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AI Agent 時代は「うまく指示する」より「未知を見つける」が大事

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Last updated at Posted at 2026-07-06

こんにちは、AI エージェントにお願いしたあと「なんか違うな……?」と一緒に首をかしげがちなアーキテクトのやまぱん!です 😅

Thariq さん(@trq212)の X 投稿 A Field Guide to Fable: Finding Your Unknowns Working with Claude をきっかけに、AI エージェントと成果を出すうえで大事なのは、prompt や skills や context を整えることだけではないなーと感じました。

もちろん、それらは大事です。めちゃくちゃ大事です。ただ、それだけだと「地図はきれいだけど、現地の崖に気づいていない」みたいなことが起きます。

この記事では、prompt / skills / context を「map」、実際の codebase や制約を「territory」として見たとき、その差分にある unknowns をどう見つけるかを考えます。Claude の話から出発しつつ、GitHub Copilot やコーディングエージェント一般でも使える実践として整理してみます。

補足コメントや質問、いいね、拡散、ぜひお願いします 🥺!
間違っていたら 優しく 教えてください!

注: この記事は 2026/07/06 時点で確認できた公開情報をもとにした考察です。外部記事の直訳や長い引用ではなく、私の GitHub Copilot / コーディングエージェント運用に引き寄せた実践メモとして書いています。

TL;DR

  • prompt / skills / context は AI エージェントに渡す「map」ですが、実際の codebase や運用制約という「territory」とは必ずズレます。
  • そのズレにあるのが unknowns で、ここを見つけられるかが成果物の質をかなり左右します。
  • known knowns / known unknowns だけでなく、 unknown knownsunknown unknowns を掘り起こす設計が大事です。
  • blindspot pass、interview、prototype / reference、implementation-notes.md、post-implementation quiz は unknowns 発見の型として使いやすいです。
  • これは「プロンプト不要」という話ではなく、プロンプトだけでは足りない という話です。

AI エージェントにおける map / territory / unknowns の関係

図にすると、やりたいことは「map をきれいにする」だけではなく、map と territory のズレを早く見つける ことです。

map は prompt / skills / context、territory は現実の codebase

X 投稿カードと調査メモで読めた範囲で一番しっくり来たのは、AI エージェントに渡す情報を map、実際に作業が起きる場所を territory と見る整理です。

  • map: prompt、skills、context、仕様メモ、設計方針など、私たちが AI エージェントに渡す表現
  • territory: 実際の codebase、既存の制約、テスト、運用、利用者、レビュー観点など

prompt はあくまで地図です。地図は必要ですが、地図そのものが現地ではありません。

たとえば「この API に認証プロバイダーを追加して」と書いたとします。prompt としては成立しています。でも実際の codebase には、過去の互換性、既存の middleware、監査ログ、テストデータ、運用チームの暗黙ルールがあるかもしれません。

この prompt には書かれていないが、作業結果には効いてくるもの が territory 側にあります。AI エージェントがここを知らないまま実装すると、コードは動くけどレビューで止まる、ということが起きます。

これ、けっこうありますよね 😅

unknowns を 4 つに分けて考える

調査メモで読めた範囲では、unknowns を 4 象限で整理していました。日本語に寄せると、こんな感じです。

分類 ざっくり言うと 開発での例
known knowns 分かっていて、prompt にも書けていること 「この API に新しい auth provider を追加したい」
known unknowns 分からないと自覚していること 「既存 auth module の設計はまだ読めていない」
unknown knowns 自分の中では判断できるが、言語化していないこと 「この UI は業務ツールなので、派手すぎる見た目は嫌」
unknown unknowns 存在すら気づいていない論点 「実は監査ログの形式に互換性制約がある」

AI エージェントに渡しやすいのは known knowns です。普通の prompt はここが中心になります。

でも、成果物のズレを生みやすいのは、むしろ unknown knowns と unknown unknowns です。

たとえば UI 実装なら、「見たら違うと分かる」けど、最初から言葉にできていない好みがあります。これは unknown knowns です。セキュリティや運用制約のように、自分もまだ気づいていない落とし穴は unknown unknowns です。

