2026年9月9日にGA4へ追加された「ダッシュボード」を、広告レポートの定点観測としてどこまで使えるかを整理します。読み終えたあと、自分のプロパティで1枚組み上げるところまで進められる粒度で書きます。あわせて、この機能では埋まらない部分(広告費・表示回数)がどこで線引きされるかも押さえます。
ダッシュボードを1枚作る手順
- GA4のレポート画面を開き、左上の「+作成」をクリックする
- メニューから「ダッシュボード」を選ぶ
- 空のキャンバスにカードを追加し、可視化タイプ・ディメンション・指標を選ぶ
- 必要に応じてダッシュボード全体のフィルタを設定する
- 日付選択の比較トグルをオンにして前期比較を有効にする
- 保存すると、ライブラリを経由せず左ナビのレポートメニューへ直接配置される
手順2の時点で「ダッシュボード」が出てこない場合、権限が足りていない可能性があります。作成・編集にはプロパティの編集者または管理者が必要で、閲覧権限のみのアカウントにはメニュー自体が表示されません。
手順6が従来との差分です。これまで自分用の画面を作るには概要レポートを組んでライブラリで公開する必要がありましたが、その一段が不要になりました。
カードの種類と、先に知っておく上限
選べる可視化は6種類です。
| 種類 | 主な用途 |
|---|---|
| スコアカード | 単一指標の集計値と前期比 |
| 表 | ディメンション別の一覧 |
| 折れ線 | 日次・週次・月次の推移 |
| 棒(横・縦) | ディメンション間の比較 |
| ドーナツ | 構成比 |
| ファネル | 自分で組んだステップの通過率 |
組み始める前に効いてくる制約が2つあります。
| 項目 | 上限 |
|---|---|
| 1ダッシュボードのカード数 | 10個 |
| ダッシュボード全体のフィルタ | 5条件(AND結合) |
ディメンションと指標の組み合わせには、GA4の従来の互換ルールがそのまま適用されます。イベントスコープのディメンションにセッション単位の指標をぶつける組み方は、選択肢の側から弾かれます。
10枚をどう配分するか
カードが10個までである以上、埋め方を先に決めておかないと途中で枠が尽きます。1人で複数媒体を回しているケースでは、次の配分が現実的です。
- スコアカード4枚:セッション/エンゲージメント率/キーイベント数/CVR(いずれも前期比較オン)
- 折れ線2枚:セッションとCVの日次推移
- 表2枚:参照元/メディア別、ランディングページ別
- ファネル1枚:フォーム到達→送信完了
- 予備1枚:施策期間だけ差し替える枠
5の予備枠を空けておくと、新しいLPを出した週にそこだけ差し替えられて、全体のレイアウトを崩さずに済みます。
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広告レポートとしての限界
ダッシュボードに並べられるのは、GA4が持っているデータだけです。つまりサイトに到達したあとの数字に限られ、広告の表示回数・クリック数・費用は入りません。分母になる費用がない以上、CPAもROASもそのままでは出せないということです。
費用を入れる経路としてGA4のデータインポートがありますが、2026年の仕様変更で通貨コードの指定が必須になりました。日次で回す場合、インポートの運用自体が新しい作業として乗ってきます。
媒体横断で見ようとすると、10枚という上限も効いてきます。媒体が3つあり、それぞれセッション・CV・CVRを置くだけで9枚です。媒体を横に並べて比較する用途には枚数が足りません。
探索との使い分け
ダッシュボードと探索は競合しません。ダッシュボードは決まった数字を毎回同じ配置で見る定点観測用、探索はセグメントや経路を切り替えて原因を掘る道具です。毎週見る数字が固まっているならダッシュボード、「なぜ今週CVが落ちたのか」を追うなら探索、という分け方になります。
まとめ
- ダッシュボードは2026年9月9日提供開始。レポート画面の「+作成」から作り、ライブラリを経由せず左ナビへ置ける(編集者・管理者権限が必要)
- カードは6種類・1枚あたり10個まで、全体フィルタは5条件まで。組む前に配分を決める
- GA4が持つのは到達後のデータのみ。広告費・表示回数は入らず、媒体横断の判断はGA4の外に置く
よくある質問
GA4のダッシュボードはいつから使えますか
2026年9月9日にGoogleアナリティクスの更新履歴で告知され、順次利用できるようになっています。レポートページ左上の「+作成」に「ダッシュボード」が出ていれば、そのプロパティでは有効です。作成にはプロパティの編集者または管理者の権限が必要で、閲覧権限のみのアカウントには作成メニューが表示されません。
GA4のダッシュボードと探索レポートは何が違いますか
用途が違います。ダッシュボードは決まった数字を毎回同じ配置で見る定点観測用で、カードを6種類(スコアカード・表・折れ線・棒・ドーナツ・ファネル)から選んで最大10個まで並べられます。探索はセグメントや経路をその場で切り替えて原因を掘るための機能です。毎週同じ数字を見るならダッシュボード、異常の原因を追うなら探索と使い分けます。
GA4のダッシュボードに広告費やCPAを表示できますか
そのままでは表示できません。GA4が持つのはサイトに到達したあとのデータで、広告の表示回数・クリック数・費用は含まれないためです。GA4のデータインポートで媒体側の費用データを取り込めばROASまで見られますが、2026年の仕様変更で通貨コードの指定が必須になっており、日次で回す場合はインポート作業そのものが新しい運用として増えます。
ダッシュボードは1つしか作れませんか
複数作成できます。制限がかかるのは1枚あたりの中身のほうで、カードは10個まで、ダッシュボード全体に適用するフィルタは5条件までです。媒体別やLP別など目的ごとに分けて複数枚用意し、1枚に詰め込まない設計にするのが現実的です。
図解・表つきの完全版はこちら:GA4に「ダッシュボード」が追加された|広告レポートをどこまで置き換えられるかの線引き
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