はじめに
新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、2020年度(令和2年度)の基本情報技術者試験(以下FE試験)は、春期試験中止となりました。そして秋期試験から、従来の筆記試験ではなくCBT方式に変更となりました。
2021年3月現在、2021年度(令和3年度)も引き続きCBT方式での試験を行う方針がIPAのサイトに記されています。
この記事は、FE試験を筆記試験とCBT方式の計2回受けた筆者が、所感を述べるだけの記事です。
個人的には、CBTの方が午後試験も対策しやすい気がしていて、「午後で落ちた…つらい…もう二度とFE受けない…」と思ってる同士もリベンジ頑張る価値あり!と思ってます。
この記事に書いてあること
- CBT試験に変わって良かったと思うこと
- CBT試験ならではの対策方法
この記事に書いてないこと
- 試験問題の非公開への同意に基づき、試験内容に関する記載はありません
【嬉しいポイント】結果がすぐ分かる!
従来の試験だと、試験からしばらく経ってからでないと結果が分からず、自己採点した冊子を見てしばらくヤキモキするしかなかったと思います。
しかし、CBTに変わってからは、試験直後にすぐプロメトリック(CBT委託会社)からメールが来て、得点が分かるようになりました!!
こんな感じのメールです。
退出手続きを行い、ロッカーに預けた荷物を取り出し、会場の外へ出て、さあ…昼飯でも食うかァ…と思いスマホの電源つけたらもう結果が出ている!というスピード感です。
前回試験を2点の差で落としている身1としては、一刻も早く正確な点数が知りたい!と思っていたので、とても嬉しかったです…!!
代わりにCBT方式では、試験冊子の持ち出しは不可能でした。
そもそも試験問題はPC画面上に表示されるので冊子は存在せず、会場で配布されるメモ用紙も退出手続き時に回収となるため、試験内容の持ち出しや自己採点はほぼ不可能となっています。
【CBTならではの対策①】自分が得意な時間に受験すべし!
CBT試験最大の特徴と感じているのが、午前試験と午後試験をそれぞれ別枠で予約するようになったことです。
従来は「午前試験」「午後試験」の名が表す通り、試験日午前に暗記系の問題が出て、昼休憩挟んだ午後に長文読解系の問題が出ていました。
CBT試験では、決められた期間内に「基本情報技術者試験(午前)」「基本情報技術者試験(午後)」という2つの試験をプロメトリック(CBT委託会社)で任意の時間と会場を指定予約します。双方に合格することでFE試験に合格、という形になりました。
つまり、「午前試験」を午前に、「午後試験」を午後に受けなくて良いということです。
受けたことがある方なら分かると思いますが、知識を頼りに短文にパッパと答えていく午前問題と違って、午後問題は知識+長文読解力が必要で、なかなか根気のいる問題内容です。これを、昼ご飯を食べた直後に解くのは…かなり…誘眠効果が高かったですね。集中力も落ちてしまうので、かなり不利な状態での試験だったと思います。
そこで、自分は「午前試験」「午後試験」ともに、午前中に予約して受験しました。コンディションが最高の状態で試験に臨むことができたので、実力を出し切れた気がします。
もちろん両方を午後に受けることも可能なので、朝に弱くて午後の方が集中できるという方や、過去の試験で朝起きれなくて午前試験受験さえできなかった…という方は、午後に寄せるのもアリですよね。
自分が本領を発揮できる時間帯を戦略的に狙うことができるので、従来の筆記試験で落ちている方にもCBT試験はオススメです!
また同じ理由で、受験順も午後試験→午前試験という順番で受けることも可能です。
難しい午後試験のためにガッツリ対策してから午前受ける…という戦略も実行できます!2
【CBTならではの対策②】午前と午後の受験日を離すべし!
自分は最初、「従来通り午前午後連続で受けたいなぁ…対策も一気にできるし…慣れている形式に近い方が実力出せそうな気がするし…」と思っていました。ただ、予約したのが予約締め切りに近い時期だったため、偶然午前午後試験の間が1ヶ月程度空いてしまったのですが、これが結果的に良かったと思います!
午前と午後でも覚えることは一緒ですが、前述の通り受験形式がかなり違うため、それぞれの過去問で対策するのが望ましいです。そして、FE試験対策の定番である過去問道場では、過去問最低4回、可能なら8~12回解くことを推奨しています。
受験日に向けて、過去問午前午後合わせて12回分実施するというのは、かなりしんどいです。でも、午前試験の受験日に向けて午前問題だけやり、残りの1,2ヶ月ほどで午後問題だけの対策に集中できると、勉強にかかる負荷がかなり軽減されます。同じ問題形式の過去問にずっと集中できるため、勉強効率も上がるのではないかと思います。
おわりに
以上のように、CBT試験は筆記試験と比べて、受験者側の裁量で勉強負荷を軽くすることができて、勉強しやすくなったと実感しています。
また、過去10年のFE試験の合格率(合格者数/受験者数)はほぼ20%台、高くても35%程度でした3が、初めてCBT試験になった2020年度(令和2年度)の合格率は、2021年3月現在確認できる1月2月ともに50%を超えています。4
受験問題も毎年変わっているので単純比較はできませんが、それにしても過去10年よりかなり合格率は上がっています。あくまで受験した実感からの感想にはなりますが、受験者がコンディションを調整しやすくなったからかなと感じています。
FE試験で一度挫折した人も、これから初めて受けるという方も、ぜひCBT試験に合わせて戦略を練って、万全の状態で試験を受けられるようにしてみてほしいと思います!
最後になりますが、文中の素敵なイラストはLoose Drawingよりお借りいたしました。ありがとうございます。
それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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受験日自体は午後→午前ができますが、試験日時を予約する時のみ午前試験→午後試験の順番で予約しなくてはいけないそうです。詳しくはプロメトリック公式サイトをご確認ください。 ↩
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IPA発表の試験結果情報より算出 https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/cbt_sg_fe.html ↩