Codexの /diff でコミット前の変更を確認する — READMEの1行を10分で見比べる
Codexを起動できた。でも、AIが触ったファイルをどう確認すればいいのか分からない。
そんな最初の一歩に使いやすいのが、Codex CLIの /diff です。この記事では、このコマンド1つだけを扱います。
10分後の成功は、READMEの変更前後がCodexの画面に表示されることです。
-- Status: draft
+- Status: ready
派手な自動化はしません。まずは、AIエージェントと一緒に「何が変わったかを自分の目で確かめる」ところまで進みます。
この記事でできること
この記事を最後まで進めると、次の1つができます。
- 練習用のREADMEを1行変更し、Codexの対話画面で
/diffを実行して、コミット前の変更を確認できる
扱わないものも先に決めておきます。コードレビュー、変更の修正、複数ファイルの比較、GitHubへの送信は扱いません。1記事1テーマ。今回は 差分を見るだけ です。
そもそもCodexと /diff は何か
AIエージェント は、質問に答えるだけでなく、与えられた目的に向けてファイルを読み、必要に応じて編集やコマンド実行まで進めるAIです。
Codex CLI は、CodexをCLIで使う道具です。CLIは「ターミナルに文字を入力して操作する方式」のこと。ターミナルは、パソコンへ文字で指示を出すアプリです。macOSなら「ターミナル」、Windowsなら「PowerShell」などが該当します。
/diff は、Codexを起動した後の入力欄で使う組み込みスラッシュコマンドです。スラッシュコマンドとは、先頭が / で始まるCodex専用の操作です。
公式ドキュメントでは、/diff は次を表示すると説明されています。
- Gitでステージした変更
- まだステージしていない変更
- Gitがまだ追跡していないファイル
Git は、ファイルの変更履歴を記録する仕組みです。Gitで管理する作業フォルダを リポジトリ と呼びます。履歴の区切りを保存する操作が コミット、保存前後の違いが 差分 です。
言葉が多く見えますが、今日やることはシンプルです。
最初の状態を保存する → 1行だけ変える →
/diffで見比べる
差分は、作業のレシートみたいなものです。何を頼んだかではなく、実際に何が変わったかを確認できます。
なぜ最初に差分を見るのか
AIエージェントへ作業を頼むと、回答文だけ読んで終わりたくなることがあります。でも、「直しました」という説明と、実際のファイル変更は別物です。
ここで人間が判断するのは、主に次の3点です。
- 変えてほしい行が変わっているか
- 変えてほしくない場所まで変わっていないか
- この変更を残してよいか
/diff は、その判断材料をCodexの画面から離れずに見せてくれます。/diff 自体は差分を表示する機能で、追加のファイル編集をするためのコマンドではありません。
最初のAIエージェント体験として、これはかなり大事やと思うんです。任せることより、確認できること。そこが分かると、次の作業も落ち着いて頼めます。
前提を確認する
今回は、Codex CLIとGitを使います。まずターミナルで次を実行してください。
codex --version
git --version
両方にバージョンが表示されたら準備できています。
筆者が2026年8月21日に構文を確認した環境は次のとおりです。
codex-cli 0.147.0
git version 2.39.5 (Apple Git-154)
バージョン番号は一致しなくてもかまいません。CodexやGitが見つからない場合は、次の手順で準備します。
Codexをまだ入れていない場合
公式ドキュメントには複数のインストール方法があります。ここでは、macOSとLinuxで使えるstandalone installerを載せます。
curl -fsSL https://chatgpt.com/codex/install.sh | sh
Windows PowerShellでは、公式の次のコマンドです。
powershell -ExecutionPolicy ByPass -c "irm https://chatgpt.com/codex/install.ps1 | iex"
npmを使っている場合は、次でもインストールできます。
npm install -g @openai/codex
インストール後、ターミナルを開き直して codex --version をもう一度試してください。初めて codex を起動したときは、画面に表示される方法でサインインします。
GitのインストールはOSによって異なるため、この記事では公式のGitダウンロードページを参考リンクに載せています。
10分ハンズオン: READMEの1行を /diff で確認する
ここからはコピペで進められます。本番のソースコードではなく、ホームフォルダの下へ練習用リポジトリを作ります。
1. 練習用リポジトリを作る
ここは 通常のターミナル へ入力します。
mkdir -p ~/codex-diff-practice
cd ~/codex-diff-practice
git init
git init は、今いるフォルダをGitリポジトリとして使い始めるコマンドです。
現在地を確認します。
pwd
末尾が codex-diff-practice なら大丈夫です。
2. 変更前のREADMEを作る
続けて、次を通常のターミナルへ入力します。
printf '# Diff Practice\n\n- Status: draft\n' > README.md
内容を確認します。
cat README.md
次の3行が見えます。
# Diff Practice
- Status: draft
3. 最初の状態をコミットする
変更前と変更後を比べるには、比較の基準が必要です。そこで、今のREADMEを最初の状態としてコミットします。
git add README.md
git -c user.name="Practice User" -c user.email="practice@example.com" commit -m "Initial practice file"
ここで指定した名前とメールは、この1回のコマンドだけに使うダミーです。パソコン全体のGit設定は変更しません。
コミットに成功すると、1 file changed のような表示が出ます。
4. READMEを1行だけ変更する
次のコマンドで、draft を ready に変えます。
printf '# Diff Practice\n\n- Status: ready\n' > README.md
Gitから見て変更があるか確認します。
