため、一人で勉強方法を模索する中で苦労しました。微力ながらこのような状況にある方々の助けになれれば幸いです。
皆さんの合格を心からお祈り申し上げます。
おまけ
- Credlyの利用:
Credlyを利用すると、AWSからの合格通知が早く届くためおすすめです。
経験ベースでは、土曜日午前中受験した合格結果が19時から20時半の間でメールに届きます。
ただし不合格だと午後8時以降にAWSから直接試験結果通知が来ます。
- 全冠取得の特典:
APN(AWSパートナーネットワーク)に加入していると、タンブラーやTシャツ、ピンバッチなどの特典を受け取ることがあります。
2025年にはAWS認定エンジニアの称号を全部獲得すると、表彰されるキャンペーンが開催されています。
(以前はTシャツやバッジ等の物理的な特典がありました)
詳細については、2025 Japan AWS All Certifications Engineers クライテリアを参照してください。
- 認定体系の変更:
去年ぐらいから認定体系の見直しがされています。
新しく追加された認定資格(AIF認定、MLA認定)には、通常のデジタルバッジ以外にアーリーアダプターのデジタルバッジも獲得できます。