はじめに
anthropicがパートナー企業向けに展開するClaudeの資格4種に合格したので、試験の感想・勉強したことなどを残しておきます。
- Claude Certified Architect – Foundations (CCAR-F)
- Claude Certified Architect – Professional (CCAR-P)
- Claude Certified Developer – Foundations (CCDV-F)
- Claude Certified Associate – Foundations (CCAO-F)
特に、CCAR-P, CCAO-F, CCDV-Fは2026年7月に公開されたばかりでまだ情報が少ないので、これから受験される方の参考になれば幸いです。
各試験の概要
試験に関する公式情報は以下に掲載されています。
各資格の区分は以下の記事がわかりやすいです。
受験した順番、スコア
- 王道(と思われる)CCAR-F, CCAR-Pを取得したあと、CCDV-F, CCAO-Fの順に受験しました。それぞれ1週間ずつ勉強の期間を取りました(が、主に一夜漬けでした)。
- Claude Partner Network tier にカウントされる資格(CCAR-F, CCAR-P, CCDV-F)を優先しました。CCAO-Fはカウント対象外のため優先度は下げていたのですが、3つめのCCDV-Fに合格した時点で折角なのでと同日に申し込んで受験しました。
| 受験日時 | 試験名 | スコア |
|---|---|---|
| 2026/7/26 | Claude Certified Architect – Foundations (CCAR-F) | 832 |
| 2026/8/2 | Claude Certified Architect – Professional (CCAR-P) | 893 |
| 2026/8/11 | Claude Certified Developer – Foundations (CCDV-F) | 911 |
| 2026/8/11 | Claude Certified Associate – Foundations (CCAO-F) | 901 |
全体を通しての感想
- とにかく英語がつらい
- いろんな方が言及されていますが、英語の試験なのがとにかくつらいです。普段はブラウザ翻訳に頼り切りなもので大変でした。
- 事前に英語で勉強しておく、特にAI関連の独特な単語に慣れておくのが直接的な試験対策になりました。
- 例:Delegate tasks to specialized sub-agents
- 2時間で60問前後解くことになるので、途中でめげそうになります。
- 多少対策したとてわからない単語は普通に出てくるので、人力CBOWで頑張るしかないです
- 試験官が厳しめ(?)
- 自宅で受験したのですが、カメラの角度が悪い、顔が近すぎ、等、何度か試験官から注意されました。
- 集中してるので大目に見てほしいな・・と思いつつ(私が悪いのですが)、2時間集中し続けるのは大変なので逆にちょうどよいブレークポイントになったのかもしれません(?)
試験の難易度について
個人的な難易度は CCDV-F < CCAR-F, CCAO-F < CCAR-P の順番でした。
以下、受けた順に感想を記載します。
CCAR-F
- 全体を通して出題内容のバランスが良く、やはり最初に受けるのはこの資格が適当かなと思いました。
- AWS Certified Solutions Architect - Associate 的な立ち位置の資格だと思います。
- udemy で購入した予想問題集でおおよそ対策でき助かりました。
CCAR-P
- 明らかにCCAR-Fより難しかったです。難しさの要因は、
- 単純な四択ではなく、出題形式で惑わせてくる (exam guide にある
Multiple-choice and multiple-response itemsの通り) - 試験範囲がより上位レイヤに移っていてなじみが薄い
- udemy で購入した予想問題集があまり役に立たなかった など。
- 単純な四択ではなく、出題形式で惑わせてくる (exam guide にある
- スコアこそCCAR-Fより高かったですが、解いている間は"落ちたかな・・"という感覚でした。「選んだ選択肢が正しいかどうかは自信がないが、他は明らかに違うからこれしかない・・・」となるものが多かったように思います。
CCDV-F
- この資格が一番簡単に感じました。これは、
