リーダーシップとは
リーダーの本質的な役割とは
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ゴールを定める
方向付け -
フォロワーを動かす
フォロワー=メンバー
リーダーが影響力を発揮してフォロワーを束ねる
リーダーシップとマネジメントの違い
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リーダーシップは方向付けと影響力
- ゴールを定めてフォロワーをその気にさせて動かす
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マネジメントは管理と最適化
- ゴールに対してより早く、効率的に、確実に、安定的にゴールまでのプロセスを作り推進する
リーダーシップがないことで発生する問題例
例1)方向付けが弱いので進まない
Aさん:部長命令の勉強会企画しないとね
Bさん:そうですね、何を勉強するか考えないとね
Aさん:1ヶ月前もやりましたしね。ネタないですよね。
Bさん:困りましたね。また考えましょう。。。
例2)リーダーの影響力の欠如
Aさん:経費申請月末しめですよ
Bさん:色々忙しくて、来月は守ります
Aさん:もう3ヶ月も期限守れてないですよ!
一人一人が改善できるリーダーシップの例
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会議で誰も発言しない
- 率先して発言してみる
例)今日の会議の目的は?今日の会議のゴールは?など
- 率先して発言してみる
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チームに元気がない
- 少し大きな声で挨拶してみる
- 自分からチームメンバーに声をかけてコミュニケーションを図る
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上司からの抽象的な業務指示
- 自分から具体案などを出して要件をまとめに行く
リーダーシップの不益流行
不益流行=いつまでも変わらないものの中に新しい変化を取り入れることを指す言葉
リーダーシップにおいては普遍の原則を押さえつつ、新しいやり方、考え方を柔軟に取り入れることが大事
不益の部分は最初に述べた通り
流行について
- リーダーシップ理論を活用
- 時代環境に適用する
ゴールを定める
ビジョンって何?
ビジョンの語源はラテン語の動詞「videre」からきている
意味は「見る」
つまり事業活動におけるビジョンは「到達点」や「将来像」について視覚的に表現したもの
何故ビジョンを設定するのか?
事前にゴールイメージがあると、その後の言動や行動が最適化されるから
つまり、行動を始める前にゴールイメージを持つことが大事
ビジョンの重要性を説いた名言
「どこに行こうとしているかがわかっていなければ、どの道を通ってもどこにも行けない。」
by ヘンリー・キッシンジャー(ノーベル平和賞受賞)
「船をつくりたかったら、人に作業を割り振るのではなく、はてしなく続く広大な海を慕うことを教えよ。」
by サン・テクジュペリ
良いビジョンとは
以下の3要素が入っていること
1 具体性
フォロワーが頭の中でイメージできるもの
- いまいちなビジョン(具体性がない)
- 激敵な技術的進化をもたらす
- 良い組織を作ろう
- 全力で取り組む
- いいビジョン(具体性がある)
- 1960年代までに人類を宇宙に連れていく
- 全社員の幸福度アンケートで95%を目指す
- XX大会で3位以上に入賞して表彰台に上がる
2 大義
自分のためではなくて、みんなの為になる
- いまいちなビジョン(利己的)
- 俺の評価を上げるために目標達成しよう!
- 良いビジョン(利他的)
- お客様の笑顔のためにこの商品を作る
3 共感度
🟢発生型問題におけるビジョン
→当たり前だと感じる基準から逸脱している物を当たり前の基準にする
例)松下幸之助
生活に必要なあらゆるものが、蛇口を捻れば出てくる水道水のごとく揃う。
そんな誰にとっても豊かな世界を一緒に創っていこうじゃないか。 by 松下幸之助
🟢設定型問題におけるビジョン
現状は問題ないが更なる高みを目指すビジョン
例)Google
Googleの使命は世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること by Google
共感を生み出すにはどうすればいいか?
→マクロ視点だけでなくミクロ視点も入れる
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いまいちなビジョン
- もっと良い携帯電話を作ろう
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良いビジョン
- 電話を再発明するんだ
フォロワーを動かす
フォロワーを動かすポイント
1 理
人は納得できない物には動かない
2 情
感情や情熱を感じられなければ動かない
3 信
リーダーを信頼していなければ動かない
理(論理)で人を動かすとは?
そもそも人は何によって納得するのか?
人は 何(what) ではなく なぜ(why) に動かされる
サイモン シネック氏が提唱したゴールデンサークル理論が参考になる
興味のある方は以下のTED Talkを見るのをオススメする
情(感情)で人を動かすとは?
人は何によって心を動かされるのか?
→話し手のWill(意思、思い)も持っているかどうか
日頃から仕事に対して向き合っていないとWillは出ない
以下は自分に対する問いの参考
- 自分は仕事で何を実現したい?
- 自分はどんなチームを作りたい?
- 自分は何を大切に生きている?
- 自分の仕事の目的は何?
例)黒人差別撤廃を訴えたキング牧師の有名なスピーチ
I have a dream!
そこにロジックが無かったとしても情があれば人は動くことがある
リーダーとして何に課題意識があって、どのようにしていきたいというwillをメンバーに示すことが大事
信頼はどうやって生まれる?
カレンシーとレシプロシティの理論というものがある
人は自分にとって価値のある何か=カレンシーを提供された場合、無条件に相手にとって価値のある
何か=カレンシーを提供したくなる生き物である。これをレシプロシティという。
→つまり人に働きかけるには相手にとって望ましいカレンシーを見出し率先して提供していくことが大事!
