ECMAScriptとは?
ECMAScript(エクマスクリプト)は、国際標準化団体のEcma Internationalが策定したJavaScriptの標準規格です。別名としてECMA-262とも呼ばれます。
歴史
- 1995年:Netscape社が「LiveScript」という名前のスクリプト言語を開発
- 1995年:Sun Microsystems社がJavaをリリースし、人気を集める
- 1995年:Netscape社、LiveScriptの名前を「JavaScript」に変更
- 1997年:ECMA-262としてJavaScriptの標準規格が策定される
- 2009年:ECMAScript 5.0がリリースされ、大幅な機能追加が行われる
- 2015年:ECMAScript 6.0がリリースされ、大幅な機能追加が行われる
- 2017年:ECMAScript 8.0がリリースされ、新しい機能が追加される
- 2019年:ECMAScript 9.0がリリースされ、新しい機能が追加される
- 2020年:ECMAScript 10.0がリリースされ、新しい機能が追加される
- 2021年:ECMAScript 11.0がリリースされ、新しい機能が追加される
- 2022年:ECMAScript 12.0がリリースされ、新しい機能が追加される
- 2023年:ECMAScript 13.0がリリースされ、新しい機能が追加される
- 2023年:ECMAScript 14.0がリリースされる
概要
ECMAScriptは、Webブラウザ上で動作するスクリプト言語の仕様を定義しています。JavaScriptはこの仕様に基づいて開発されており、ECMAScriptに準拠した言語であると言えます。
ECMAScriptは、以下の機能を提供します。
- 変数とデータ型
- 演算子と式
- 制御フロー
- 関数
- オブジェクト
- 配列
- 正規表現
- エラー処理
- 入出力
- イベント処理
用途
ECMAScriptは、主に以下の用途で利用されています。
- Webページのインタラクティブ性を高める
- Webアプリケーションを開発する
- ゲームを開発する
- サーバーサイドスクリプティング
- デスクトップアプリケーション開発
特徴
ECMAScriptは、以下の特徴を持つ言語です。
- 比較的習得しやすい
- 汎用性の高い言語
- 豊富なライブラリとフレームワークが存在する
- 活発なコミュニティが存在する
なぜECMAScriptが策定された?
ECMAScriptが策定された理由は、主に以下の3つが挙げられます。
1. JavaScriptの標準化
1995年、Netscape社はWebブラウザ「Netscape Navigator」向けに「LiveScript」という名前のスクリプト言語を開発しました。しかし、同年Sun Microsystems社がJavaをリリースし、大きな注目を集めました。
Netscape社は、Javaの人気にあやかろうと、LiveScriptの名前を「JavaScript」に変更しました。しかし、JavaScriptはNetscape Navigator専用の言語であり、他のブラウザでは動作しませんでした。
そこで、Netscape社は、Microsoft社やAdobe社などの企業と協力して、JavaScriptを標準化することにしました。1997年、ECMA InternationalによってECMAScript-262としてJavaScriptの標準規格が策定されました。
2. Webブラウザの機能拡張
当時、Webブラウザは主に静的なページを表示するものでした。しかし、ECMAScriptの登場により、Webブラウザは動的なページを表示したり、ユーザーとのインタラクションを実現したりすることが可能になりました。
これにより、Webページはよりリッチで魅力的なものとなり、Web開発の可能性が大きく広がりました。
3. 異なるブラウザ間の互換性確保
JavaScriptが標準化される前は、各ブラウザで独自にJavaScriptの実装が行われていました。そのため、同じJavaScriptコードでも、ブラウザによって動作が異なったり、エラーが発生したりする問題がありました。
ECMAScriptの標準化により、異なるブラウザ間でJavaScriptの動作が統一され、Web開発者にとって大きなメリットとなりました。
その他
上記に加え、以下のような理由もECMAScriptが策定されたと考えられます。
- 当時、他のスクリプト言語の選択肢が限られていた
- JavaScriptが比較的習得しやすい言語だった
- Netscape Navigatorが圧倒的なシェアを持っていた
まとめ
ECMAScriptは、JavaScriptを標準化し、Webブラウザの機能を拡張し、異なるブラウザ間の互換性を確保するために策定されました。
ECMAScriptの策定により、Web開発は大きく発展し、現代のインターネット社会を支える基盤の一つとなりました。