.NET4.6で末尾再帰するとしぬかもな話

超絶マイナーネタ。現在進行形のお話。

C#で再帰する奴ー

.NETのx64JITには末尾再帰の最適化があります。
再帰してもコールスタックを消費しないすごいやつです。
これを全力で利用しまくったライブラリを書いてたんですが、そのときハマった話。

こんなコード

// ちょっとしたstruct
public struct AStruct
{
    public int Value;

    public AStruct(int x)
    {
        this.Value = x;
    }
}

// 末尾再帰する関数
private static AStruct RecA(AStruct a)
{
    //System.Console.WriteLine(new System.Diagnostics.StackTrace().FrameCount); // コールスタックのカウントだせるやつ
    return (a.Value <= 0) ? a : RecA(new AStruct(a.Value - 1));
}

// よびだすやつ
internal static void Main(string[] args)
{
    RecA(new AStruct(100000000));
}

.NETのtail-call optimizationを有効にするには、x64環境でReleaseビルドでコンパイルします。
実行すると、華麗にStackOverflowExceptionで死にます。んんん、だめじゃん。

// classにしてみた
public class BClass
{
    public int Value;

    public BClass(int x)
    {
        this.Value = x;
    }
}

// 末尾再帰する関数
private static BClass RecB(BClass b)
{
    //System.Console.WriteLine(new System.Diagnostics.StackTrace().FrameCount); // コールスタックのカウントだせるやつ
    return (b.Value <= 0) ? b : RecB(new BClass(b.Value - 1));
}

// よびだすやつ
internal static void Main(string[] args)
{
    RecB(new BClass(100000000));
}

これは正常に完了します。あれー？？？

RyuJITのバグ？？？

App.config

<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<configuration>
    <startup> 
        <supportedRuntime version="v4.0" sku=".NETFramework,Version=v4.6.1" />
    </startup>
    <runtime>
        <useLegacyJit enabled="1" />
    </runtime>
</configuration>

App.configにuseLegacyJitを追加して値を1にするとRyuJITの使用を無効化できます。
すると上のコードはAもBも正常に動くようになります。
これは一体……？

まだ検証中なの

上のコードのそのまま動くやつをとりあえずここに置きました。
今はRyuJITの仕様とかissueとかを探ってるんですけど、英語が全く読めないので死んでます。
何か関連する情報があったらくださいおねがいします。