AI エージェントをうまく使うというのは、きれいな prompt を一発で書くことではなく、 unknown unknowns を known unknowns に引き上げる ことでもあるのだと思います。

AI エージェントに unknowns を見つけてもらう 5 つの型

ここからは、自分の GitHub Copilot / Claude Code 運用にも持ち込みやすい形で、unknowns を見つける型に整理します。

1. blindspot pass: まず見落とし候補を出してもらう

新しい領域に入るときは、いきなり実装させる前に blindspot pass を頼むのがよさそうです。

たとえば、こんな依頼です。

この codebase の auth module はまだ詳しくありません。
新しい auth provider を追加する前に、見落としそうな unknown unknowns を洗い出してください。
仕様、既存設計、テスト、セキュリティ、運用の観点で、私が追加で prompt に書くべきことも提案してください。

ポイントは、「実装して」ではなく、 見落としそうなことを先に見つけて と頼むことです。

GitHub Copilot でも Claude Code でも、codebase を検索できる agent なら、既存実装・テスト・命名・過去の似た機能を見て、こちらが知らなかった観点を出してくれます。

これはかなり安い保険です。実装後に「その制約、先に知りたかった……」となるより、最初に blindspot を探した方が戻りが少ないです。

2. interview: AI から質問してもらう

要件がぼんやりしているとき、人間側が「何を決めるべきか」すら分かっていないことがあります。

そういうときは、AI エージェントに質問役をやってもらうのが便利です。

実装に入る前に、曖昧な点を一問ずつ質問してください。
優先順位は「私の回答によって architecture や data model が変わるもの」を高くしてください。

一問ずつ、というのが意外と大事です。まとめて 15 問出されると、人間が疲れます。しかも、最初の回答で次の質問が変わることもあります。

これは、unknown knowns を引き出すのに向いています。

自分の中では「当然こうでしょ」と思っていたことが、AI から聞かれると「あ、確かにそれ prompt に書いてなかった」と気づけます。

3. prototype / reference: 言葉にできないものを小さく見せる

UI や資料、設計方針のようなものは、言葉だけで伝えるのが難しいです。

「いい感じに」「業務ツールっぽく」「見やすく」と言っても、AI エージェント側には幅がありすぎます。そこで、prototype や reference を使います。

たとえば UI なら、いきなり本体に組み込ませず、HTML 1 枚で 3〜4 パターン出してもらいます。

本実装に入る前に、この dashboard の UI 方向性を 4 パターンの HTML mock で出してください。
それぞれ、業務向け、分析向け、管理者向け、軽量ツール向けの方向で変えてください。
私は見てから、採用したい方向と避けたい方向を返します。

また、言葉で説明しにくい挙動があるなら、reference を渡します。

この folder の既存 component と同じ密度感・操作感にしてください。
特に toolbar の配置と empty state の扱いを参考にしてください。

これは「見れば分かるけど、最初から言語化できない」unknown knowns に効きます。

4. implementation-notes: 実装中の発見を残す

どれだけ準備しても、実装中に初めて分かることはあります。

そこで、AI エージェントに一時的な implementation-notes.md を残させるという型が使えます。

実装中に plan から逸れる必要が出た場合は、保守的な選択をして進めてください。
ただし、逸れた理由、見つけた edge case、次回 prompt に入れるべきことを implementation-notes.md に記録してください。

これは「今回の実装を通じて見つかった territory」を次回の map に戻す作業です。

agent に任せると、成果物だけが残って、途中で何を見つけたのかが消えがちです。implementation-notes.md があると、「なぜその実装になったのか」「次に同じことをやるなら何を先に伝えるべきか」が残ります。

