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Claudeの概要と設計思想から学んだこと

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Last updated at Posted at 2026-04-10

はじめに

前回はAIエージェントについて特徴やできることを整理しました。
AIエージェントの仕組みと振る舞いを整理してみた
今回はその理解を前提に、「Claude」について学びました。Claudeの概念だけでなく「なぜこの機能が生まれたのか」という背景まで理解できたことで、今後使う上での解像度が大きく上がった気がします。気づいたことを整理しておきます。

Claudeの各サービスの概要

①Claude(Desktop / Web)

いわゆる普通のチャット画面です。Anthropicが開発した対話型AIの中核です。
日本語対話・長文読み込み・画像認識・Artifacts(コードやドキュメントのプレビュー)など。
すべてのツールの「頭脳」となる中核モデルという位置づけです。

②Claude in Chrome

Chromeの拡張機能です。ブラウザ操作に特化していて、以下のようなことができます。

  • 閲覧ページの要約やデータ抽出
  • ボタンクリック・フォーム入力などの自動化
  • Claude Codeと連携したWebアプリの動作テスト
  • 定型操作をショートカットとして登録したり、スケジューラーで定期実行することも可能

最近「確認せずに実行」モードが搭載されて、より自動化を体験しやすくなったそうです。
ただし、モデルやプロンプトの条件によってはセキュリティを一部突破してしまうケースもあるため、注意して使う必要があります。
「自分でやった方が早い」という場面もあると思います。ただそういう場合でも、「手順を出して」とClaudeにお願いすると、実際のChrome画面をもとに手順を提示してくれるので、ミスが減るという使い方もあります。速さだけでなく、正確さを担保する使い方として覚えておくと便利だと感じました。

③Claude Cowork

2026年1月に発表された新しいツールで、「開発者以外のためのClaude Code」とも呼ばれます。
非エンジニア向けに設計されていて、以下のようなことができます。

  • フォルダ内のファイル整理(「ダウンロードフォルダを整理して」と頼むと分類してくれる)
  • 散らばったメモからレポートを作成する
  • スクリーンショットの束からExcelを作成する
  • 自ら計画を立てて、複数の手順が必要なPC作業を完遂する

ターミナルを使わなくても良いため、バックオフィス業務などに向いていると感じました。
「これからはターミナルだ」という流れがある一方で、それが難しい人向けに開発されたのがCoworkという経緯があるようで、ユーザー目線でよく設計されていると思います。
ただ、Claude CoworkはmacOSではなくLinux製の仮想環境を立ち上げて操作するため、Mac自体のアプリへの干渉はしにくいです。デフォルトではフォルダ中心で、アプリケーション起動はそのままでは難しいという前提を理解して使う必要があります。

④Claude Code

ターミナル(コマンドライン)で動作する、エンジニア向けの自律コーディングツールです。

  • 自然言語でのプログラムの作成・修正
  • 既存のコードベース全体を理解した上での大規模リファクタリング
  • テストの実行やエラーのデバッグ
  • Gitコミットやプッシュの自動化

Claude Codeの醍醐味はコーディングで、「雑な指示でもこれくらいの精度が出る」という体験は、一度やってみると実感できます。

Claude Codeを強くする5つの機能

Claude Codeは標準機能でも十分なアウトプットをしてくれますが、大規模な処理をするとなると効率的な装備を揃えることが大事です。主要機能は以下の5つです。

機能 適用方法 複雑度 主な用途
Rules 常時自動適用 プロジェクト全体の基本方針・規約
Skills コンテキスト自動適用 状況に応じたベストプラクティス
Commands ユーザー呼び出し 低〜中 定型的な繰り返しタスク
Agents Claude自動判断 複雑な多段階タスク
Hooks イベント駆動 ツール実行前後の自動処理

ちなみに実在するシステムの環境では Rules: 8個 / Skills: 90+個 / Commands: 11個 / Agents: 119個 / Hooks: 15+個 という規模で構成されているそうで、その数に驚きました。

1. Rules(ルール)— プロジェクトの憲法

プロジェクト全体に適用される基本方針・コーディング規約です。全ての会話で自動的に読み込まれます。
「常時適用・強制力が高い・修正が少ない」という性質で、一度決めたら頻繁に変えないものを書きます。

ファイル 内容
coding-style.md イミュータビリティ、エラーハンドリング、入力バリデーション
git-workflow.md コミットメッセージ形式、PR作成フロー
testing.md 80%カバレッジ目標、TDDワークフロー
security.md コミット前セキュリティチェックリスト
performance.md パフォーマンス要件・最適化方針

2. Skills(スキル)— 自動適用される専門知識

特定のコンテキストで自動的に適用されるベストプラクティス集です。
Claude Codeが「この状況ならこのパターンを使うべき」と判断して適用します。

スキル 適用タイミング
typescript-patterns コンポーネント作成、API実装時
docs-reference 実装時(要件・機能設計を参照)
frontend-code-review コードレビュー時
docx/pdf/pptx/xlsx Office文書操作時

3. Commands(コマンド)— 明示的なタスク起動

ユーザーが明示的に呼び出す定型タスクです。繰り返し実行する決まった手順をコマンド化しておくイメージです。

コマンド 用途 実行内容
/review コードレビュー 品質・セキュリティ・パフォーマンスチェック
/plan 実装計画作成 要件分析→リスク評価→段階的手順作成
/tdd TDDワークフロー RED→GREEN→IMPROVE、80%+カバレッジ
/e2e E2Eテスト Playwrightテスト生成・実行
/build-fix ビルドエラー修正 エラー分析・修正提案

