はじめに
ACCESS Advent Calendar 2020 の14日目です。
これまで ThinkPad X61 や Let's NOTE で遊んだ記事を書いてきましたが、今年は秋葉原のジャンクショップを dig って確保したこちらをご紹介します。
ThinkPad X121e です。天板がベタベタなこと以外は文句のない状態な上、 8GB メモリまでついてきました。これで 3,000 円は安い。
なんかイージーモードな感じですが、 BIOS に癖のある端末だったため苦労した事などを紹介していきます。
ThinkPad X121e 紹介
ThinkPad X121e(以下、X121e)は2011年に発売されたノートパソコンで、Intel 版と AMD 版が存在します。
いわゆる「ネットブック」の流れを組むモバイルノートですが、Core i3-2357M を搭載するなど当時発売されていた X220 にも劣らない性能備え、また ThinkPad の大きな利点でもある整備のし易さにも定評があります。
カスタマイズ
ハードウェア
(本体代よりも用意したパーツの合計額の方が多いパターン)
SSD
7mm の SSD に換装。ネジでカバーをはめるタイプ。
メモリ
手持ちの(X220 で使用していた)4GB を挿して 12GB に。
無線 LAN モジュール
搭載されていたモジュールでは 11g までしか対応されていないため換装したいですが、BIOS のホワイトリストに載っていないモジュールは使用できません。改造 BIOS を使う、USB ドングルを刺すなど検討しましたが、純正のモジュールを取り寄せて取り付けました。
隣には mSATA が刺せそうなスロットがありますが、これもまた BIOS が禁止しているらしい。
USB Type-C 充電
もちろん純正ではないですし規格違反な気もしますが、X220/X230 向けの USB-C アダプタが使用できます。 61W の USB-PD アダプタに挿したところ充電でき、内部では 90W アダプタに接続している判定が出ました。
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X220/X230 では、そもそも AC コネクタ自体を USB-C に換装するものまであるらしく、10年以上戦えそうな雰囲気ですね。
X230 USB-C thing I did : thinkpad
ソフトウェア
BIOS
BIOS 更新ソフトは公式で配布されていますが、対応しているのが Windows 7 までなので、 Windows 10 で起動しても動作しません。
対策として、UEFI に書き込むか USB メモリでイメージを起動するかの2パターンがあり、私は後者で更新できました。
デュアルブート
なんとなく Windows 10 Pro と SparklyLinux にしましたが、お好みでどうぞ。Windows 側の環境構築は scoop を使用しました。
BitLocker (TPM)
X121e は TPM に対応しているものの、なぜか TPM を使った BitLocker 暗号化ができませんでした。
BitLocker を使う場合、BIOS から TPM を無効化し USB メモリにアクセスキーを書き込む方法になるでしょうか。なお SD スロットにアクセスキーを書き込んだ SD を挿しても認識されませんでした。
使用感
重さはあります(1.5kg)がコンパクトにまとまっており、使い勝手の良い端末でした。
12GB も積んだので Android Studio を入れてビルドも可能です。ただし CPU の限界か、快適とまでは行きませんでした。
未来へ
さすがの ThinkPad と言うべきか、発売から9年経った2020年でも普段使いになりうるポテンシャルと整備性を兼ね備えた端末でした。また USB-C 充電が可能になるなどの非公式製品にも助かりました。
ただし BIOS に問題があり、ここで紹介した以外にも「BIOS設定からカメラとマイクとBluetoothを無効にすると文鎮化する」という例もあります。 BIOS のバグさえなければ……という声も。
また、ThinkPad で Linux を使うならお馴染み(?)の TLP による閾値設定も、X121e は対応していないようです。
安定性や拡張性を求めるなら最近増えてきた X230 をチョイスするのがベターかと思いますが、これはこれで面白い端末でした。しばらく使ってみようと思います。
おまけ:その他端末
ARROWS Tab Q508/SB
アキバでバカ売れした Q506/SE の後継機、そのビジネスモデル。違いは USB-C 端子が搭載されていることで、USB-PD 充電器で充電できることが強みでした(公式ページにも明記されていないが行ける)。Android-x86 や ChromeOS で遊びましたが、なかなか使いこなせず。