簡単のため1次元の系を考える。量子力学の教科書に乗っている波動関数はΦ(x)と表される。これはある一つの粒子についての波動関数である。このときコペンハーゲン解釈によって、$|Φ(x)|^2dx$が位置xに粒子を見つける確率として解釈される。
では2つの粒子が一つの系に同時に存在しているときの波動関数$Φ(x_1, x_2)$はどのように解釈されるのだろうか?($x_1$は1つ目の粒子の位置を表す変数、$x_2$は2つ目の粒子の位置を表す変数である。)このときの一つ面白いことが起こっている。現実の空間としては1次元を考えているのに、波動関数は2次元になってしまった。
この波動関数の解釈を考えるために1粒子の時と同様に絶対値の2乗をとる。すると$|Φ(x_1, x_2)|^2dx_1dx_2$となる。これは1つ目の粒子を位置$x_1$に、2つ目の粒子を$位置x_2$に発見する確率を表している。それぞれの粒子がどの位置で発見されるかは互いに独立なので波動関数の次元数が大きくなったのである。