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Aerospikeの紹介

Last updated at Posted at 2022-11-08

はじめに

Aerospikeは、キー・バリュー型のNoSQLデータベースとして、提供が開始されました。
そして現在、このNoSQLデータベースを核に、リアルタイムデータプラットフォームとして拡張を続けています。
これにより、Aerospikeは高性能はNoSQLデータベースとしての利用から、高い一貫性を求める金融システムでの利用まで、幅広く使われています。
拡張を続けるAerospikeとは何なのか、詳しく知っていただき、触れていただくきっかけになれば幸いです。

無償のエディションや、有償版の評価ライセンス(制限あり)もありますので、気軽にご利用いただけます。

Aerospikeとは

Aerospikeは、アメリカのマウンテンビューにあるAerospike社が提供する製品、ソリューションおよびサービスを表す名称です。
このAerospikeの核となるのは、リアルタイム・マルチモデルNoSQLデータベースであるAerospike Database 6です。
ここでは、Aerospike Database 6を中心に、Aerospikeを紹介します。

Aerospike社サイト
https://aerospike.com/
Aerosike日本語サイト
https://aerospike.com/jp/home/

リアルタイム・マルチモデルNoSQLデータベースって?
簡単に書くと 『超高速で、様々なデータモデルが、様々な構成(メモリ、SSD等)で使えるNoSQLデータベース』 です。

Aerospikeの歴史

Aerospikeの歴史は以下の通りです。

要約すると、Aerospikeはキー・バリュー型のNoSQLデータベース・ソフトウェアとして提供開始し、その後、機能や関連製品を増やし、ソリューションとクラウド上のサービスの提供を始めています。

Aerospike Database 6 の特徴

ここでは、Aerospikeの核であるAerospike Database 6 の特徴を説明します。

NoSQLデータベースとは

まず、NoSQLデータベース(以下、NoSQL)とは、リレーショナル・データベース(以下、RDB)以外のデータベースを指すもので、スキーマレスなデータベースと表すこともできます。
参考:
Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/NoSQL
AWS https://aws.amazon.com/jp/nosql/

主要なNoSQLのモデルには、以下のようなものがあります。

  • キー・バリュー型
  • ソート済みカラム指向
  • ドキュメント指向
  • グラフ指向

Aerospikeは、キー・バリュー型であり、バリューとして文字列、数値、MAP、List等を扱うカラムを持ちます。また、現在ではドキュメント(JSON)も扱えます。グラフへの対応も進行中です。

NoSQLとRDBの比較

一般的なNoSQLとRDBを比較して、NoSQLの特徴を示します。

比較項目 NoSQL RDB
レイテンシ ◎ 低(高速) △ 高(低速)
スループット ◎ 多
分散 ◎ 分散が前提
大量データ ◎ 大量データが前提
スケーラビリティ ◎ スケールアウト ○ スケールアップ
アベイラビリティ ◎ 重視 △ ハードウェアで対応
一貫性 × or △ ◎ 一貫性を保証
トランザクション × or △
複数テーブルの連携 × or △
検索(クエリー)

NoSQLは、大量データおよびデータ増加が見込まれ、高速、大量アクセスの対応が必要なシステムに向いていますが、一貫性やトランザクションが必須の場合には向いていません。

それぞれ傾向であり、個々のソフトウェアでは当てはまらない場合があります。

したがって、それぞれの対象となるシステムは、以下のようになります。

  • リレーショナルデータベース
    • 一貫性を要求されるシステム
      • 金融処理
    • 検索性能が要求されるシステム
      • ECサイト
  • NoSQLデータベース
    • 高速性能が要求されるシステム
      • ネット広告
      • 不正検知システム
    • 大量データの処理が必要なシステム
      • IoT
      • データ分析
      • AI

Aerospikeと一般的なNoSQLの比較

以下がNoSQLデータベースの代表的なものです。

  • Apache Cassandra
  • Couchbase
  • MongoDB
  • Redis
  • DynamoDB

Aerospikeは、開発当初より他のNoSQLデータベースの問題点を踏まえて開発されています。
そのため、他のNoSQLデータベースより性能に勝っている場合が多くあります。
次に、Aerospikeと他のNoSQLとを比較して、Aerospikeの特徴をあげます。

比較項目 Aerospikeの特徴
レイテンシ/スループット クライアントからのアクセス方法、サーバでのFlashの使用方法など、各種の技術により他のNoSQLより性能向上します。Cassandraからの移行でサーバ数を大幅に減少させた実績が多くあります。
スケーラビリティ サーバの増加によるオーバーヘッドが少ないため、スケールアウトによりスループットおよびデータ量がリニアに増加します。Petaバイトを想定して設計しています。他のNoSQLではスケールアウトを行った場合にリニアに性能向上しない場合があります。
性能の安定 C言語で開発されており、性能の偏差が小さく、サービスレベルの目安をつけることが可能です。(レイテンシの目安は数ミリ秒以内で、多くが1ミリ秒未満)
データ分散 データは、キーにより自動的に分散されるため、サーバ追加・停止時であっても利用者はデータの分散を意識する必要はありません。データの複製数は設定にて指定できます。
一貫性 一貫性を強化した、Strong Consistencyモードを提供します。他のNoSQLでは提供されていないものが多いです。
アーキテクチャ インデックスとデータを、メモリ、Persistenceメモリ、Flash(SSD)にデータの特性に合わせて保存することができます。Flashにデータを保存できるため、メモリに比べて安価に大量データを保存することができます。
クライアント 各種言語のクライアントを提供します。提供するのは、Java、C#、C、Go、Python等です。
(https://developer.aerospike.com/client/client_matrix)
データモデル 各種データモデルの使用が可能です。使用できるのは、カラム(文字列、数値等、List、Map、ListとMapのネスト、GEOJSON等)、ドキュメント(JSON) です。

他のNoSQLもアップデートしており、また、ソフトウェアによる特色もありますので、必ずしも、Aerospikeの方がすべてで性能に勝るとは限りません。ぜひ、他のNoSQLとベンチマークをしていただき、適切なソフトウェアをご利用ください。

Aerospikeのエディション

現在、Aerospikeは、3つのエディションがあります。 https://aerospike.com/products/features-and-editions/

  • Community Edition
  • Standard Edition
  • Enterprise Edition

Enterprise Editionを評価したい場合は、Aerospikeのホームページの右上の「Try now」をクリックしていただくと、AWS上または自身のPC上での評価版の利用方法が表示されますので、ぜひご利用ください。ただし、これはシングルノード(一つのサーバ)での評価となりますので、マルチノードでご利用になりたい場合は、お問い合わせいただくか、Community Editionをご利用ください。

また、クライアントからどのようにAerospikeが利用できるかは、同じページの「Start coding immediately」からご確認いただけます。

Community Editionのご利用につきましては、以下よりご確認ください。
https://aerospike.com/download/#aerospike-server-community-edition

最後に

今後、Aerospikeのアーキテクチャ、評価版やCommunity Editionのご利用方法などの記事を掲載しますので、ご期待ください。

関連記事:
Aerospikeのアーキテクチャ

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