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はじめに

AWSでは多種多様なストレージサービスを提供していますが、その種類は従来からあるストレージプロトコルに準拠したものです。各ストレージ種別に対してAWSではどんなサービスを提供しているのかをまとめたいと思います。

ストレージの種別

以下は各ストレージとAWSサービスの対応をまとめたものになります。

題目 ブロックストレージ ファイルストレージ オブジェクトストレージ
特徴 「ブロック」単位でデータを管理、低レイヤーでのチューニングが可能な為性能を最適化できる。 ツリー構造の「ファイル」単位でデータを管理。直観的に利用できる。 「オブジェクト」単位でデータを管理。フラット構造で拡張性が高い。
プロトコル SCSI/iSCSI/FC/SAS/SATA NFS/SMB/CIFS HTTP/HTTPS
用途 トランザクションデータ、更新頻度の高いデータ 共有ファイルデータ バックアップデータや大容量コンテンツの保存
イメージ image.png image.png image.png
メリット 高パフォーマンス 共有ファイルのアクセスと管理のしやすさ スケーラビリティ、分散アクセス
デメリット コスト
スケーラビリティ
コスト
スケーラビリティ
更新頻度の高いデータに不向き
AWSサービス Amazon Elastic Block Store(EBS)
Amazon FSx for Netapp ONTAP
Amazon Elastic File System(EFS)
Amazon FSx For Windows File Server
Amazon FSx for OpenZFS
Amazon FSx for Lustre
S3

AWSストレージサービスの選定ポイント

上記の表を踏まえた上で、AWSでストレージサービスを利用するポイントを解説したいと思います。

利用するOSから検討する

利用OS ブロックストレージ ファイルストレージ オブジェクトストレージ
Linux/UNIX Amazon EBS Amazon EFS
Amazon FSx for Netapp ONTAP
Amazon FSx for OpenZFS
Amazon FSx for Lustre
S3
Windows Amazon EBS Amazon FSx for Netapp ONTAP
Amazon FSx For Windows File Server
S3
Linux/UNIX,Windows Amazon EBS Amazon FSx for Netapp ONTAP S3

利用用途から検討する

AWSでは上記で説明したようにストレージサービスが豊富にある分、用途からサービスを検討するのも手段の1つです。
以下ではよくある用途からサービスを選定する際のマッピングを表にまとめました。

検討サービス 利用用途
Amazon EBS EC2から利用可能な汎用的なストレージを検討したい
Amazon FSx for NetApp ONTAP iSCSで利用できる高性能で可用性の高いブロックストレージを検討したい
Amazon EFS NFSとして利用可能で、自動で容量の拡大/縮小を行ってくれるストレージを検討したい
Amazon EFS LambdaやFargate等サーバレスアプリケーションから利用できるストレージを検討したい
Amazon FSx for NetApp ONTAP 高機能・高性能な共有ファイルストレージを検討したい
Amazon FSx For Windows File Server 現在Windows File Serverを利用しており、AWS上でも同様のサービスを利用したいと考えている
Amazon FSx for NetApp ONTAP 現在NetApp ONTAP製品を利用しており、AWS上でも同様のサービスを利用したいと考えている
Amazon FSx for OpenZFS EFSよりカスタマイズができるマネージドのNFSストレージを検討したい
Amazon FSx for Lustre 機械学習やHPCやビックデータ分析で利用できるような高性能なストレージを検討したい

AWSストレージサービス

上で紹介したストレージの簡易説明とサービスページへのリンクをまとめておきます。

ブロックストレージ

Amazon Elastic Block Store(EBS)

SSDとHDDの2種類のストレージ利用できるサービスになります。
EC2等のコンピューティングサービスと合わせて利用します。

image.png

Amazon FSx for NetApp ONTAP

Amazon FSx for NetApp ONTAPはフルマネージドのファイルストレージとして提供されているサービスですが、iSCSIを介したブロックストレージとしての機能も提供されているサービスになります。
EBSと比較して利用料は高くなりますが、性能が良く、可用性にも優れているサービスです。

image.png

ファイルストレージ

Amazon Elastic File System(EFS)

NFSのファイルストレージをマネージドで利用できるサービスになります。
ライフサイクル機能も備えており、他のAWSサービス比較的連携しやすいストレージになります。

image.png

Amazon FSx For Windows File Server

Windowsのファイルサーバ機能をマネージドで利用できるサービスになります。

image.png

Amazon FSx for OpenZFS

オープンソースのOpenZFSファイルシステムをマネージドで利用できるサービスになります。

image.png

Amazon FSx for Lustre

HPCや機械学習やビックデータ分析での利用用途向けの高性能ファイルシステムです。

image.png

オブジェクトストレージ

Amazon Simple Storage Service(S3)

データレイクとしてやバックアップデータの保管場所として、またコンテンツ置き場としても利用できるオブジェクトストレージサービスになります。

image.png

まとめ

以上が、現在AWSで提供しているストレージサービスになります。
種類が豊富な分、判断に迷う事もありますがそんな時にこのサイトを見て選定基準を参考にしてみてもらえたら幸いです。
AWSで快適なストレージライフを!

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