LangGraphとLangChainの違いを徹底解説【2026年最新】実務での使い分けガイド
AIエージェント開発を始めると必ず直面する疑問:LangGraphとLangChainって何が違うの?
この記事では、両者の関係性・違い・実務での使い分けを、図解なしでも理解できるように徹底解説します。
結論から言うと
| LangChain | LangGraph | |
|---|---|---|
| 役割 | LLMをチェーンでつなぐ構成ツール | エージェントフローをグラフで管理 |
| 構造 | 線形チェーン | 有向グラフ(ノード+エッジ) |
| 向いている処理 | 単純な順次処理 | 条件分岐・ループ・マルチエージェント |
| 関係性 | 基盤ライブラリ | LangChainの上に乗る拡張 |
LangGraphはLangChainの「別物」ではなく、LangChainの上に構築された拡張フレームワークです。
LangChainとは
LangChain(2022年登場)はLLMアプリケーション開発の基盤ライブラリです。
主な機能:
- Chains:LLM呼び出しを順番につなぐ
- Agents:LLMが使うツール(検索・計算・DB等)を定義・実行
- Memory:会話履歴の管理
- Retrievers:RAG(検索拡張生成)の実装
シンプルなユースケース、例えば「ユーザーの質問 → 検索 → LLMで回答生成」なら LangChain だけで十分です。
from langchain_openai import ChatOpenAI
from langchain_core.prompts import ChatPromptTemplate
llm = ChatOpenAI(model="gpt-4o")
prompt = ChatPromptTemplate.from_messages([
("system", "あなたは親切なAIアシスタントです。"),
("user", "{input}")
])
chain = prompt | llm
response = chain.invoke({"input": "LangChainとは何ですか?"})
LangGraphとは
LangGraph(2024年登場)は、複雑なエージェントフローを有向グラフとして表現・実行するフレームワークです。
核心概念:
- State:グラフ全体で共有する状態(辞書形式)
- Nodes:状態を変換する関数(LLM呼び出し、ツール実行など)
- Edges:ノード間の遷移(条件分岐も可能)
from langgraph.graph import StateGraph, END
from typing import TypedDict
class AgentState(TypedDict):
messages: list
next_action: str
def llm_node(state: AgentState):
# LLM呼び出し処理
return {"messages": [...], "next_action": "tool"}
def tool_node(state: AgentState):
# ツール実行処理
return {"messages": [...], "next_action": "end"}
def router(state: AgentState):
return state["next_action"]
graph = StateGraph(AgentState)
graph.add_node("llm", llm_node)
graph.add_node("tool", tool_node)
graph.add_conditional_edges("llm", router, {"tool": "tool", "end": END})
graph.add_edge("tool", "llm")
LangGraphが強力なのは、ループ処理(tool→llm→tool→...)と条件分岐を自然に表現できる点です。
実務での使い分け
✅ LangChainだけで十分なケース
- RAGシステム:質問 → 検索 → 回答
- シンプルなチャットボット:会話履歴付き対話
- データ変換パイプライン:入力 → 処理 → 出力の線形フロー
- プロトタイプ・PoC:素早く試したいとき
✅ LangGraphが必要なケース
- ReActエージェント:思考→行動→観察のループを繰り返す
- マルチエージェントシステム:複数のエージェントが連携
- Human-in-the-loop:途中で人間の確認・介入が必要
- 長期タスク実行:チェックポイントを挟みながら進める処理
- 条件分岐が複雑:フローが状態によって大きく変わる
よくある誤解
「LangGraphを使うとLangChainは不要?」
No。 LangGraphはLangChain Components(LLM呼び出し、プロンプト、ツール)をそのまま使います。LangChainの代替ではなく、その上に乗る「フロー管理レイヤー」です。
「LangChainのAgentsはもう古い?」
半分Yes。 AgentExecutor(旧来の方式)はLangGraphに移行が推奨されています。複雑なエージェントはLangGraphで書き直す価値があります。シンプルなものはAgentExecutorのままでも問題ありません。
「どちらから始めるべき?」
LangChainから始めるのが正解。LangChainの基本(Chain、Retriever、Tool)を理解してからLangGraphに進むと、グラフの概念が自然に理解できます。
まとめ
LangChain
└── LLM/プロンプト/ツール/メモリの基盤
LangGraph(LangChainの上に乗る)
└── 複雑なフロー管理(ループ・分岐・マルチエージェント)
迷ったらまずLangChain。フローが複雑になったらLangGraphを追加する。
これが2026年時点の実務的な結論です。
関連リソース
より多くのAIエージェントフレームワーク・ツールを探している方は → agdex.ai で224選を8カテゴリに整理しています。LangChain/LangGraph以外のフレームワーク(CrewAI、AutoGen、Google ADKなど)も網羅しています。