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【エディタ側で絶対にファイルを喪失しない運用を実現する】bakaup.vimの紹介【毎秒バックアップ】

Last updated at Posted at 2025-12-13

header.gif
【 bakaup.vimでバックアップされたファイルの一部 】

この記事はVim Advent Calendar 2025の14日目の記事です!

前回はNeovim設定のディレクトリ構造はNeovim本体を参考にするといいよでした。
Twitterポストくらいの軽さでVim Advent Caldanerに参加してもいいという、いい示しになっていると思います!
皆さんもぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

またこの記事はVim駅伝の15日目の記事でもあります。

はじめに

「あ、さっき消したコード、やっぱり必要だった…!」

「2時間前の状態に戻したいけど、gitにコミットしてない…」

「gitの操作間違えて、一度もコミットしていないファイルを消してしまった…」

Vimで作業していて、こんな経験はありませんか?

Vimには標準で'backup'オプションがあります。
これは:writeの前に、元のファイルのバックアップを作成する機能です。

しかし、このバックアップは1つ前の状態しか保存しません

" Vimの標準backup
:set backup
" → todo.md~ が作成される(1つ前の状態のみ)

つまり、何度:writeしても、最後の1つ前のバックアップしか残らないのです。
「3時間前の状態」や「今日の午前中の状態」に戻すことはできません。


そこで私はVimプラグイン、bakaup.vimを開発しました。

bakaup.vimは、毎回の:writeでタイムスタンプ付きのバックアップを自動作成するプラグインです。
Vimの標準'backup'オプションを拡張し、日時・時刻ベースの完全なバージョン履歴を提供します。


(時刻ベース毎に保存されるのをwatchする様子。)

demo.gif

特徴

毎回の保存でタイムスタンプ付きバックアップ

bakaup.vimは、**毎回の:write**で新しいバックアップを作成します。

例えば、/home/you/todo.md2016-10-06 11:06に保存すると、内容が

~/.vim_backup/2016-10-06/%home%you%todo.md_at_11:06

に保存されます。

11:42に保存すると

~/.vim_backup/2016-10-06/%home%you%todo.md_at_11:42

に保存されます。

$ cd ~/.vim_backup/2016-10-06 && ls %home%you%todo.md*
%home%you%todo.md_at_11:06
%home%you%todo.md_at_11:42

bakaup.vimを使うと、好きな保存時点に戻れるのです
数時間前に削除した重要なコードを思い出したときも安心です!
gitよりも外側の安心を得たい、万が一を考える、あなたのために。

preview

Vimの標準backupとの比較

Vim標準の'backup'オプションとbakaup.vimの違いを表にまとめます。

機能 Vim標準の'backup' bakaup.vim
バックアップ頻度 上書き前のみ 毎回の:write
履歴の深さ 1つ(最新のみ) 無制限
タイムスタンプ なし 時:分の精度
整理 同ディレクトリor単純なバックアップディレクトリ 日付ごとにディレクトリ整理
復元 上書きリスクあり 安全な履歴閲覧

Vim標準のbackup: todo.mdを何度保存しても、todo.md~1つだけ(直前のバージョンのみ)。

bakaup.vim: 保存するたびに新しいタイムスタンプ付きバックアップが作成され、完全なバージョン履歴が得られます!

使用例

bakaup.vimは、こんなシーンで役立ちます:

  • 誤って削除したコードの復元 - 何時間も前のバージョンから復元可能
  • 作業履歴のレビュー - ドキュメントがどう進化したか確認
  • 安全な実験 - いつでも戻れるので、思い切った変更を試せる
  • gitリポジトリ不要 - 設定ファイル、メモ、スクリプト、何でもOK!
  • gitコミットより細かい粒度 - 保存するたびに記録される

特に、設定ファイルの編集やドキュメント作成など、gitを使わない作業で威力を発揮します。

インストール方法

dein.vim

call dein#add('aiya000/bakaup.vim')

またはtomlを使う場合:

[[plugins]]
repo = 'aiya000/bakaup.vim'

遅延読み込みする場合(toml):

[[plugins]]
repo = 'aiya000/bakaup.vim'
on_cmd = [
    'BakaupBackupExecute',
    'BakaupEnable',
    'BakaupDisable',
    'BakaupArchiveBackups',
    'BakaupSetBackupDir',
    'BakaupExplore',
    'BakaupTexplore',
    'BakaupVexplore',
    'BakaupSexplore',
]

lazy.nvim

{
  'aiya000/bakaup.vim',
  -- オプション設定
  -- init = function()
  --  vim.g.bakaup_auto_backup = false -- 自動バックアップを無効化
  --  vim.g.bakaup_backup_dir = vim.fn.expand('~/my_backups') -- バックアップディレクトリをカスタマイズ
  -- end,
}

自動バックアップはデフォルトで有効です!
インストールしてVim/Neovimを再起動すれば、bakaup.vimが有効になり、毎回の:writeでバックアップが作成されるようになります。

バックアップディレクトリなどの設定をカスタマイズしたい場合は、
プラグインが読み込まれる前に変数を設定するため、dein.vimならhooks・lazy.nvimならinit関数を使ってください。
(lazy.nvimでVimプラグイン(Not Neovimプラグイン)を使うときは、configだとタイミングが遅い場合が多いです。initを使ってください。)

使い方

自動バックアップはデフォルトで有効です!

bakaup.vimをインストールしてVim/Neovimを再起動すれば、毎回の:writeで自動的にバックアップが作成されます。

逆に自動バックアップを無効にしたい場合は

  • g:bakaup_auto_backup = v:false
  • vim.g.bakaup_auto_backup = false
    を設定してください。

カスタマイズ(オプション)

バックアップディレクトリをカスタマイズする場合:

let g:bakaup_backup_dir = expand('~/my_custom_backups')

自動バックアップを無効化する場合(前述のとおり):

let g:bakaup_auto_backup = v:false

また、:BakaupEnable:BakaupDisableコマンドでバックアップのオン/オフを切り替えられます。

手動バックアップ

自動バックアップを無効にしている場合や、今すぐバックアップを作りたい場合:

:BakaupBackupExecute

ドキュメント

bakaup.vimでは、充実したドキュメントを用意しています。

ドキュメント

この記事では触れきれなかった詳細な情報について知りたい方は、ぜひドキュメントをご覧ください。

Vim内からも:help bakaup.vimでドキュメントを読むことができます。

リンク

まとめ

bakaup.vimは、Vimの標準'backup'オプションを拡張し、完全なバージョン履歴を提供するプラグインです。

この記事で紹介した主な特徴をまとめます:

  • 毎回の保存でバックアップ: :writeのたびにタイムスタンプ付きバックアップを作成
  • 無制限の履歴: Vim標準の1つだけでなく、無制限にバックアップを保存
  • 日付ごとに整理: {backup_dir}/{date}/{file}_at_{time}形式で整理
  • デフォルトで有効: インストールするだけで自動バックアップが始まる

「間違って消しちゃった…」「さっきの状態に戻したい…」という不安から解放されたい方は、ぜひbakaup.vimを試してみてください。

皆さんのVim/Neovimライフが、より安心で、より生産的になることを願っています🐕✨

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