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Microsoft Azure TechAdvent Calendar 2022

Day 24

Azure Log Analytics で Azure VM のパフォーマンスを分析する。

Last updated at Posted at 2022-12-23

駆け出しアーキテクトのやまぱんです。
この記事は Microsoft Azure Tech Advent Calendar 2022 の 24 日目の記事です。
今回は Azure Log Analytics で Azure VM (Windows/Linux) のパフォーマンス (CPU/メモリ/ディスク) 情報を取得し分析する方法についてお伝えします。
途中ハマりポイントがあったので記しておきます!!

レガシーエージェントとモダンエージェント

まず、 Log Analytics で Azure VM のパフォーマンスを取得し分析するためには VM エージェントの拡張機能によって Azure VM のデータを収集します。
現在 拡張機能のエージェントとして、1.Log Analytics エージェント を用いる方法2.Azure Monitor エージェント を用いる方法の 2 種類の方法があります。
Log Analytics エージェント は Docs ではレガシエージェントとも記載されています。
Docs では " レガシ Log Analytics エージェントは、2024 年 8 月以降はサポートされません。" と記載されており、そのため、現在構築するのであればレガシーエージェントである Log Analytics エージェント ではなく、モダンなエージェント(モダンエージェント)である Azure Monitor エージェントを用いることをオススメします

Log Analytics エージェント:レガシーエージェント (2024 年 8 月以降はサポートされません。)
Azure Monitor エージェント:モダンエージェント

なお現在インストールされている VM エージェントの拡張機能は Azure Portal 下記のように確認することが可能です。
手順:"Azure Portal" → "仮想マシン" → 対象の Azure VM → ”拡張機能とアプリケーション”

Windows の場合

  • AzureMonitorWindowsAgent → Azure Monitor エージェント:モダンエージェント
  • MicrosoftMonitoringAgent → Log Analytics エージェント:レガシーエージェント
    2022-12-23_02h22_55.png

Linux の場合

  • AzureMonitorLinuxAgent → Azure Monitor エージェント:モダンエージェント
  • OmsAgentForLinux → Log Analytics エージェント:レガシーエージェント
    2022-12-23_02h28_40.png

環境構築

Log Analytics エージェント(レガシーエージェント)での設定

参考までにレガシーエージェントでの設定方法も記載しておきます。

上述した通り、こちらの設定方法はサポートが切れることが決定しています。

レガシーエージェントでの設定方法は Log Analytics ワークスペースから行うことが可能です。
"Azure Portal" → "Log Analytics ワークスペース" → "仮想マシン" より、 Azure VM の一覧が表示されるので分析対象としたい Azure VM を選択し、"接続" を押下することで設定完了です。数分で完了します。
また、他にも設定方法はあるので、気になるかたは後述の Docs を確認してください。

対象の Azure VM が稼働している場合は、数分で Log Analytics ワークスペースよりパフォーマンス情報を確認することが可能です。

2022-12-23_02h45_00.png

・Log Analytics エージェント(レガシーエージェント)の概要
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/azure-monitor/agents/log-analytics-agent

Azure Monitor エージェント(モダンエージェント)での設定

つぎに Azure Monitor エージェントでの設定方法です。
手順:”Azure Portal” → ”モニター” → ""データ収集ルール"" → "[作成]をクリック"
2022-12-23_02h56_07.png

・Azure Monitor エージェント(モダンエージェント) の概要
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/azure-monitor/agents/agents-overview

設定内容例 (Windows の場合)

下記のようにウィザードに従って設定を進めます。
2022-12-23_03h03_25.png

・Windowsの場合はイベントログ、Linux の場合は syslog も取得することが可能です。

[プラットフォームの種類] : [カスタム] について
後述の Docs (データ収集ルールを作成する) 内で下記のように記載がありますが、今回私が検証したところ、[カスタム]を利用した場合でも仕様上、Winodows と Linux を同一のデータ収集ルール内で設定している場合、デフォルトでは Winodws 用のパフォーマンスカウンターのみしか設定がされないため、Linux 用のパフォーマンスカウンターが欠損してしまい、一部のパフォーマンス情報が取得できませんでした。(メモリ使用率が取得できませんでした。)
今回の解決策としては、Windows / Linux 向けのデータ収集ルールをそれぞれ作成することで解決しました。

"[プラットフォームの種類] により、このルールを適用できるリソースの種類を指定します。 [カスタム] オプションにより、Windows と Linux の両方の種類が許可されます。"

なので、今回下記のように 2 つのデータ収集ルールを作成しました。(送信先の Log Analytics ワークスペースはどちらも同じ。)
2022-12-23_03h24_01.png

  • データ収集ルール の下記で送信先の Log Analytics ワークスペースを指定します。
    2022-12-23_03h49_54.png

公式詳細手順は下記にあります。
・データ収集ルールを作成する - Azure Monitor エージェントを使用して仮想マシンからデータを収集する
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/azure-monitor/agents/data-collection-rule-azure-monitor-agent?tabs=portal#create-a-data-collection-rule
・インストール - Azure Monitor エージェントを管理する
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/azure-monitor/agents/azure-monitor-agent-manage?tabs=azure-portal#install

