はじめに
Yahoo! Hack Uという学生向けのハッカソンが夏に全国で開かれており、そのうち仙台の大会に自分は参加しました。
そこで作ったアプリが当日**「優秀賞」**を受賞し、審査員のたちからも「ぜひ開発を続けて欲しい!」と絶賛され、今後もどんどんアップデートしていくぞ!!と個人的に張り切っていたのですが、よくよく考えてみると「あれ?これ。使われなくね?」ということに気づいてしまい(いまのところ反論できない)、プロジェクトがポッシャッた話です。
ハッカソンに出る人にとって何か今回の自分の経験が役立てばいいなと思い、今回のことの経緯をまとめておきます。
結論
- ハッカソンはアイデアがほぼ全て!
- 恋は盲目!
- 誰か自分に打開アイデアをください!!
優秀賞をもらうまで
何を作ったのか
自分たちは、「Belief Supporter」という、コンビニ、スーパーなどの食品のラベルを撮影すると、原材料と栄養成分を文字認識し、ムスリム、ヒンドゥー教徒、ベジタリアンにとってタブーな食料が入っていないかかどうかを瞬時に可視化する、といった訪日外国人向けのアプリを開発しリリースしました。
もし興味がある人は、GitHub上に、コードやデモ動画、アプリリンクなどまとめてあるのでみてください。
仕組みはすごい単純で、Vision APIを使い、食品の原料・栄養ラベルを読み込み、サーバーで(自然言語処理をして)あらかじめ登録しておいたタブーな食品が含まれているかどうかを判定し、外国人用に翻訳などを加えてビジュアル化するというものです。
なぜ賞を取れたのか
審査員の方々のフィードバックで多かったのは、以下のことでした。
- 必要性(今後訪日外国人が確実に増える中、必要な課題に挑戦していること)
- 実用性(Webアプリとして公開してあり、QRコードからどんなデバイスでもすぐにアプリを利用することができること)
必要性
周りのチームと決定的に違ったのはこの点だったと思います。
正直、他のチームの方のプロダクトの方が技術力が数段高いものばかりでしたが、一方で**「解決したい課題」がエンタメ的なものが多かったりテクノロジードリブン(使いたい技術ベースのアイデア)のものが多かった印象でした。**
自分のチームでは、アイデア出しをするときから「今社会的にホットな高い分野」(オリンピック、ラグビー、政治などなど)→「その分野での課題」(食事、などなど)と課題ドリブンでアイデアを考えていきました。
もちろん、こういう考え方をした結果何も良い感じのものが思い浮かばないということも往々にしてありますが、今回は良い感じのもの(訪日外国人の食に関する課題)が見つかったのでそれでアクセルしました。
正直、この時点で「ちゃんと完成したら賞取れそう感」ってのはわかるので、ここでこの感じを得られればチーム的にもかなりモチベになります。
逆に「ちゃんと完成したら賞取れそう感」を感じてないと開発していてもやる気が一ミリもでないので、やはりこの「ちゃんと完成したら賞取れそう感」が出るまでは限界までアイデア出しをした方が良いです。
(時間ないからもうとりあえず開発しちゃおう、って確信がないまま初めて失敗した経験が山ほどあります)
実際会場では、「オリンピックの開催などを考慮すると海外の方の食生活問題はかなり深刻だと思います。」「本当に外国人によって必要なものだと思いました。」と課題に対する賞賛の声を多くいただき、特に外人の審査員の方は「まさにこれで悩んでいる友達がいるからぜひ教えてあげたい!」と本当に喜んでくださいました。
もうこのときには、
絶対もっともっとアップデートしてPRしよう!
そうすればTwitterで大人気になれる!!
やったああああ!
と一人胸の中で燃えていました。
重要性
これは、完全にラッキーでした。
チーム(2人)に誰もスマホアプリの開発ができる人がいなかったので、仕方なくWebアプリで開発をすることになったのですが、これが功を奏し、**「Webアプリだからインストールとかの手間がなくて良いね!」**と会場で評価されることになりました。
あと、Herokuにアプリをデプロイして、会場で審査員の方に直接アプリを使ってもらえたのがよかったなと思います。
なぜポシャったのか
ある1つフィードバックコメントに反論できなかった
「実用的だとはおもうけど、食品ラベルを読みこむ必要があるなら、googleの翻訳カメラでリアルタイムに翻訳したもののほうが正確ではないだろうか」
あああああああ
このコメントを見たときは本当に衝撃的でした。
まず、このフィードバックコメントに何も反論できないことに気づきました。
そして何よりも、こんな単純なことに今まで自分が気づいてなく、これは絶対にいける!と思っていたことにびっくりしました。
そんなはずはないと思い何かこのアプリの優位性を模索しましたが自分の頭では考えられず、一気にやる気を無くしました。
考えれば考えるほど、その場でGoogle翻訳の画像翻訳機能で、食品のラベルを直接翻訳した方が便利じゃん。。。という気になってしました。。
完全にやる気をなくしました。
代替え案を全く考えようとしていなかった。
賞を取れそうな最近トレンドな業界や課題を模索するのに精一杯で、「訪日外国人の食に関する課題」というテーマを見つけた途端興奮し開発をしていまっていましたが、本当はこの後に**「何か自分たちのアプリ以外の代替え案はないのか?」**ということをもっと考えるべきだったと思います。
きっとそうすれば、「Google翻訳のカメラ翻訳でよくね?」「そしたらそれにできないもの(機能)をつけよう」という議論ができたと思います。
全く、時間をかけた、いけそう感のある課題に対して盲目的でした。
学び
- 課題ドリブンで社会性のあるアイデアをギリギリまで練ることが入賞に繋がる大きな要因になるが、すでに解決する方法はないのか?という議論を忘れレはならない
- スマホアプリよりもWebアプリとしてデプロイしちゃうのが評価されやすい
- Tryエラー文は必須
最後に(協力してくれる方を探しています)
正直、この「「訪日外国人の食に関する課題」というものに対し個人的にもっとアプローチをしていきたいと思っています。
というのも、今後ますます課題が大きくなることが明確なのに対し、それに対するアプリやサービスが日本にはいまのところまだないからです。
今回自分たちの作ったBelief Supporterは残念ながら「Google翻訳でよくね?」という結果に終わりましたが、Google翻訳はあくまで「翻訳アプリ」なので、Google翻訳では解決できない課題はきっとあるのではないかと日々考えています。
何かアイデアがある方や意見等あるかたは私のTwitterに連絡をくださると幸いです。
どうか、よろしくお願います。
ご読了ありがとうございました。