git status --short
次のように表示されれば準備完了です。
M README.md
先頭の M はModified、つまり「変更された」という意味です。
5. Codexを起動する
ここまでは通常のターミナル操作でした。次の1行でCodexを起動します。
codex
公式ドキュメントでは、codex をサブコマンドなしで実行すると、対話型のターミナルUIが起動すると説明されています。初回はサインイン画面が出るので、画面の案内に沿って完了してください。
6. Codexの入力欄で /diff を実行する
ここがいちばん大事です。
次のコマンドは、macOSの通常のターミナルへ直接打つのではありません。codex を起動した後に表示されるCodexの入力欄 へ入れます。
/diff
Enterを押すと、Git差分がCodexの画面に表示されます。画面が長い場合はスクロールしてください。
成功を確認する
成功条件は、次の2つの行が差分として見えることです。
-- Status: draft
+- Status: ready
先頭の - は変更前から消えた行、+ は変更後に加わった行です。
表示の色や周囲の情報はCodex CLIのバージョンやターミナルによって変わることがあります。そのため、画面全体の完全一致は必要ありません。draft と ready の違いが確認できれば、今日の成功です。
なお、筆者環境では練習用リポジトリ作成、初期コミット、1行変更、git diff --check まで実行し、差分が1行だけであることを確認しました。Codexは認証切れだったため、対話画面での /diff 実行結果は動作未確認です。/diff の構文と表示対象は、2026年8月21日に公式ドキュメントと照合しています。
つまずきポイント
1. zsh: no such file or directory: /diff と出る
/diff を通常のシェルへ入力している可能性があります。
先に通常のターミナルで codex を実行し、Codexの対話画面が開いてから、その入力欄へ /diff を入れてください。
2. Gitリポジトリではないと言われる
現在地が練習用フォルダではない可能性があります。
Codexを一度終了し、通常のターミナルで次を実行します。
cd ~/codex-diff-practice
git status
Gitの状態が表示されたら、同じ場所で codex を起動し直します。
3. /diff を実行しても変更が表示されない
READMEがまだ変更されていないか、変更後にコミットしてしまった可能性があります。
通常のターミナルで次を確認します。
cd ~/codex-diff-practice
git status --short
cat README.md
M README.md と Status: ready が見えれば、もう一度同じ場所からCodexを起動してください。
4. git commit で名前やメールを求められる
記事のコミットコマンドを、そのまま1行で実行してください。
git -c user.name="Practice User" -c user.email="practice@example.com" commit -m "Initial practice file"
-c で指定した値はこの実行だけに使われます。練習のためにグローバル設定を変える必要はありません。
5. Codexのサインインで止まる
初回起動ではサインインが必要です。画面に表示された方法を選び、完了後に練習用フォルダへ戻って codex を起動します。
サインイン状態は通常のターミナルで確認できます。
codex login status
ログイン情報やAPIキーを記事、画面共有、リポジトリへ貼り付けないでください。
6. 画面が狭くて差分が読みにくい
ターミナルの横幅を広げ、Codex内でスクロールします。色が分かりにくい場合でも、行頭の - と +、そして draft と ready の文字で判断できます。
7. README全体が追加ファイルとして表示される
最初のコミットが完了していない可能性があります。公式上、/diff はGitがまだ追跡していないファイルも表示します。そのため機能としては正常ですが、今回の「1行だけを比較する」練習とは見え方が変わります。
通常のターミナルで git log --oneline -1 を実行し、Initial practice file が表示されるか確認してください。
よくある質問
/diff はファイルを書き換えますか
/diff は変更内容を表示して確認するためのコマンドです。今回のREADME変更は、/diff の前に通常のターミナルで実行した printf によるものです。
git add した変更も見えますか
公式ドキュメントでは、/diff はステージした変更、まだステージしていない変更、未追跡ファイルを表示すると説明されています。
GitHubへ送信されますか
今回の手順には git push がありません。ローカルの練習用リポジトリで、コミット前の変更を確認するところまでです。
git diff と何が違いますか
git diff はGit標準の差分表示コマンドです。差分だけを見たいなら、とても直接的です。
/diff の利点は、Codexとの対話中に同じ画面で変更を確認できることです。AIへ作業を頼む、差分を見る、次の指示を考える、という流れを行き来しやすくなります。
限界と向かない条件
/diff で見えるのは変更内容です。その変更が正しいこと、テストが通ること、安全であることまでは保証しません。 差分を見た後に、必要なテストやレビューを別に行うのは人間の判断です。
反対に、次の人は無料のGit標準コマンドだけで十分です。
- Codexを使わず、差分だけを素早く確認したい
- すでに
git diffの操作に慣れている - AIとの会話と変更確認を同じ画面に置く必要がない
見分け方は簡単です。Codexとの作業中なら /diff、差分だけが目的なら git diff。道具を増やすこと自体が目的ではありません。
まとめ
今日使ったCodexの機能は /diff 1つだけ です。
- 練習用Gitリポジトリを作る
- READMEの最初の状態をコミットする
-
draftをreadyへ1行変更する - Codexを起動する
- Codexの入力欄で
/diffを実行する - 変更前後の1行を自分の目で確認する
AIエージェントを使い始めるとき、最初から大きな仕事を任せなくても大丈夫です。まず1行。まず差分。自分で確認できる小ささから始めると、途中で止まりにくい気がします。
参考リンク
最終確認日: 2026年8月21日
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