はじめに
今回は、Node.jsの非同期処理について、自分の備忘録も兼ねて記事を作成しました。
私はJavaScriptの言語仕様なんかをあまり知らない状態でNode.jsを触ったせいで、非同期処理に関する部分ではまり、多くの時間を無駄にしてしまいました。
かなり初歩的な内容かもしれませんが、勉強した内容をまとめます。
同期処理とは?
上から順番にプログラムが実行されていくことです。
「上から順番に」という言葉が適切かどうか分かりませんが、「一つ一つの処理が、一個前の処理の終了をまって処理されていく」っていう説明よりは個人的に分かりやすい気がします。
コードにすると、下記の通りです。
console.log(1);
console.log(2);
console.log(3);
console.log(4);
console.log(5);
実行結果は、下記のようになります。
1
2
3
4
5
非同期処理とは?
同期処理ではないものが非同期処理なので、上から順番にプログラムを実行されないことと言えます。
JavaScriptでは、ユーザーの入力やAPIを叩いてデータを持ってくる時、それからファイルを操作する時などに、非同期処理になります。
これはJavaScriptがシングルスレッドなので、そういった「制約」を非同期で処理することによっってフォローしています。
コードにすると、下記の通りです。
ここでは例として、遅延処理を用いています。
const three = () => {
setTimeout(() => {
console.log(3);
}, 1000);
}
console.log(1);
console.log(2);
three();
console.log(4);
console.log(5);
実行結果は、下記のようになります。
1
2
4
5
3
setTimeoutで処理の実行が1秒後に設定されたthree関数が呼び出されています。
これが同期処理であれば、実行結果としては順番に1から5までの数字が出力されますが、Node.jsではこういった処理は非同期になるので、three関数の終了を待たずに次の処理へ進み、最後にthree関数の結果が返されています。
これが非同期処理です。
Promiseとは?
なぜPromiseが必要か?
上記で述べた非同期処理ですが、何でもかんでも非同期処理にすると不都合なこともあります。
例えば、ファイルの内容を読み込んで、ファイルの中身を出力するような場合、
(hogeと書かれたhoge.txtというファイルが存在するとします)
const fs = require('fs');
const result = fs.readFile('hoge.txt');
console.log(result);
上記のコードだと、hoge.txtを読み込む処理は非同期に処理されます。
しかし、hoge.txtを読み込み終わるより先にresultが出力されてしまうので、上記のようなコードでは想定する結果を得ることができません。
そんな時に使えるのが、Promiseです!
Promiseは、その名の通り、その処理を行うことを約束することができます。
もっと簡単にいうと、Promiseを使えば本来非同期に行われる処理を、同期処理のように書くことができます。
上記のようなケースを解決するためには、Promiseが必須なのです。
Promiseの使い方
Promiseオブジェクトを返す関数を定義します。基本的にはそれだけです。
試しに先ほどのhoge.txtを読み込むコードのうち、実際にファイルを読み込む処理の部分をPromiseを使って同期的に処理できるように書き換えてみます。
const fs = require('fs');
const readAsync = return new Promise((resolve, reject) => {
resolve(fs.readFile('hoge.txt'));
})
これでPromiseオブジェクトを返す関数を作成できました。
あとはconsole.logで出力するタイミングを、この関数の処理が実行された後になるように全体のコードを書き換えます。
このような処理をするときは、非同期関数に.then節を記述します。
const fs = require('fs');
const readAsync = return new Promise((resolve, reject) => {
resolve(fs.readFile('hoge.txt'));
})
readAsync().then((result) => {
console.log(result);
})
これでファイルが読み込まれるのを待ってからconsole.logでファイルの中身が出力されるようになります!
Promiseオブジェクト作成の際に引数に渡しているresolveとrejectですが、
resolveには非同期処理が成功した時に値が入り、失敗した時にはrejectに値が入ります。
例えば、存在しないfuga.txtというファイルを読み込もうとした場合、非同期関数の結果は失敗になるので、上記の例のようにresolveではなく、rejectに値が入ります。
const fs = require('fs');
const readAsync = return new Promise((resolve, reject) => {
reject('指定されたファイルは見つかりません');
})
readAsync().then((result) => {
console.log(result);
}).catch((err) => {
console.log(err);
})
Promiseオブジェクトを返す非同期関数の.catch節でエラーをハンドリングしています。
上記のコードの場合、下記のような出力になります。
指定されたファイルは見つかりません
Promise.allとPromise.raceについて
Promise.allとPromise.raceはどちらも複数の非同期関数を実行するためのものです。
それぞれの違いは、Promise.allは指定した全ての関数がresolveでもrejectでも全ての関数が実行されます。
Promise.raceは、指定した全ての関数の中で一つでもresolveまたはrejectになったら、その関数の結果のみを返して処理を終了します。
また、Promise.allでは実行の順番を保証するので、例えば下記のようなコードでも出力は順番通りになります。
const a = return new Promise((resolve, reject) => {
setTimeout(() => {
resolve(1);
}, 10 * 1000); // 10秒待つ
})
const b = return new Promise((resolve, reject) => {
setTimeout(() => {
resolve(2);
}, 5 * 1000); // 5秒待つ
})
const c = return new Promise((resolve, reject) => {
setTimeout(() => {
resolve(3);
}, 1 * 1000); // 1秒待つ
})
Promise.all([a, b, c]).then((values) => {
console.log(values[0]);
console.log(values[1]);
console.log(values[2]);
})
setTimeoutの値を見ると、出力される値の順番的には3, 2, 1となりそうですが、実際の出力は、
1
2
3
となります。
Promise.raceのソースは下記のようになります。
返す値は関数一つ分なので、Promise.allのように配列で受け取る必要はありません。
const a = return new Promise((resolve, reject) => {
setTimeout(() => {
resolve(1);
}, 10 * 1000); // 10秒待つ
})
const b = return new Promise((resolve, reject) => {
setTimeout(() => {
resolve(2);
}, 5 * 1000); // 5秒待つ
})
const c = return new Promise((resolve, reject) => {
setTimeout(() => {
resolve(3);
}, 1 * 1000); // 1秒待つ
})
Promise.race([a, b, c]).then((value) => {
console.log(value);
})
上記のコードだと、一番早く処理が終わるのは非同期関数bなので、出力は、
2
となります。
おわりに
ジャバスクリプトムズカシイ。