1. はじめに(目的)
本記事で解説すること
Androidアプリの開発において、プログラムの修正や機能追加を行った後、Android Studioでビルドし、Google Play Consoleの「内部テスト」を使って実機(テスター)へ配信・更新するまでの一連の手順をまとめます。
アプリをリリースした直後や更新時に発生しやすい「リンクを開いてもアプリが表示されない(App not available)」といったトラブルの回避策も含めて、スムーズな検証フローを確立することを目的としています。
対象者・前提条件
- Android Studioでアプリ開発を行っている方
- Google Play Consoleのアカウントを所有し、アプリの初回登録が完了している方
- 開発したアプリを特定の知り合いや関係者のみに限定公開してテストしたい方
2. Android Studioでのビルド作業
アプリを更新してアップロードするためには、①バージョン情報の繰り上げ と ②署名付きAAB(Android App Bundle)ファイルの生成 の2点が必要です。
2.1 バージョン情報の更新(build.gradle)
修正したプログラムをGoogle Play Consoleへアップロードするには、前回より大きいバージョン番号を設定する必要があります。
- 左側のプロジェクトツリーから
build.gradle.kts(Module :app) またはbuild.gradleを開きます。 -
defaultConfig内のversionCodeを増やし、必要に応じてversionNameも変更します。
###2.2 署名付きAAB(Android App Bundle)の生成
Google Playストアへのアップロードには .apk ではなく .aab ファイル形式を使用します。
Android Studioの上部メニューから Build > Generate Signed App Bundle or APK... を選択します。
ダイアログが表示されたら Android App Bundle にチェックを入れて Next をクリックします。
署名鍵(Keystore)の情報を入力します:
Key store path: アプリ作成時に用意した .jks(または .keystore)ファイルのパス
Key store password: キーストアのパスワード
Key alias: エイリアス名
Key password: エイリアスのパスワード
💡 ポイント
初回リリース時と同じキーストア・パスワードを使用してください。
Next をクリックし、Build Variants で release を選択して Create をクリックします。
ビルドが完了すると画面右下に通知が表示されます。locate をクリックすると、作成された .aab ファイル(app-release.aab 等)のフォルダが開きます。
3. Google Play Consoleへのファイルアップロード
Android Studioで生成した .aab ファイルを Google Play Console にアップロードし、内部テストトラックでリリースする手順です。
3.1 内部テストリリースの作成
- Google Play Console にログインし、対象のアプリを選択します。
- 左側のサイドメニューから 「テスト」 > 「内部テスト」 をクリックします。
- 画面右上にある 「新しいリリースを作成」 ボタンをクリックします。
-

※「内部テスト」画面の右上にある「新しいリリースを作成」から開始します。
3.2 AABファイルのアップロードとリリース実行
-
「App Bundle のアップロード」 領域にある「ここに、アップロードする App Bundle をドロップしてください」へ、作成した
.aabファイルをドラッグ&ドロップ(または「アップロード」リンクから選択)します。

※「App Bundle のアップロード」エリアにファイルをドロップします。 -
アップロードが完了すると、バージョン情報が自動的に読み込まれます。
-
リリースノート(変更点など)を確認・編集し、画面右下の 「次へ」 をクリックします。
-
レビュー画面(プレビューして確認する)に遷移したら、内容を確認して 「保存」 および 「内部テストへのリリースを開始」 をクリックします。
💡 ポイント
内部テストの場合、Googleの通常審査は行われないため、リリースを開始すれば数分〜十数分程度でテスターに反映されます。
4. テスター設定と実機確認
内部テストは、URLを知っているだけではアクセスできません。Google Play Console側でテスターのメールアドレスを事前登録する必要があります。
4.1 テスターリストの作成とメールアドレスの追加(開発者側の作業)
- Google Play Consoleの 「内部テスト」 画面で、「テスター数」 タブを開きます。
- 「メールアドレス リスト」の項目で、既存のリストを選択するか 「リストを作成」 をクリックします。
- テストしてもらいたい知人の Googleアカウントのメールアドレス(Gmail等) を入力して追加し、保存します。
4.2 テスト参加URL(リンク)の共有
- 同じ「テスター数」タブの下部にある 「ウェブ上の参加 URL」 (
https://play.google.com/apps/testing/...)のリンクをコピーします。 - このリンクを、登録したテスター(知人)へLINEやメールなどで共有します。
試してみたい人はこちら
アプリ概要:Picture & Log
本記事でテスト配信を行っている「Picture & Log」は、自動運転の機械学習データを収集するための撮影・ログ取得アプリです。
主な機能と特徴
-
定期インターバル撮影
- 1秒 / 3秒 / 5秒 ごとの自動連続撮影に対応
-
センサーデータの自動同期
- 撮影時の「緯度・経度(位置情報)」および「スマートフォン本体の傾き(ジャイロ・加速度センサー)」を取得
-
JSON形式でのログ生成
- 撮影画像とセットで、機械学習モデルの訓練データとして扱いやすいJSONファイルを自動生成
自作のラジコンカーや小型Mobility向けの学習データ収集、プロトタイピングの現場でスムーズにデータを蓄積できる仕様になっています。
💡 知り合いへ送る案内文の例
【アプリのテスト協力のお願い】
作成したAndroidアプリのテスト版を準備しました!
どんなものか、ぜひ一度試してみてください。良かったら以下のリンクからダウンロードをお願いします!▼テスト参加・ダウンロード用リンク
https://play.google.com/apps/internaltest/4700918682127265302※上記リンクを開いた際「App not available」と表示される場合は、登録したGoogleアカウント(Gmail)でログインして開いてみてください。
##5. つまずきやすいポイント・トラブルシューティング
❌ 「App not available」と表示されてダウンロードできない
最もしばしば発生するエラーです。以下の原因が考えられます。
テスターリストにメールアドレスが未登録
デベロッパー側で、相手の Google アカウント(Gmail)をテスターリストに追加・保存しているか再確認してください。
別のアカウントでアクセスしている
スマホのブラウザ(Chrome等)で、招待されたGoogleアカウントとは異なるアカウントにログインしたままリンクを開くと発生します。招待されたアカウントに切り替えてもらうか、シークレットウィンドウでログインしてアクセスしてもらってください。
反映のタイムラグ
Play Consoleでリスト更新やリリースを行った直後は、設定が反映されるまでに 数分〜15分程度 かかる場合があります。
##6. まとめ
-
ビルド時:
build.gradleのversionCodeを毎回繰り上げることを忘れない。 -
アップロード時: 生成した
.aabを「内部テスト」トラックへ配置し、「次へ」でリリースを完了させる。 - 配布時: テスターのGoogleアカウントを事前にリストへ登録し、招待URLからアクセスしてもらう。
この手順を踏むことで、不特定多数に一般公開することなく、安全にテスト版アプリを関係者に配信・検証することができます。
📢 お知らせ
現在、自動運転データ収集アプリ 「Picture & Log」の内部テストを実施中 です!
機械学習や走行データ収集、プロトタイピングに興味のある方は、ぜひテストにご協力いただけると嬉しいです。
試してみたい方は、こちらの内部テスト参加リンク よりぜひアクセスして一度触ってみてください!
(※「App not available」が表示される場合は、テスターリストへのメールアドレス追加が必要となりますので、お気軽にご連絡ください。)