4. Agents(エージェント)— 自律的な専門家

複雑なタスクを自律的に実行する専門エージェントです。「調査→分析→実装→検証」の多段階処理を自分で判断して行います。
基本はClaude Codeがタスクの複雑度を判断して自動起動するため、ユーザーが明示的に指定しなくてもOKです。

自動起動のトリガー例:

  • 複雑な機能要求 → planner agent
  • コード作成・修正直後 → code-reviewer agent
  • バグ修正・新機能 → tdd-guide agent
  • アーキテクチャ決定 → architect agent

119個ものエージェントが開発系・インフラ・品質・データAI・ビジネスなどカテゴリ別に用意されている規模感は、最初に聞いたときに「そんなにあるの?」と思いました。

5. Hooks(フック)— イベント駆動の自動化

ツール実行の前後に自動実行される処理です。ユーザーの意識なく透過的に動きます。

タイプ 実行タイミング 用途
PreToolUse ツール実行前 危険なコマンドをブロック、git push前レビュー
PostToolUse ツール実行後 Prettier自動フォーマット、TypeScript型チェック
Stop セッション終了時 console.log監査、効果音再生
Notification バックグラウンドタスク完了時 通知音、アラート
PreCompact コンテキスト圧縮前 状態保存

5つの機能が連携する流れ

「ユーザー認証機能を追加したい」という一言がどう処理されるか、実際の連携フローを見るとイメージが掴みやすいです。

ユーザー:「ユーザー認証機能を追加したい」
  ↓
【Rules】常時適用
  ✓ イミュータビリティを守る / 80%テストカバレッジ / セキュリティチェック
  ↓
【planner Agent】自動起動
  - 要件分析 / 依存関係特定 / リスク評価 / 段階的実装計画作成
  → ユーザー確認待ち
  ↓
ユーザー:「OK、実装を始めて」
  ↓
【tdd-guide Agent】自動起動
  RED → テストを先に書く
  GREEN → 最小実装
  IMPROVE → リファクタリング
  ↓
【Hooks: PostToolUse】自動実行
  ✓ Prettier自動フォーマット / TypeScript型チェック / console.log警告
  ↓
【code-reviewer Agent】自動起動
  - コード品質チェック / セキュリティ脆弱性検出 / パフォーマンス問題指摘
  ↓
ユーザー:「/review」実行 → 全変更の最終レビュー
  ↓
git commit → git-workflow.md ルールに従う
  ↓
【Hooks: Stop】セッション終了時
  ✓ console.log監査 / 効果音再生

「一言伝えたら、あとは5つの機能が連携して動き続ける」という構造が、単なるコード補完ツールとは全然違うと感じました。

プロンプトは「Claudeが読みやすい形」で書く

プロンプトとは、AIに対して与える指示や入力のことです。
単に指示を出すだけでなく、「AIが解釈しやすい形で伝える」ことが重要だと分かりました。
ざっくりとした指示で、動作はしますが構造を持たせると精度が安定します。

  • マークダウン形式で書く(見出し・箇条書きなど)
  • 入力データはXMLなど構造化された形式を使い分ける
  • ファイル構造や文脈を意識して伝える

「なんとなく伝わるだろう」ではなく、「どう伝えれば誤解なく伝わるか」を考えるのが大事だと感じました。
これは普段の人とのコミュニケーションにも通じる話だなとも思いました。

「車の運転ルールを知った上で使いこなす」

印象に残った言葉として、「車の運転ルールを知った上で使いこなす」という言葉がありました。すべてのプログラミング言語や仕組みを完璧に理解する必要はない。でも、何が得意で何が苦手か、どうやって動いているのかを「ある程度わかっている」ことは必要です。急に止まったとき・想定外の動きをしたときに対応できるかどうかは、その理解の深さに直結すると思います。
品質を上げるためには特に、この「何が起きているかわかっている状態」が大事だと感じました。

エンジニアの視点を「設計」へ引き上げる

これが今回一番考えさせられたテーマです。
AIの普及によってエンジニアでない方でも開発に関われる時代になりつつある中で、
エンジニアに求められる役割は「コードを書くこと」から
「何をどう作るかを設計・判断すること」へシフトしていきます。
フォーマット整形や定型的な文章作成はAIに任せ、
エンジニアがやるべきはプロジェクトの根幹部分の議論や意思決定
だという話が印象的でした。
そのためにも、エンジニアが本質的なコミュニケーションをとれることが重要になってくるとのこと、技術的な実装力だけでなく、設計意図を議論できる力がこれから必要になるのだと感じました。

また、「何をやらないかを常に考える」という視点もとても刺さりました。
AIを使えば何でもできるからこそ、何に集中するかを選ぶ力が重要になると思います。

まとめ

Claudeは「チャットAI」という認識で止まっていたのですが、Desktop/Web・Chrome拡張・Cowork・Claude Codeと用途に応じたツールが揃っていて、それぞれの背景に「誰が使うか」という設計思想があることを知りました。中でもClaude Codeは、Rules・Skills・Commands・Agents・Hooksの5機能を組み合わせることで、一言の指示から複数のエージェントが連携して動き続ける仕組みになっていて、単なるコード補完とは全く別物であると感じました。
また、今回の学びを通して、エンジニアに求められる役割も変化していると感じました。
AIの普及により実装のハードルが下がる一方で、「何をどう作るか」を設計・判断する力や、
その意図を適切に伝えるコミュニケーションがより重要になっていくと感じました。
自分自身、これまでの業務では実装やテスト中心であったため、仕様について直接議論する機会が多くありませんでした。
こうした変化に対しては課題意識もありますが、今後はその部分も含めて意識的に伸ばしていきたいと考えています。

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