- 技術的な話題が多く、選択肢の絞り込みがしやすい、判断に迷う問題が少ない
- 単語も技術的な専門用語が多いので逆に読みやすい(私が技術職寄りなこともあり)
とかいった事情によります。
CCAO-F
- 判断に迷う問題が多かったです。
-
公式の記載に
For consultants, sellersとある通り、他の資格とは毛色が異なる印象を受けました。私は技術職寄りなので特にギャップを感じました。例えば、他の資格はclaude code, messages api等が主題でしたが、この資格だけclaude.aiが出題範囲に入っているなど、この部分を見ても非開発者が対象になっているように感じました。 - 出てくる単語も他の資格と若干色合いが異なり、問題文の理解に苦戦しました。
- この試験も、「選んだ選択肢が正しいかどうかは自信がないが、他は明らかに違うからこれしかない・・・」となるものが多かったです。
試験内容に対する感想
試験勉強、および受験を通じて感じた内容について、守秘義務に反しない範囲で感想を記載します。以下は出題される設問内容そのものに対する言及ではない点に注意してください。
-
AIそのものの話題にとどまらず、示唆的な内容が多く面白かったです。
-
「とりあえず作ってみる、より先にまず要件定義をしろ」
-
「プロダクトの品質を高めるには、観点ごとに定量的な評価指標を設けて、修正→テスト→修正・・のフィードバックループを段階的に進めろ」
など、別にAIに限らず確かにそうだよな・・・と思うものが多かったです。 -
特にフィードバックループの話は、
- ニューラルネットの学習でも同じ話が出てくる(順伝搬→損失関数の計算→誤差逆伝搬→・・)のでなじみ深いですし、
- 新卒の研修でよくあるPDCAサイクルを思い出したり、
- 学部の時の授業で勉強した、制御工学の文脈、あるいは電子回路の文脈でのフィードバックループを思い出すなど、
「やはりフィードバックループ・・フィードバックループはすべてを解決する・・」という気持ちになりました。
-
-
「アンソロピックはこう考えています」系の話題が印象的でした。
- 「法務・ヘルスケア・雇用など、
High-Risk Use Case Requirementsに分類されるユースケースでは必ずHuman-in-the-loopの構成にせよ」など (参考:https://www.anthropic.com/legal/aup )
- 「法務・ヘルスケア・雇用など、
-
問題について
- 設問ごとに難易度のばらつきが大きいように感じました。なぜか最初の数問が難しくて出鼻をくじかれることが多かったのですが、取れる問題を確実に取るのが良い戦略だと思いました。
- 上述の通り、「明らかにこれだ、とはならなくても、他が明らかに違う」で絞り込めることが多かったので、消去法で絞る、とかいったよくあるテクニックが有効に感じました。
勉強したこと
教材
主にudemyの模擬試験に頼りました。
- CCAR-F は以下のudemyの模擬試験でおおよそ対策でき助かりました。
- CCAR-P, CCDV-Fは、これが直接役に立ったかと言われるとそこまで・・・な感じでしたが、試験範囲を体感するという意味でやっておいて良かったと思います。
- CCAO-Fは
そろそろ財布が厳しかったので模擬試験なしで臨みました。
- CCAO-Fは
- このシリーズは、問題そのものより解説が充実していて、数を解くよりは設問ごとに解説を読み込むようにしていました(というよりそもそも英語を読むのがつらくてそこまで多くの問題をこなせませんでした)。それぞれについて、事前に全部は解ききれず、だいたい100問前後解いてから受験していました。
公式のprep courses も各試験に対して用意されていますので★、本来はこちらから勉強を進めるのが筋だと思います。
私は少しだけ見て挫折してしまったのですが、ただ、CCAR-P向けのprep courses の一つ、claude-platform-solution-design は、少し見ただけでも明らかに完成度が高く勉強になりそうでした。こちらは時間を見つけて継続して読み進めたいと思っています。
(個人的な感想ですが、昨今の資格勉強の教材は動画が主流ですが、私は動画で勉強するのが苦手でテキストを読んで勉強したいタイプなので、こうしたテキストベースの教材が充実しているのはありがたいです)
勉強の進め方
AIプロダクト開発におけるフィードバックループについて学習していると、試験勉強の進め方もフィードバックループ的に考えたくなります。以下のように進めました。
