はじめに
既に色んな方がレビューされてる HHKB Studio ですが、一応自分なりにここ一ヶ月程使ってみた感想や気になる点をエンジニア目線で思いつくままに書いてみます。自分が目にするレビューは非エンジニア且つこれまで HHKB を使ってなかった方のレビューが多い気がしましたので。と言っても、あまり大したこともエンジニアらしいことも書いてません
これまでの HHKB 歴
ここに書いた通りですが、その後うっかり HYBRID Type S 雪 を買い足してしまい Studio を買うまで仕事用にしてました。そしてそれまで会社で使っていた HYBRID Type S 墨 を自宅用に使っています。 Type S 雪と BT が浮いてしまってる状態ですけど、何となく愛着があって手放せないでいます。
一応それなりに文章やコードを書く仕事ですが、 HHKB を奪われると仕事効率が 70% くらいダウン(する気が)します。
自宅では主に macmini で、仕事では会社の Thinkpad (Windows11) で使用しています。
HHKB Studio 購入
発売日以降なかなか買えず、確か3回目くらいの入荷時(11月30日)に買うことができました。今でも即完売な状況なんでしょうか。
元々仕事では HYBRID Type S を出張にもかさばらないアーク マウスとの組み合わせでそこそこ快適に使ってましたが、ポインティングデバイス付きということで飛びついてしまいました。アークマウスもだいぶくたびれてきてちょうど買い替えを検討していたタイミングで、 HYBRID Type S の価格にマウス分の差額上乗せくらいで買えそうだったので。…買い替えるのはマウスだけでよかったはずなんですけど(笑)。
これまで使ってみて
書いてみると愚痴多めですけど、あくまで個人の見解として。
いいところ
- ポインティングスティック、ボタン付き
- マウスが要らない
- 感度の設定が可能
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ただ個人的には、ドット単位での領域選択など細かい作業では、感度調整してもまだマウスの方が有利だと思います。人によってはアプリ側の設定や慣れでなんとかなるのかもですが。
動作 キー操作 速度 1(遅い) マウスキー中央ボタン +[1] 速度 2 マウスキー中央ボタン +[2] 速度 3 マウスキー中央ボタン +[3] 速度 4(速い) マウスキー中央ボタン +[4] 速度 +(微調整) マウスキー中央ボタン +[G] 速度 -(微調整) マウスキー中央ボタン +[B]
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- ジェスチャーパッド付き
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割り当てる機能のカスタマイズが可能
- 左側ジェスチャーパッドにデフォルト割り当てのカーソルキーは、片手でエディタやブラウザの操作ができて地味に便利です。
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感度の設定が可能
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全ジェスチャーパッド一括設定ですが、今のところ特に不便は感じてません。
動作 キー操作 低 マウスキー中央ボタン +[6] 中 マウスキー中央ボタン +[7] 高 マウスキー中央ボタン +[8] 最高 マウスキー中央ボタン +[9]
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- Cherry MX スイッチ互換
- スイッチ、キーキャップの選択肢が広がる
- 今のところスイッチに不満はないですが、キーキャップは気分で変えるかも知れません。
- でもポインティングスティック付近の
G
,H
,B
キーは専用になるんでしょうかね。
- スイッチ、キーキャップの選択肢が広がる
- タイプ音が静か
- Type S がスコスコなら、 Studio はコトコトな感じ
- Type S (吸振マット付き) と同等か、より静か
- Type S よりカチャカチャというプラスチック的な音が少ない印象ですが、これはキーキャップの素材によるものでしょうか。
- プロファイルごとに標準、Fn1 ~ Fn3 レイヤを割り当て可能
- 各 FnX ボタンと同時押しする事で、ひとつのキーに異なる機能を設定可能
- Fn1 はこれまでの Fn キー
- Fn2 はマウス中央ボタン
- Fn3 は工場出荷時には割当てられておらず、ユーザーが任意のキーに割当可能
- この機能は HYBRID にも追加して欲しいかも
(マウスボタンないので 2 レイヤでも… Fn2 割当てるキーは限られそうですが)
- 各 FnX ボタンと同時押しする事で、ひとつのキーに異なる機能を設定可能
- その他
- キーレイアウトとジェスチャーパッド割当(プロファイル)を 4 通り保存可能
- HYBRID でも 2 通りのレイアウトが保存できて不自由してませんでしたが、それ以上使い分けたい方は嬉しいかもですね。
- LED が 2 色 4 灯になった
- 接続先(青色 LED)やレイアウト(白色 LED)を LED の点灯位置で教えてくれます。
- 個人的には HYBRID の電源ボタン押して LED の点灯回数で接続先教えてくれるのも可愛くて好きです。
- 電源スイッチがスライド式になった
- 視覚的に電源オン・オフが分かります。
- HYBRID では電源ボタンを一度(長押しでなく)押せば確認できます。
- キーレイアウトとジェスチャーパッド割当(プロファイル)を 4 通り保存可能
気になるところ
毎日リュックで持ち歩くので、サイズと重さがやっぱり気になります。
- デカい
- 手前のマウスボタン分のスペースが意外に大きい
- ボタンをキーボード手前の前面に配置できたら嬉しかったですが、やっぱり難しいのでしょうかね。
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松葉製作所さんのキーボードルーフ兼パームレストからマウスボタン分はみ出す
- 同パームレストを仕事用ノートPCの上に並べて置いて使えなくなった(これまでの HHKB だとちょうどよかった)
- 手前のマウスボタン分のスペースが意外に大きい
- 重たい
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タイプごとの重さ (電池含まず) - カタログ値と手元の秤での実測値
