はじめに
自作キーボード初心者が、Keyball39が完成したテンションそのままに感想を紹介する記事です。
まずは、このような素晴らしいキーボードを作成し販売してくださったヨーキース様、はんだ付けからキーボードの作り方を丁寧に教えてくださった遊舎工房様に最大の感謝を伝えたいです。
想定読者
・キーボードが好きな方
・Keyballに興味がある方
・特に、これからKeyballを作る方向けに作成時の注意点をまとめました。
経緯
元々、ガジェットが好きで最適化を求めた結果、HHKB Hybrid Type-S、LogicoolのMXergoを長年愛用しておりました。ガジェット好きとはいってもガチ勢の方々の足元にも及ばず既製品を買って仕事で使うくらい。
購入経緯としては、IT系の仕事をしているためほぼ毎日タイピングの日々。
半角/全角ボタン、Deleteキーは遥か遠し。HHKBのキーマップ変更で最大限運指を少なくするもまだ足りない。運指で指の関節を痛めることも...
そんな中見つけたのがこのKeyball39でした。キーボードとマウス一体型かつ、分離型なので体にも優しい。
そして何と言ってもキーが39個のみという究極のスタイリッシュ変態キーボード。
最近ついに入荷されたため迷わず購入しました。ここから私のKeyballとの格闘が始まります。
当初、委託と書かれていたものを勘違いして作られたものが届くと思い込んでました。説明文をあまりよく見ずに購入してしまったのですがパーツが届くのみで自作前提。
さらに自作キーボードの中でも高難易度という鬼畜キーボード(完全に自分が悪い)
予算感
かかった総額は大体5万円。
もともと本体とキー合わせて3万円以内に済むと思っていたので大幅な予算オーバー。一部の部品は自分でそろえる必要がある。
また、私ははんだ付けも未経験だったので工作費もかなりかかりました。(ただし、沼ってしまい自分でもはんだごてを買う始末)
詳細は以下の通りです。会社やカフェでも使いたいのでなるべくシンプルかつTPOをわきまえた白基調にしました。
キースイッチはHHKBに一番近いものを店員さんに聞いてチョイス。打鍵感最高です!
- 基盤
Keyball39 本体:23,800円
Pro Micro Type-C版:1,320円
TRRSメタルケーブル 0.8m:1,100円
スターテック 高耐久USB-C ケーブル 50cm:1,432円
Basesailor USB CメスからUSBオス変換アダプター 2パック:699円
USB-Cマグネット式アダプター (2個セット):2,499円 - キーキャップ
Junana MX 1U 凹形 16個セット:1,000円×2セット
Junana MX 1U 凹形 ホーミングバーつき 1個:140円×2個
Junana MX 1U 凸形 1個:140円×5個 - キースイッチ
Kailh Deep Sea Silent Pro Box Switch:165円×34個
Kailh White Rain Switch:149円×5個 - トラックボール
LAZIRO トラックボール 34mm 交換用 Silver:1,490円
==↑は必須、↓はオプションで==
- 工作費
工作室サービス:2,000円/2h ×4
はんだ付け講習サービス:1,500円
Manelord はんだごてセット 温度調節可:2,599円
太洋電機産業(goot) はんだ吸取線:236円×2個 - LEDライト
SK6812MINI-E(10個入り):385円×4 - テンティング
サンワサプライ(Sanwa Supply) スマートフォン・タブレットスタンド:1,255円×2 - ケース
ネーエ ハードシェルケース L:2,640円
以上...