- 1:udemyの問題を英語のまま1問解く
- 問題文のわからない単語はその場で調べる
- 2:正解でも不正解でも、以下を行う
- 解説含む全文をgoogle翻訳に入れて日本語化して、主に解説を読み込む (ここは日本語で妥協)
- 問われている内容そのものに不安があれば、claude.aiのチャットに全文を張り付けて解説させる
- 3:次の問題を解く
・・・ - 4:直近の正答率がある程度良くなってきたら(~8割9割)、学習を打ち切る
つまり「2」の部分が、自分の頭に対するフィードバック、あるいは誤差逆伝搬になっていて、これで自分の頭が効率的に学習されているはず・・・
AIプロダクトの効率的・継続的な品質改善の作法、あるいはニューラルネットの学習の作法が、そのまま人間の脳のニューロンの学習の作法を教えてくれる、というのが、写し鏡のようで面白いなと思います。(その反面、人間ってなんなんだっけという気持ちにもなります)
過去やっておいて/勉強しておいて役に立ったこと
今回の試験対策として行ったわけではないですが、過去やっておいて/勉強しておいて役に立ったことについて記載します。
普段からclaude codeを使う
これが一番役に立ったように思います。個人で契約しているほか、勤務先でも利用させていただいています。
claude code の基礎、agentic loop, harnes への理解
以下の記事が特に勉強になりました。大体ここに全部書かれており素晴らしい記事です。
特に、agentic loopの概念、つまり、claude codeは
- モデルが思考し、クライアント側でのtool_use を要請する
- クライアント側がローカルでtoolを実行し、その結果を追加して再度モデルに投げる
のループで構成されている、というのは必ず押さえておくべきです。
claude を利用したアプリ開発
- Messages API を直接叩く
- Agent SDK を利用する
- Pythonパッケージとしてアプリに組み込む
-
claude -pで実行する
など、いくつか実装する(claudeに実装してもらう)なかで解像度を上げました。
例えば、以前、LINE上で動くチャットボットを作ったのですが、この時にmessages API (正確にはそのchatGPT版であるOpenAI Chat Completions API)を利用した開発を行いました。この時に学んだこと、例えば
- 言語モデルそのものはステートレスであり、過去の会話履歴を認識していないこと
- これまでの会話履歴を引き継ぎたければ、これまでの会話履歴をすべて括り付けたうえで新しい質問を投げる必要があること (→会話の往復に対しておおよそ$n^2/2$でコンテキストが増えていくこと)
- 逆に、これまでの会話履歴はアプリケーション側でなんらかの方法で永続化しておく必要があること
- コンテキストウィンドウは有限なので、会話が長くなるとなんらか対策(圧縮する、捨てるなど)が必要になること
あたりが役に立ったように思います。
MCPサーバを立てる、skillを作ってみる、など・・
例えば以下など。
基礎技術の学習
ゼロから作るdeep learningを①~⑥まで読みました。特に最近出た⑥LLM編 が(まだ読み途中ですが)背景理解を深めるうえで勉強になりました。
補足
「実際に作ってみる」のは公式のexam guideでも推奨されていて、例えばCCAR-FのExam guide では、(私は手を付けられていないのですが)以下の演習が推奨されていました。
- Build a Multi-Tool Agent with Escalation Logic
- Configure Claude Code for a Team Development Workflow
- Build a Structured Data Extraction Pipeline
- Design and Debug a Multi-Agent Research Pipeline
おわりに
Claudeの4つの資格を受験しました。資格勉強の中で、claudeそのもの、またclaudeの周辺を取り巻くトピックに対する理解を深められた点がよかったです。
個人的には、claude のConstitutionという概念が気に入っていて、「よきAIとは」を言語化した、claudeを特徴づける概念だと思うので、これも試験範囲に含めたらいいのに・・と思いました。
変化の激しい世界なので、引き続きキャッチアップは継続していけたらと思います。
本記事がこれから受験される方のお役に立てましたら幸いです。