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【AWS IAM】「信頼関係を用いたマルチアカウントでSwitch Role制御の方法」

Last updated at Posted at 2024-04-03

はじめに

マルチアカウントでのAWSアカウントはどのように運用していますか?
以下イメージのようにJumpアカウントを設けて、IAM Userの一元化を行っているケースが多いと思います。
image.png

この構成を取る際に、セキュリティを考慮し、IAM GroupがSwitch出来るRoleを絞るために、IAM GroupにアタッチするPolicyでSwitch先のRoleを絞っていると思います。
しかし、先日組織のセキュリティポリシー上このJumpアカウント側のPolicyをカスタマイズ出来ないケースに遭遇しました。
このポリシーに準拠したうえで、IAM GroupがSwitch出来るRoleを絞るために、IAM Role側の信頼関係を用いて制御しました。
本記事では、このIAM Role側の信頼関係用いたSwitch Role制御の実装方法に関してご紹介させて頂きます。

信頼関係を用いた制御

実装イメージとしては以下のようになります。
image.png

ポイントとしては、以下2つです。

  • ユーザに役割を示すタグをつける
    ※IAM Groupにはタグをつけることが出来ないため、IAM Userにタグをつけます。
    そのタグをベースに信頼関係にてSwitchさせるかどうかの制御をしています。
  • IAM Roleの信頼関係でユーザのタグにより、Roleの引き渡しを制御する

それぞれのポイントに分けて、紹介させて頂きます。

ユーザにつけるタグ

ユーザには以下のようにタグをつけます。
image.png

グループ名をKeyとし、役割をValueに入れています。
上記の場合、infraGroupに所属し、開発(dev)、本番(prod)環境に対して、adminという役割を持つ形となります。
IAM Roleの信頼関係に関わってくるのですが、「:」を用いて役割所掌をつなげています。

IAM Roleの信頼関係

IAM Roleの信頼関係は以下のようになります。

relationship.json
     "Statement": [
      {
       "Action": "sts:AssumeRole",
       "Condition": {
        "StringLike": {
         "aws:PrincipalArn": "arn:aws:iam::jumpアカウント:user/*"
        },
        "ForAnyValue:StringLike": {
         "aws:PrincipalTag/infraGroup": [
          "*dev-admin*"
         ]
        }
       },
       "Effect": "Allow",
       "Principal": { "AWS": "arn:aws:iam::jumpアカウント:root" }

ここが本構成の最重要ポイントととなります。
IAM Userと関連する部分にフォーカスして紹介させて頂きます。

"StringLike": {
Condition句の一部となります。
JumpアカウントのIAM UserからのみこのRoleを引き受けることを許可しています。

"ForAnyValue:StringLike": {
Condition句の一部となりです。
IAM UserにinfraGroupタグが設定されており、そのタグ値に「dev-admin」が含まれる場合のみ、このRoleを引き受けることを許可しています。
"*dev-admin*"のように「*」で囲んでいるのは、「prod」等他の環境に対しても権限を持つ場合IAM Userのタグにて「:」でつなげています。
例:「dev-admin:prod-admin」
そのため、前段や後段に「:」がある可能性があるため「*]で囲っています。

ForAnyValue:StringLike

aws:PrincipalTag/tag-key

まとめ

今回は、Jumpアカウントを用いたマルチアカウント環境下で、信頼関係を用いてSwitch Roleを制御する方法をご紹介させて頂きました。
素直に考えるとPolicyで制御しちゃえばいいんですが、このやり方の優位性は同じIAM Groupに所属させたうえで、Assume Role先を制御できるので、Groupから一段掘り下げて細かく制御することができる部分にあります。なので、無駄にGroupを乱立させなくてよいというメリットが出てきます。

Jumpアカウントを構成したマルチアカウント環境下で、Switch Roleのご利用をご検討の際は、ご紹介させて頂いた内容を参考にして頂けると幸いです。
※ 本ブログに記載した内容は個人の見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません。

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