自分で道具を用意する場合、はんだごては5000円以上する良いやつ買った方が良かったかもと思いました。あと、はんだで失敗した時のためにフラックスもないと詰みます。
遊舎工房さんの工作室サービスでは必要な道具がすべて利用できました。そして親身になってアドバイスしてくださり、動確なども一緒に見てくれますので非常におすすめ。
完全初心者の方はいきなり作るのが中々厳しいと思いますのではんだ講習を受けた方が良いかもです。Keyballは早い人でも5時間以上はかかるようですので時間がとれる日に臨んでください。私は数か所はんだ付けを失敗したのでリカバリ含めて合計10時間くらいかかりました。(後述します)
作成時の注意点
基本的に以下のビルドガイドを参考に作成します。個人的に悩んだポイントを7つお伝えします。なお、はんだ付けは気合で何とかなるので割愛します。
https://github.com/Yowkees/keyball/blob/main/keyball39/doc/rev1/buildguide_jp.md
- マスキングテープでの印付けは絶対やった方がいいです。ダイオードはマスキングテープの反対に着ける必要があり、間違えるととんでもないことになります。(実際に工作室で間違えてる方がおりました)
- LEDライトをつけるかはオプションですが、迷っている方は絶対に初期構築時につけた方がよいです。あとでつけるとなると様々な部品を外してと色々面倒なため。
- 以下の手順のところで、この段階で特に触れられずOLEDの穴がはんだで閉じられている画像があります。この次の手順で裏めんからOLEDパーツのピンを4つの穴に刺した状態ではんだづけする必要があるのですが、この画像からはんだで穴を塞ぐ必要があると勘違いをし、まんまと塞いでしまいました。このリカバリで3時間ほど費やしました。
- ProMicro用のピンソケットはKeyballの袋にも入っておりますがこちらは使わず、以下の画像の通り購入したProMicroに入っているソケット(ピンが金色で三角のもの)のみを使ってください。理由として次の5で説明しますがProMicroを基盤から取り外しできるようにするためです。なので、絶対にPCB側ははんだ付けしてはいけません。
- 画像の通り向きを間違えないでください。(USBType-Cが下にある向き)これを間違えてソケットとはんだ付けしてしまうとやり直しが非常に困難なためProMicro買いなおしとなります。また、上記4で取り外しができるソケットにしておかないと、ほとんどの場合Keyballの基盤から買いなおしになります。(私はType-Cの向きを間違えてProMicro買いなおしになりました)
- 基盤のねじはナメやすいためあまり強く締めすぎない方が良いです。
- 赤枠部分をロープロファイルにする場合、この部分だけ間に挟むアクリル板は不要となるためご注意ください。(アクリル板を挟むとスイッチが届かず反応しないです。)
キーマップ
まだ試行錯誤中ですが、僕の考えた最強のキーマップは以下のリンクになります。
全体デザインとして、なるべく通常のキーボードやHHKBで使っていたマップと近しいように意識しております。
https://remap-keys.app/catalog/k895xiCpsM5zlYZCPTEN/keymap?id=MtrYjb1CBm2nEk3BJ5eU
-
レイヤー0
苦渋の決断でPを下に持ってきてBSキーを上に配置。BSキーは別の場所だとやはり打ち間違えが多くてストレスフルです。また、HHKBで使っていたマップと同様にしたかったのでAを長押しでLayer3(主に矢印キー)を起動できるようにしました。
最初は相当ストレスたまりますが、1、2日使っているとだいぶ慣れます。
完成はなく、常にREMAPを開いておいて気になったときに随時アップデートしていく意識が大事かも。
総評
キーボードの自作なんて自分にはハードル高いなあ。と思っておりましたが遊舎工房さんで教えていただけたので割とスムーズに完成させることができました。完成した瞬間は感動ですし、実際かなり楽しかった。また、皆さんおっしゃられますがここで得た知識はプライスレスです。
自分で作ったキーボードって愛着がわきますし、今後はKeyballのケースやテンティングも自作してみようかなと思いました。ケーブル類もより最適なものを追求したい。
参考にさせていただいたサイト
理想の書斎づくりさん。この方の動画で購入を決意しました。
モノグラフの堀口さん。この方のデザインは大いに参考にさせていただきました。
実際の構築はこの方の動画が非常に参考になりました。
キーマップはこちらの記事を参考にしました。
REMAPの使い方はこちら