AIを使えば「自分以上の力」が出せる?
最近、ChatGPTなどのAIツールが当たり前になり、「AIを使えば、自分一人ではできなかったこともできる」という期待が高まっていますよね。
でも、実際に使ってみると気づくことがあります。それは、「AIが出した成果物を正しく評価・コントロールできないと、結局は自分の実力以上のものは作れない」ということです。
AIを強力な「武器」として使いこなすために今こそ必要だと感じる、「読解力」という視点について書いてみます。
「シン読解力」とは?
新井紀子氏が著書『シン読解力』で提唱しているこの言葉。本の中では、以下のように定義されています。
シン読解力:
教科書や仕事の文書など、「知識・情報を伝えるための論理的な文章」を、初見で正確に読み解く力。
「文章なんて読めて当たり前」と思いがちですが、実は文の構造を正しく捉え、論理的に理解することは意外と難しいものです。そして、この「正しく読み解く力」こそが、AIを使いこなすための鍵だと考えています。
AIは「自分の知能」という天井を超えられない
AIは、どんな問いに対しても、もっともらしい答えを返してくれます。しかし、AIの出力はあくまで「素材」や「下書き」です。
AIの活用をシンプルな式にすると、こんなイメージかもしれません。
もし、受け取る側の「読解力」が不足していると、AIがどれほど優れた(あるいは間違った)答えを出しても、それを正しく判断することができません。
- 内容が正しいか判断できない: AIがそれっぽい嘘をついても見抜けない。
- 改善の指示が出せない: 出力された文章のどこが「惜しい」のか、論理的な矛盾に気づけない。
- 自分の武器にできない: 結局、AIの出した答えをそのままコピペするだけになり、自分の知能のコントロール下に置けない。
つまり、自分に理解できないものは、自分の武器として使いこなすことができないのです。
AIを「武器」にするために必要な「批判的な視点」
AIを単なる「自動生成ツール」から「自分の能力を広げる武器」に変えるには、AIの出力に対して批判的な意見を持てることが大切だと思っています。
そのためには、まずAIが書いた論理的な文章を、一文一文正確に読み解く力が必要です。
「この主語に対する述語はどれか?」「この指示語は何を指しているか?」「前提と結論はつながっているか?」
こうした基本的な読解ができて初めて、AIに対して「ここは論理が飛躍しているから修正して」「この前提条件を追加して」といった的確なフィードバックを送ることができます。
おわりに
磨くべきは「読み解く力」
AI時代になると「もう文章なんて読まなくていい」と思われがちですが、実際はその逆なのかもしれません。
AIという強力な道具を使いこなし、自分の知能を拡張していくためには、その土台となる「読解力」をコツコツ磨いていくことが、一番の近道だと感じています。
プロンプトのテクニックを覚えるのも楽しいですが、まずはAIが返してくれた言葉を、今まで以上に丁寧に読み解くことから始めてみるのもいいと思いました。
参考文献
- 新井紀子 著 『シン読解力』