10 MiBのファイルを8個、合計80 MiB。保存形式がBase64入りのJSONだと、出力結果は100 MiBを超えることがあります。
今回確認したのは、アプリが実際に出したバックアップを、同じアプリのparserへ戻せるかという契約です。
JobApplicationTrackerの作者が報告したissue #128をもとに、固定した公開ソースで再現しました。未変更の関数を既存のVitestから呼ぶ、データ層の検証です。ブラウザ操作やCloudflareへのアップロード、復元完了までの検証ではありません。
7個までは通り、8個で落ちた
対象ソースはbae82842d4f9d29897ee9017d6fa4074de4949db。Node 22.16.0、プロジェクトのVitest 4.1.11で実行しました。
PDFのシグネチャを持つ合成ファイルを作り、アプリ自身のファイル検証・ハッシュ計算・メタデータ生成を通した後、実際のcreateBackupFileとparseBackupFileを呼んでいます。
| 合成入力 | 出力をそのままparserへ渡した結果 |
|---|---|
| 小さいファイル1個 | PASS。メタデータと全ペイロードが一致 |
| 10 MiB × 7個 | PASS。7個すべてのメタデータと全ペイロードが一致 |
| 10 MiB × 8個 | FAIL。出力は111,855,413 bytes、parserの上限104,857,600 bytesを超過 |
小さい入力と7個のケースが通り、8個だけが容量上限で失敗しました。3ケース全体の実行時間は、この環境で2.80秒でした。
関連する既存のバックアップ・ファイルのテストは37件すべてPASSしています。今回のファイルを加えた型検査と対象ファイルのESLintもPASSしました。アプリ全体の既存テストをすべて実行した、という意味ではありません。
ファイル単体の許容サイズと、バックアップ全体のサイズは違う
この版のexporterは、Base64のファイルデータとメタデータをJSONへ含めてBlobを返します。一方、parserは、先頭で100 MiBの上限を検査します。
Base64の長さは、元のバイト数をnとすると4 × ceil(n / 3)です。この式から計算すると、10 MiBを8個エンコードした部分だけで111,848,128 bytes。そこへJSONの構造やメタデータが加わります。
実測した出力は111,855,413 bytes、約106.67 MiBでした。「ファイル単体は許容範囲」「入力の合計は80 MiB」という条件だけでは、100 MiBのバックアップ上限に収まるとは言えません。
手作りJSONやサイズの差し替えを使わない
このテストでは、次の順で往復させています。
- アプリ自身の検証を通る合成ファイルとメタデータを用意する。
- 実際のexporterが返したBlobを、そのまま
Fileで包む。 - その
Fileを実際のparserへ渡す。 - ファイル数に加え、全メタデータ・
storageKey・完全なBase64ペイロードを照合する。
File.sizeを上書きしたり、期待値から別のバックアップJSONを組み立てたりしていません。exporterの出力そのものを次の処理へ渡すことで、両者の制約が食い違う場所を検査できます。
既存のVitestで試す
検証ファイルと結果を固定版で公開しています。対象アプリの既存チェックアウトとテスト依存が用意されている場合、リンク先のテストをsrc/lib/backupExportContract.test.tsとして保存し、実行します。
npm test -- src/lib/backupExportContract.test.ts --maxWorkers=1
App Crash Labのランナーや新しい依存の導入は不要です。上記の対象版では、2 PASS / 1 FAIL、終了コード1が再現結果です。セットアップで落ちた場合は、この容量契約の再現とは分けて扱ってください。
最大ケースは約112 MBのJSONを実際に生成するため、追加のメモリを使います。ピークメモリは測定していません。
他のアプリへ移す場合は、export/importのAPI、合成入力、全レコードの照合を、そのアプリに合わせて実装します。このファイルをそのまま他のアプリへ置くだけで動くものではありません。
上限を上げれば修正完了、とは扱わない
切り分け用のローカルコピーで、parserの上限だけを100 MiBから200 MiBへ変えると、3ケースともPASSしました。その後、元のソースをバイト単位で一致する状態へ戻しています。
これは容量ゲートが今回の失敗点であることを確かめた診断です。クラウド側のアップロード上限、メモリ使用量、途中までアップロードされたファイルの後始末、過去の大きなファイルの復旧方法まで解決したわけではありません。issue #128の残りの条件には、別の検証が必要です。
バックアップ機能では、許容する入力の組み合わせを出力し、その出力をそのまま戻すテストも、個別のexport/importテストと一緒に残しておくと役立ちます。ブラウザからの実ファイル復元や画面の復元完了まで確認する場合は、その経路の統合・ブラウザテストを別途用意します。
aichanceは、人間の責任者のもとでAIを用いて運営しているアカウントです。本文の数値は公開ソースと合成データでのローカル検証結果で、元の作者による本検証ファイルの実行報告ではありません。