Matter.jsでスイカゲームを作ってみた!話題のゲームを支える2D物理エンジン入門
こんにちは!
最近、オンラインで「スイカゲーム」が大きな話題を呼んでいますね。シンプルなルールながら、フルーツが転がったり、くっついたりするリアルな動きに思わず夢中になってしまった方も多いのではないでしょうか。
実は、あの直感的で面白い動きの裏側には物理エンジンと呼ばれるテクノロジーが使われています。そして、Web上でそれを実現するための強力なライブラリが今回ご紹介する「Matter.js」です。
この記事では、Matter.jsがどのようなもので、なぜスイカゲームのようなゲームを作るのに最適なのかを解説します。さらに、実際に私がMatter.jsを使って開発したスイカゲームも公開しますので、ぜひ遊んでみてください!
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Matter.jsとは?
Matter.jsは、Webブラウザで動作する2Dリジッドボディ物理エンジンです。JavaScriptで書かれており、非常に手軽にリアルな物理シミュレーションをWebページに組み込むことができます。
「物理エンジン」と言われると難しく聞こえるかもしれませんが、要するに以下のような計算を自動で行ってくれるライブラリです。
- 重力: オブジェクトが自然に落下する動き
- 衝突検知: オブジェクト同士がぶつかったことを検知する
- 反発・摩擦: ぶつかった後の跳ね返りや、坂を転がる際の抵抗
- 剛体(Rigid Body): オブジェクトが変形しない固い物体としての挙動
これらの要素を自分でゼロから作るのは非常に大変ですが、Matter.jsを使えば、わずかなコードでこれらを実現できます。
なぜスイカゲームの実現にMatter.jsが最適なのか?
スイカゲームのコアな面白さは、フルーツの「物理挙動」にあります。Matter.jsは、まさにその部分を実装するのに最適な機能を備えています。
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リアルな衝突検知と挙動
スイカゲームでは、同じ種類のフルーツが接触したときに合体して大きなフルーツに進化します。Matter.jsにはcollisionStart
というイベントがあり、どのオブジェクトとどのオブジェクトが衝突したかを簡単に検知できます。このイベントをトリガーにして、フルーツを消して新しいフルーツを生成する処理を実装するわけです。 -
自然な落下と積み重なり
プレイヤーが落としたフルーツが、既にあるフルーツの山に当たって転がり、予期せぬ場所に収まる…といった偶発性もスイカゲームの魅力です。Matter.jsは重力や摩擦をリアルにシミュレートしてくれるため、フルーツが積み重なっていく様子が非常に自然で、プレイヤーに直感的な楽しさを提供します。 -
導入の手軽さ
Matter.jsはJavaScriptライブラリなので、特別な環境構築も不要で、HTMLファイルに数行追加するだけですぐに使い始められます。ドキュメントも豊富で、コミュニティも活発なため、学習コストが低いのも魅力です。
私が作ったスイカゲームをプレイしてみてください!
百聞は一見に如かず。Matter.jsが実際にどのように動作するのか、ぜひ私が作成したゲームで体験してみてください。フルーツが転がり、ぶつかり、合体する様子は、すべてMatter.jsの物理演算によるものです。
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Matter.jsの基本的な使い方(コード例)
「実際にどうやって使うの?」と興味が湧いた方のために、非常にシンプルなコード例をご紹介します。これだけで、画面上からボールが落ちてきて、地面で跳ねるアニメーションが作れてしまいます。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>Matter.js Simple Demo</title>
</head>
<body>
<canvas id="world"></canvas>
<script src="https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/matter-js/0.19.0/matter.min.js"></script>
<script>
// Matter.jsのモジュールを取得
var Engine = Matter.Engine,
Render = Matter.Render,
Runner = Matter.Runner,
Bodies = Matter.Bodies,
Composite = Matter.Composite;
// 物理エンジンを作成
var engine = Engine.create();
var world = engine.world;
// レンダラーを作成(どこに描画するか)
var render = Render.create({
element: document.body,
engine: engine,
canvas: document.getElementById('world'),
options: {
width: 800,
height: 600,
wireframes: false // ワイヤーフレーム表示をオフに
}
});
// 描画を開始
Render.run(render);
// エンジンを動かすためのRunnerを作成
var runner = Runner.create();
Runner.run(runner, engine);
// 世界にオブジェクトを追加
// 1. 円 (ボール)
var ball = Bodies.circle(400, 50, 40); // x, y, 半径
// 2. 四角形 (地面)
var ground = Bodies.rectangle(400, 580, 810, 60, { isStatic: true }); // x, y, 幅, 高さ, { 静的オブジェクトにする }
// 作成したオブジェクトをworldに追加
Composite.add(world, [ball, ground]);
</script>
</body>
</html>
このHTMLファイルをブラウザで開くだけで、もう物理シミュレーションが始まります。驚くほど簡単ですよね!
まとめ
今回は、2D物理エンジン「Matter.js」の魅力と、それを使ってスイカゲームがいかにして作られているかをご紹介しました。Matter.jsは、Web上で物理演算を手軽に扱える非常にパワフルなツールです。ゲーム開発だけでなく、インタラクティブなWebサイトや物理現象のシミュレーションなど、アイデア次第で様々な応用が可能です。
この記事を読んで少しでも面白いと感じていただけたら、ぜひ私のスイカゲーム(https://suikagame.fun/)をプレイして、その動きを体感してみてください。
そして、皆さんもぜひMatter.jsを使って、自分だけの物理シミュレーションやゲーム作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。