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QAが社内の垣根を超えて「ユーザーに向き合う」体験をして感じたこと

Last updated at Posted at 2025-12-19

■はじめに

株式会社LITALICOでQAエンジニアをしています@abekyoです。
この記事は『LITALICO Advent Calendar 2025』の記事です。

■LITALICOとQA

弊社、株式会社LITALICOは「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げ、実際に店舗を構えて行う福祉施設の運営や、全国の福祉施設を支えるプラットフォーム(ソフトウェア)事業などを運営しています。
私の所属するQA(Quality Assurance:品質保証)チームは、福祉・介護施設向けの業務支援システムの品質を守る仕事をしています。

■今回体験した内容

福祉施設でサービスを提供した際、「国保連合会」という審査機関へ毎月請求情報を提出し、審査を受ける必要があります。
弊社でも多くの施設を運営しているため、社内に全拠点の請求を一括管理する専門の請求グループがあります。
今回、私は「社内の請求グループ」にて、実際の請求データのチェック業務を体験させてもらいました。

■体験の目的と背景

今回の目的は、リアルな請求業務を体験して「ユーザー理解」を深めることです。
その背景には、先日社内で開催された”ユーザーに向き合う”をテーマにしたイベントがありました。そこでは、様々な職種や立場の社員が「自分にとってのユーザーはだれか」「ユーザーに向き合うためにできることはなにか」を話し合いました。
QAの私からみたユーザーは、業務支援システムを利用する全国の施設の方はもちろんですが、一番身近にいる「社内の請求グループ」もそのひとりなのです。

■体験して感じたこと

① 現場で感じた「リアル」

請求情報の提出には期限があるため、チェックにはスピードと正確性が求められます。
私が体験したのは請求のいち工程ではありますが、自分のチェックに間違いがあると、審査に通らず正しい報酬が得られないかもしれない…という緊張感がありました。テストのときとはまた違った、現場ならではのリアルな緊張感でした。

② 「請求書を作る」という言葉の解像度

QA業務のなかには、システム開発の要件定義として「ユーザーストーリー(ユーザーがシステムを使って何を達成したいかを描いたシナリオ)」を作成することがあります。
これまでは「ユーザーが請求書を作成する」という短いひと言でも、その背景には「必要な情報を各所から集める」「法的な正確性を担保する」「期限のプレッシャーの中で完了させる」など、システムの外側にある様々な情報が存在していました。

QAとしても普段から法令や制度のキャッチアップは行っていますが、それが現場でどう運用されているかというリアルを知ることができました。
請求には厚生労働省が定めた指定の書類が必要となり、記載内容も決められています。しかし場合によっては決められた記載内容以外にも、記録として残したい情報があり、それは厚生労働省の資料からは読み取れないものでした。
今後は、「机上の業務知識」と「現場のリアル」を紐付けてより実態に即した観点を増やしていきたいです。

③ LITALICOのQAだからできること

今回、「福祉施設」と「プラットフォーム事業」の両方を運営しているLITALICOならではの体験をすることができました。
自社内に現場があるからこそ、仕様書などのドキュメントだけでは読み取れない現場の空気感を肌で感じたことで、QAとしての解像度をより高めることができました。

さいごに

現在のシステムでもオペレーションミスを未然に防ぐ仕組みや法に即した正しい請求情報を作成できるよう設計されていますが、今回の体験は「より現場の負担を減らすために何ができるか」を考える良い機会になりました。
私たちのQA活動は、単にソフトの不具合を発見することではなく「業務支援システムを使うユーザーが、支援に専念できる時間を創出すること」ができるよう、改めて自分の役割を認識することができました。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

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