個人的には、長めのコーディングエージェント作業ほどこのメモは価値があると思います。

5. post-implementation quiz: 実装後に理解度を逆質問する

AI エージェントが大きな差分を作ったあと、diff を読むだけで全部理解するのはけっこう大変です。

そこで、実装後に quiz を作らせます。

今回の変更を私が理解できているか確認したいです。
変更の背景、主要な code path、リスク、テスト観点を説明したうえで、6 問の quiz を出してください。
私が間違えた場合は、該当する説明箇所に戻れるようにしてください。

これは少し大げさに見えるかもしれません。でも、merge 前の理解チェックとしてかなり良いです。

「AI が作ったから分からないけど、テスト通ってるし merge」ではなく、 自分が説明できる状態に戻す ための型ですね。

Claude だけでなく GitHub Copilot でも同じ話

元記事は Claude / Fable の話です。Fable は元記事側の文脈に出てくる題材ですが、この記事ではモデル固有の評価ではなく、そこから取り出せる map / territory / unknowns の考え方に絞ります。

この unknowns の考え方は、GitHub Copilot でもかなり使えます。

たとえば VS Code の GitHub Copilot Chat でコーディングエージェントに依頼するときも、最初の prompt だけで完璧に伝えようとすると苦しくなります。

なお、GitHub Copilot には IDE 上で動く agent mode と、GitHub.com / Issue / Pull Request から作業を委譲する Copilot cloud agent があります。公式 Docs でも両者は別の実行形態として説明されています。この記事では細かな機能差ではなく、どちらにも共通する「作業前に unknowns を減らす」考え方に寄せています。

むしろ、最初からこういう流れにすると安定します。

  1. blindspot pass で見落としを探す
  2. agent に質問してもらい、曖昧な前提を潰す
  3. 必要なら prototype や reference で方向性を合わせる
  4. implementation plan を見て、人間が変えそうな判断を先に確認する
  5. 実装中の発見を notes に残す
  6. 実装後に quiz / explainer で人間の理解に戻す

これ、ほぼ agent workflow の設計です。

prompt を「作業命令」として一発で投げるのではなく、 unknowns を減らす対話プロセス として見る。ここがかなり大きな違いだと思います。

「プロンプトだけでは足りない」は「プロンプトが要らない」ではない

ここは誤解しやすいので、強めに書いておきます。

これは「プロンプトエンジニアリングはもう不要です」という話ではありません。

むしろ逆です。prompt / skills / context は、AI エージェントに渡す map として今後も重要です。ただ、map をきれいにするだけでは territory のすべては表せません。

だから、良い prompt を書く力に加えて、次の力が必要になります。

  • 自分が何を知らないかを見つける力
  • AI エージェントに質問させる力
  • prototype や reference で曖昧さを外に出す力
  • 実装中に発見した制約を次の context に戻す力
  • AI が作ったものを自分の理解に引き戻す力

このあたりが、AI エージェント時代の実践的なスキルになっていくのかなと思います。

あわせて読むとつながる記事

今回の話は「未知を見つける」ことに寄せましたが、AI エージェントをちゃんと仕事に組み込むには、ループ、検証、Skill 設計もセットで効いてきます。過去に書いた記事だと、次のあたりが近いです。

まとめ

Thariq さんの投稿をきっかけに、AI エージェント活用の見方が少し変わりました。

これまでは、prompt / skills / context をどう整えるかに意識が寄りがちでした。でも、それらはあくまで map です。実際の作業が起きる territory には、まだ見えていない制約や判断軸があります。

AI エージェントに任せる前に、AI エージェントと一緒に unknowns を探す。

この順番を入れるだけで、実装の戻りや「なんか違う」がかなり減りそうです。明日から 1 つだけ試すなら、まずは blindspot pass からでよいと思います。

私も次から、少し重めの作業を投げる前には、まずこう聞いてみようと思います。

この作業に入る前に、私が気づいていない unknown unknowns を探してください。
そして、より良い prompt にするために私へ確認すべきことを、一問ずつ質問してください。

プロンプトを書く技術から、未知を一緒に見つける技術へ。

AI エージェントとの付き合い方は、たぶんこの方向に進んでいくんだろうなーと思いました。

参考 / 出典

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