収集対象の OS 種別 (Windows / Linux) によってデータ収集ルールを分ける。

Log Analytics ワークスペースで確認する

設定が完了すれば、拡張機能 (それぞれのエージェント) がインストールされ、 Log Analytics で性能情報が取得できるはずです。
"Log Analytics" → "ログ" からクエリを実行することができます
無事に Log Analytics でLinux も Winodws もログの収集ができていることが分かります。1分程度のラグがあるがほぼリアルタイム。(PowerShellの方はJSTでクエリの結果はUTCなので 9:00 の表記差を考慮するとほぼリアルタイム)
2022-12-23_03h34_35.png
画面ショットの通り、Linux と Windows では Object Name や InsatanceName が異なることがあります。
それを使ってLinux とWindows を分けて抽出することが可能です。

  • また、出力した結果は CSV やエクセルファイルとしてエクスポートすることが可能です。
    2022-12-23_03h42_47.png

参考クエリ

以下に参考クエリをメモしておきます。
要件に合わせてクエリを記述する際の参考になれば幸いです。

性能情報のテーブルは Perf です。

  • 性能情報のテーブルは Perf
    2022-12-23_04h41_58.png
    これをベースに目的別に抽出します。

  • 参考 Docs

1.合計 CPU 使用率 (30秒ごと)

ObjectName で分けます。

Windows
KQL
Perf  //cpu usage (Windows) per 30sec
| where CounterName == "% Processor Time" and ObjectName =="Processor Information"
| summarize CpuUsage=avg(CounterValue)by Computer,ObjectName,CounterName,InstanceName, bin(TimeGenerated, 30s)
|order by TimeGenerated desc 
Linux
KQL
Perf  //cpu usage (Linux) per 30sec
| where CounterName == "% Processor Time" and ObjectName =="Processor" and InstanceName =="total"
| summarize CpuUsage=avg(CounterValue)by Computer,ObjectName,CounterName,InstanceName, bin(TimeGenerated, 30s)
|order by TimeGenerated desc 
まとめて出す

Counter Name 共通、双方の対象 InsatanceName に "total" が入っていることを利用します。

KQL
Perf  //cpu usage (Windows and Linux) per 30sec
| where CounterName == "% Processor Time" and InstanceName contains "total"
| summarize CpuUsage=avg(CounterValue)by Computer,ObjectName,CounterName,InstanceName, bin(TimeGenerated, 30s)
|order by TimeGenerated desc 

2.メモリ利用率 (30秒ごと)

CounterName で分けます。

Windows
KQL
Perf  //Memory usage (Windows) per 30sec
| where CounterName == "% Committed Bytes In Use"
| summarize MemoryUsage=avg(CounterValue)by Computer,ObjectName,CounterName,InstanceName, bin(TimeGenerated, 30s)
|order by TimeGenerated desc 
Linux
KQL
Perf  //Memory usage (Linux) per 30sec
| where CounterName == "% Used Memory"
| summarize MemoryUsage=avg(CounterValue)by Computer,ObjectName,CounterName,InstanceName, bin(TimeGenerated, 30s)
|order by TimeGenerated desc 
まとめて出す

素直に or します。

KQL
Perf  //Memory usage (Windows and Linux) per 30sec
| where CounterName == "% Committed Bytes In Use" or CounterName == "% Used Memory"
| summarize MemoryUsage=avg(CounterValue)by Computer,ObjectName,CounterName,InstanceName, bin(TimeGenerated, 30s)
|order by TimeGenerated desc 

3.ディスク空き容量 (30秒ごと)

ObjectName で分けます。
ややこしいですが、"LogicalDisk""Logical Disk" です。

Windows
KQL
Perf //Disk Free Space (Windows) per 30sec
| where CounterName == "% Free Space"  and ObjectName =="LogicalDisk"
| summarize AggregatedValue=avg(CounterValue ) by Computer,ObjectName,CounterName,InstanceName, bin(TimeGenerated, 1m)
Linux

InstanceName =="/" でマウントポイントをルートディレクトリに指定してる。

KQL
Perf //Disk Free Space (Linux) per 30sec
| where CounterName == "% Free Space"  and ObjectName =="Logical Disk" and InstanceName =="/"
| summarize AggregatedValue=avg(CounterValue ) by Computer,ObjectName,CounterName,InstanceName, bin(TimeGenerated, 1m)
まとめて出す

Counter Name が 共通なので、or して上記 2 つを合わせて出す。

KQL
Perf //Disk Usage (Windows and Linux) per 30sec
| where CounterName == "% Free Space"
| where InstanceName =="/" or  InstanceName =="_Total"
| summarize AggregatedValue=avg(CounterValue ) by Computer,ObjectName,CounterName,InstanceName, bin(TimeGenerated, 1m)

perf 以外のテーブル(イベントログや syslog)

今回はさらっと流しますが、参考までにイベントログや Syslog 収集をした場合はそれぞれ下記のテーブルから取得できます。

  • イベントログ : Event
    2022-12-23_13h53_22.png

  • syslog : Syslog
    2022-12-23_13h54_11.png

その他クエリ参考 Docs

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