Makeover Mondayの2025年第1週のお題 "Historical price of computer memory and storage" に挑戦してみたいと思います。
コンピューターの記憶デバイスのうち
- メモリ
- 磁気ディスク
- フラッシュ & SSD
のTBあたりの価格のデータ(1956-2023 年)を元にチャートを作ってみようという取り組みです。
1. 記憶デバイスの容量単価の推移
記憶デバイスの容量単価の推移 - Tableau Public
まずは概要を把握する目的で、価格推移をシンプルに線グラフで表現します。この類の指標は指数関数的に減少するため、縦軸は対数を取っています。
- メモリと磁気ディスクは 1980 年前後から価格低下のペースが大きくなっているように見えます。
- メモリは 1975 年ごろから。これは SRAM → DRAM の移行が影響しているのでしょうか。
- 磁気ディスクは 1985 年ごろから。このあたりから PC での磁気ディスク採用が広がったようなので、その影響かもしれません。
- ただし、メモリ / 磁気ディスクの価格低下のスピードは 2010 年ごろから落ちているように見えます。
- 価格低下に寄与する技術革新のペースが遅くなった、需要が増えて価格下げ止まり圧力があったなど理由は考えられますが、よく分かりません。
- 2020 年を超えたあたりで、メモリと SSD は大きく価格が下がっています。
- コロナによる影響もあるかと思いますが、半導体不足と言われている中で差がているのは意外でした。
2. 磁気ディスクとSSDの今後の価格予測
磁気ディスクとSSDの今後の価格予測 - Tableau Public
磁気ディスクと SSD の価格逆転はあるのか?というのはちょくちょく聞く話題です。2013-2023 年の価格推移から Tableau の予測機能を使って、今後の価格推移を予測し、いつ頃に価格が逆転するか探ってみました。
- Tableau のカスタム予測モデル(傾向 = 乗算 & 季節 = なし)を用いました。
- 結果として 2036 年ごろに価格が逆転するという予測が出力されました。
- 磁気ディスクの方は 2013-2023 年の間の傾向が安定しているので、予測も納得感があります。
- SSD に関しては、予測区間(今回は 95%)が広がっているので、ちょっと難しい予測ですね。
- まぁ、あくまで今の傾向がそのまま続いた場合の参考値として捉えるのが良いかなと。
3. メモリと磁気ディスクの価格比
メモリと磁気ディスクの価格比 - Tabluau Public
元データベース屋さんとしては、メモリ追加という札束によるパフォーマンス改善はやっぱり魅力的なので、メモリと磁気ディスクの価格比というのは気になります。なので、それを可視化してみました。(今どきの DB は SSD なので、メモリと SSD の価格比を本当は見たかったのですが、SSD のデータが少ないので今回は磁気ディスクとの比較です)
- 一時期でメモリ / 磁気ディスクの価格比がスパイク的に上昇(メモリが相対的に高い)した時期があります。
- 1995年
- 2000年
- 2006年
- 2010年
- スパイク的な上昇の理由はよく分かりません。
- 2010年は DDR3 移行直後で それまでの DDR2 に比べ一時的に高くなったからかもしれません。(勝手な想像)
- その他の時期については、需要の増大やメーカーの生産能力の停滞など色々考えらえますが、よく分かりません。(これだけスパイクしているので、一過性の原因である気もするのですが)
- スパイク的な上昇を除外しても、メモリ / 磁気ディスクの価格比は上昇傾向にあります。(メモリが高いのか、磁気ディスクが安すぎるのかは判断難しいところですが)
おわりに
ことしは月1ぐらいのペースで Makeover Monday に取り組んでみようと思っていて、その第1弾でした。
長いこと Tableau 触っておらずにいろいろ忘れているので、ちょっとリハビリが必要かなと思いました。
また、可視化してみることでいろいろ興味深い事実は見えてくるのですが、その背景を探るために色々ググったり ChatGPT に聞いたりしても分からないことが多いですね。やはり業界知識が不足 & 片手間だと難しいですね。
あと、2036 年は遠すぎだろ…