- 電池込みの実測値では、 Studio は Type S の1.5倍以上の重さ
- Studio は電池込みだと、もう約 1kg ですね
- 持った感じも、ずっしりと重いです
タイプ 英語配列 日本語配列 英語配列実測値 (電池含む) HYBRID Type S (雪) 540g 550g 597g Studio 840g 830g 926g -
HYBRID Type S は単3電池×2本使用
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Studio は単3電池×4本使用
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- ジェスチャーパッドを使うにはパームレストとの間にスペースが必要
- そのせいか、使い始めた頃に手首が痛くなった
- ジェスチャーパッドを一時的にオフできない
- 誤動作防止のため、あると嬉しいかも
- つい癖でキーボードのへりに触れてしまう事があります。
- 会議室への移動時などは電源オフればいいんですけど。
- マニュアルを見る限り、設定方法が見当たらない
- キーマップ設定ツールでプロファイル毎にオン・オフもできなさそう
- オン・オフすると、全プロファイルに適用されるようでした。
- 誤動作防止のため、あると嬉しいかも
- Type S よりキーストロークが深いように感じる
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実際は Studio の方がストローク短いので、スイッチの違いのせいでしょうか
タイプ 方式 キーストローク 押下圧 HYBRID Type S 静電容量無接点方式 3.8mm 45g Studio メカニカルスイッチ 3.6mm 45g
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マウスボタンのストロークの深さに慣れが必要
- 他のキーと同じスイッチと思われ、通常のマウスボタンや Thinkpad トラックポイントのボタンと比較するとストロークが深く、使い始めの頃は意識して深めにクリックする必要があった
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スクロール方向の切り替えが Windows と Mac で逆?
- もしかしたら他の設定のせいかもしれないが、期待の動作にするには Windows と Mac で DIP SW4 の設定を逆にする必要がある(Windows: On, Mac: Off)
- もしかして…と、Windows でアークマウスの設定に使用しているマウス キーボード センターというソフトウェアの影響かと設定変更して試してみましたが、関係なさそうでした。
- もしかしたら他の設定のせいかもしれないが、期待の動作にするには Windows と Mac で DIP SW4 の設定を逆にする必要がある(Windows: On, Mac: Off)
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複数キー組み合わせのショートカットキーで、キーの押下順によって正しく認識されない
- 同時押しするとキーレイアウト変更前のデフォルト配列のキーとして認識されてるっぽい
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例えば Windows で
Alt + F4
キーでウィンドウを閉じようとする場合に下記赤枠のキーを同時押ししても期待通り動作しません。 -
Alt
→Fn1
→4
の順に押下すると期待の動作となります。 -
Fn1
→Alt
の順または同時に押下するとWindows
キーとして認識されるようで、これは下記図でAlt
キーのレイアウト変更前の動作に見えます。 -
その他、 Windows でブラウザの進む・戻るに当たる
Alt + →
とAlt + ←
キーの組合せでも同様です。 -
今後のファームウェアでの修正に期待でしょうか…?
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- 同時押しするとキーレイアウト変更前のデフォルト配列のキーとして認識されてるっぽい
現在のキーマップ設定
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キーマップ設定ツールは Studio 用を使う必要があります
- Windows, Mac 用それぞれあり
- 仕事用の Windows では基本的にこれまでの Type S と同じキーレイアウト(下記スクショ)
- ジェスチャーパッドの設定は以下の通り
- 左側はデフォルト設定のままカーソルキー割り当て。
- 右側はまだ色々模索中ですが、ここ暫く下記設定です。
-
左右方向が
Windows + Shift + ←
/Windows + Shift + →
(アクティブウィンドウを複数モニタ間で移動)- デフォルト設定のウィンドウ切り替えは、片手で操作(
Alt + TAB
)できて特に支障感じてないので。
- デフォルト設定のウィンドウ切り替えは、片手で操作(
-
上下方向が
Ctrl + Mouse wheel up
/Ctrl + Mouse wheel down
(ズームイン/ズームアウト)- デフォルト設定の上下スクロールはカーソルキーでもなんとかなるので。
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- ジェスチャーパッドの設定は以下の通り
- 自宅の Mac ではあまり使っていないけど、今のところ Profile2 のデフォルトで支障ないような
まとめ
何だかんだ言っても結局、仕事用 Windows11 で毎日使ってます。ポインティングスティックはよいですし、ジェスチャーパッドが便利な時もありますが、自分の使い方ではこれまであまり困ってなかったので、重さとサイズのデメリットを考えると悩ましいところではあります。
理想は、これまでの HHKB と同サイズ且つ重量増も控えめでポインティングスティックとマウスボタンの追加です。自宅の macmini で HYBRID Type S 使っていると指がふとスティックを探してしまいます😅やっぱりホームポジションから手を離さずマウス操作できるのは嬉しいです。
…とはいえ、今週、社内向けツールのアイコンを GIMP で編集する機会がありましたが、やっぱり細かい操作はマウスに敵いませんでした。適材適所で使い分けるのがよいのでしょうね。結局マウスも買い替える事になりそうです(笑)。