カレンシーとレシプロシティの例
カレンシー | レシプロシティ |
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レストランの食事とサービスが最高だった | 友人にレストランを紹介した |
外注先の仕事が期待以上に良かった | 次の仕事も依頼した |
上司がミスをカバーしてくれた | 上司の仕事を手伝って成果を出した |
リーダーシップ理論
リーダーシップには様々な理論がある
今回は代表的なものを説明していく
リーダーシップ特性理論
優れたリーダーに共通する個人的な資質や特性を探求するアプローチ
研究テーマ例)
- ナポレオンはどんな資質を持っていた?
- カエサルはどんな特性を持っていた?
結論、偉大なリーダーに共通する資質はないと帰結した
→特性には共通点が無くとも行動にはあるのではないかと疑問が生まれた
→リーダーシップ行動理論が生まれる
リーダーシップ行動理論
優れたリーダーはどの様な行動をとってメンバーを引っ張っているのかを研究する
成果を出すリーダーは何を行なっているのか?またどんな行動傾向があるのか?
→三隅 二不二さんの提唱したPM理論が世界的に知られている
PM理論とは?
結果を出すリーダーは二つの行動がある
- P機能:Performance function
目標達成・課題解決機能 - M機能:Maintenance function
集団維持機能
簡単にまとめるとP機能はコトのマネジメントでM機能は人のマネジメントである
優れたリーダーはこれら2つの機能を高いレベルで満たす行動を発揮していることを明らかにした
リーダーシップ条件適合理論
集団が置かれた条件やメンバーの習熟度など条件別のリーダーシップを研究する
例)船で平常運行している時と沈没しそうな時に求められるリーダーシップは異なる
有名なものにパス・ゴール理論があるので参考までに記載する
出典:スティーブン・P・ロビンス 『[新版]組織行動のマネジメント』 ダイヤモンド社、2009年 *引用者注:自己の行動の決定権限がどこにあるかという意識
変革型リーダーシップ理論
ノール・M・ティシーが提唱し、組織を存続させるために企業を変革に導くリーダーシップ理論
ティシーは、「リーダーシップエンジン」という概念を提唱
リーダーシップエンジンを機能させるためには、以下の要素が重要だとしている
・事業に付加価値を与えるアイディアが考案できる
・組織に根付かせられる価値観をもっている
・行動できるだけのエネルギーがあり、チームメンバーにも影響を与える
・勇気をもって決断する力を育てられる
サーバント・リーダーシップ
サーバント(servant)は「奉仕者」や「使用人」という意味
1970年にロバート・グリーンリーフが提唱したリーダーシップ哲学
リーダーはまず相手に奉仕し、その後相手を導くという考えのもとで生まれた支援型リーダーシップ
従来は支配型リーダーシップが着目されていてピラミッドのトップダウンで上から下に
命令を下して権威に基づいたリーダーシップであった
サーバントリーダーシップはピラミットを逆にしてリーダーは一番下にいて
現場のメンバーがパフォーマンスを出せる様に支援するというリーダーシップである
例)
- 元野球日本代表監督 栗山監督
- 選手のために尽くすのは当然のことだ
- サッカー日本代表監督 森保監督
- 自分はカリスマではない、トップダウンではなく、みんなで頑張ろうという雰囲気作りに努めた
シェアド・リーダーシップ
チームメンバーそれぞれがリーダーシップを発揮し、リーダーの役割を共有している組織
従来の垂直型のリーダーシップではなくて、現場のメンバーがリーダーシップをシェアしてその場で最適なメンバーがリーダーシップを発揮する
例)釜石の軌跡
オーセンティック・リーダーシップ
オーセンティック(authentic)とは「本物の、確実な、真正な」の意味
ここでいうオーセンティックは=自分らしさ
ウィリアム・W・ジョージが提唱した理論で、自分の価値観、信念に正直にリーダーシップを発揮することを説いている
リーダーは高い倫理観や価値観を持つことが大事だと提唱している
パーソナリティ・ベースリーダーシップ
自分の能力や強みを活かしたリーダーシップを発揮しようという理論
組織の状況や求められているリーダーシップに囚われるのではなく、自らの強みを最大限発揮するリーダーシップ
が高いパフォーマンスを生むという考え
自分らしいリーダーシップはどう考えるのか?
自分のパーソナリティと周りの環境を捉えてどんなリーダーシップを発揮するのが良いのか判断することが大事
クルト・レヴィンの法則
人の行動は、その人の特性(パーソナリティ)と周囲の環境(場)の相互作用によって決まるという理論
B = f(P, E)
B = Behavior(行動は)は
P = Personality(個人特性)と
E = Environment(その人を取り巻く環境)で決まる
自分のPersonalityが分からない
→MBTI(Myers Briggs Type Indicator)診断をやってみる
組織を取り巻く環境はどう捉える?
成長曲線理論
NASAの研究者によって考案された、あらゆる組織は一定のパターンを経て、成長と衰退を繰り返すことを理論化したもの
引用: https://www.lmi.co.jp/column/20190714070014/
それぞれのフェーズで求められるリーダーシップ
- 形成期
- 率先垂範型
- 力強いビジョン
- 朝令暮改
- 定常期
- 管理型
- 効率性の追求
- 上意下達
- 統合期
- 変革型
- サーバントリーダーシップ
- シェアド・リーダーシップ