生成AIは嫌われている? ツイート感情分析でわかった実態
最近、Twitterなどのタイムラインを見ていると、生成AIを嫌悪したり、懸念点を訴える投稿をよく見ます。個人的には、センシティブな分野、例えば幼児教育など以外では気を付ける必要があるものの、それ以外では積極的に使用が検討されてもいいものであるように思われます。例えば水問題や電力問題を差し引けば、それほど危険な技術であるとも思えません。
しかし、著作権などの問題でレスバが相次いでいるような気がしてなりません。果たして、生成AIに対して、ネガティブな意見が多数派なんでしょうか。
そこで、実際に生成AIに関するツイートを集め、日本語の感情辞書を使って分析してみました。
データ収集
Twitter(現X)から収集することにします。検索機能で「生成AI」と検索し、ついすぽで収集します。
2026/2/17 18:13から2026/2/17 17:12の511件の投稿を集めました。収集した投稿の平均インプレッションは以下の通りです。
| リプライ数 | RT数 | いいね数 | 引用数 |
|---|---|---|---|
| 0.156555773 | 0.26223092 | 1.471624266 | 0.048923679 |
割と適当に集めたので、これが本当に平均を満たしているかは分かりません。数を目標に収集したのですが、投稿が多いので、短期間になってしまいました。時間的な特徴が出てしまう可能性がありますが、あまり大きな影響は予想できないかなと思うのでこのままいきます。
ワードクラウド作成
ついすぽは以下のような感じでCSVで出してくれるので、3列目が投稿内容になります。
□ 投稿日時 テキスト URL imp ...
なので、Pythonで3列目を取り出してきて、それを分析対象とします。MeCabで形態素解析を行い、それをPythonのwordcloudライブラリに投げて作ってもらいます。細かい調整はあまりしていないので、適当ですが、それでもそれっぽいものはできます。「生成」「AI」と助詞・助動詞・機能語は除いています。
ワードクラウド。「的」や「人」が大きく表示されている。
生成AIと人を比較する内容が多いからなのかは分かりませんが、「人」が多いですね。ネガティブなワードとして大きいのは「問題」「規制」なども確認できるので、それなりに多いのかな。
感情が現れやすいであろう、動詞、形容詞も追加したのが以下のもの。

ワードクラウド 「いる」「思う」「使う」「人」などが大きく表示されている。
こちらはあまり参考になる形態素がないけれど、「できる」や「良い」というようなポジティブなワードも目立ちます。
感情分析(ネガポジ分析)
ワードクラウドで分かることは少なかったので、感情分析をしていきます。利用する感情辞書は「日本語評価極性辞書(用言編)」と「日本語評価極性辞書(名詞編)」の2つ。
こちらは形態素解析などは行わず、部分一致検索で、単純に文章中に辞書の語句が含まれているかどうかだけでスコアを足し引きしていきます。日本語評価極性辞書(用言編)では、辞書のヒット率はあまり高くないので、ヒットしない投稿を除いたものと、全体版を用意して分析していきます。
まずは、日本語評価極性辞書(用言編)での分析から。
日本語評価極性辞書(用言編)
| カテゴリ | 件数 | 平均値 | 第1四分位数 | 中央値 | 第3四分位数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経験(全体) | 511 | -0.014 | 0 | 0 | 0 |
| 経験(辞書ヒットのみ) | 41 | -0.171 | -1 | -1 | 1 |
| 評価(全体) | 511 | 0.117 | 0 | 0 | 0 |
| 評価(辞書ヒットのみ) | 89 | 0.670 | 1 | 1 | 1 |
| 経験+評価(全体) | 511 | 0.102 | 0 | 0 | 0 |
| 経験+評価(辞書ヒットのみ) | 121 | 0.430 | -0.333 | 1 | 1 |
結果を棒グラフに起こすと以下のようになります。
多くの投稿が感情辞書にヒットしなかったことがわかります。感情辞書に載っている用言がないことが、中立であるかは議論の余地がありますが、全体的な傾向を見る限り、それらを省いたバージョンでも、省かなくてもネガティブなものよりもポジティブな意見の方が多いように思われます。
ただし、経験だけで見た場合は、ネガティブな意見が多いことが分かります。主観的なものが評価、客観的なものが経験だそうなので、使ってみた感想のようなものが評価に、生成AIに対する考えのようなものが経験に来ているものと考えられます。これが、生成AIに関するレスバの元といえるものなのではないでしょうか。しかし、経験においても、ダブルスコアをつけるほどではなく、それほど大きな差があるわけではなさそうです。
次に、日本語評価極性辞書(名詞編)での分析を行ってみます。こちらは多くが辞書にヒットし、複数ヒットすることも多いので分布をみることができます。
日本語評価極性辞書(名詞編)
| カテゴリ | 件数 | 平均値 | 第1四分位数 | 中央値 | 第3四分位数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 全体 | 511 | 0.102 | 0 | 0.105 | 0.267 |
- 名詞編による感情スコア分布棒グラフ
こうみると、肯定よりのものの方に偏りが多いことが分かります。とはいえ、極端にポジティブな意見というのも多くはなく、ネガティブな点もあるけれどもポジティブというような前向きな意見が多いのではないかと考えられます。
まとめと考察
今回は「生成AI」を含むTwitter上の言説について分析してみました。
ワードクラウドなどを見ると、「問題」や「規制」というのが主流なトピックとしては上がっていることが見て取れた一方で、感情分析における感情スコアは、高い方に偏る分布となっており、むしろポジティブな投稿が多いことが分かります。
ただし、分析上の問題として、広告宣伝的な投稿を排除していない点、投稿と人が一対一対応とならないような分析方法をとった点があります。人数ベースで見たとき、どうなのかという点に関しては検討が必要でしょう。
結論としては、必ずしも生成AIは嫌われていないということです。
否定的な意見が多いように感じられたのは、それらの意見に擁護派が反応しやすいといったことや、フィルターバブル的な側面もあったのでしょう。SNSで見れる情報が必ずしも現実を反映していない一例といえます。
利用されてもらったソフトウェア、ライブラリなどなど
2026年02月18日の記事、移行



