概要
クローズド環境にてクラスタのvSphere HAを有効にしたとき、クラスタに参加している全てのESXiホストに「隔離アドレスへアクセスできません」というエラーが表示される。
原因
vSphere HAを有効にすると、デフォルトゲートウェイのIPアドレスが隔離アドレスとしてデフォルトで指定されている。
今回構築した環境はクローズドであり、デフォルトゲートウェイが存在していなかったため、ESXiホストが隔離されていると判断され、上記のようなエラーが発生したと考えられた。
※隔離アドレスとは?
ESXiホスト自身がネットワークから隔離されているかどうか判断するためにpingを送信するアドレスのこと
対処方法
- デフォルトゲートウェイを隔離アドレスとして指定されないようにする。
- 隔離アドレスをデフォルトゲートウェイではなく、他のアドレスに指定する。
変更内容
クラスタのvSphere HAの編集画面にて詳細オプションを追加する必要がある。
追加するオプションは以下2つ。
・das.isolationaddressX IPアドレス
隔離アドレスをデフォルトゲートウェイアドレスから他のアドレスに変更する。
X部分は0から9までの数字が入り、最大10個のIPアドレスを指定できる。
・das.usedefaultisolationaddress false
デフォルトゲートウェイを隔離アドレスとして使用しないようにする。
※その他オプション等の詳細は以下のURLを参照。
vSphere HA詳細オプション
変更方法
1.クラスタを選択後、「Configuration」タブのvSphere HAから編集を行う。
2.詳細オプションの項目で上記2つのオプションと値を追加する。
3.項目ごとに追加ボタンをクリックし、設定パラメータと値を入力する。
設定を保存してもエラーが解消されない場合は、一度vSphere HAをオフにしてからオンに切り替えると警告は表示されなくなる。
追記
vSphere HAは、隔離アドレスへアクセスできない状態のとき、ESXiホストやネットワークにアクセス障害が発生しても、ホスト上のVMはHAが発動しないため注意。
クローズド環境で障害テストを実施するときは気を付けてください。