はじめに
球状黒鉛鋳鉄品(FCD)の機械的性質(引張強さ、硬さ、伸び、衝撃値など)は金属組織(黒鉛の形状や基地組織)により大きく変化することが知られています。ここで、黒鉛の形状はJIS G5502の黒鉛球状化率から、パーライトの量はパーライト面積率から、それぞれ金属組織画像を使って求める事ができます。
一般的に、黒鉛球状化率は腐食前の金属組織画像から求め、パーライト面積率は腐食後の金属組織画像から求めますが、今回は下図のような腐食後の金属組織画像から黒鉛球状化率とパーライト面積率の両方を求めてみることにします。
作成したプログラム
使い方やサンプル画像を含めて、以下のgithubに格納してあります。
開発環境
- Windows11
- VSC 1.85.2
- Python 3.9.18
- OpenCV 4.5.0
終わりに
このプログラムは、組織画像中のパーライトと黒鉛を画像処理を使って輪郭として抽出しています。このため、フェライトとパーライトが接触している画像や、パーライトの面積が多い画像については、輪郭の抽出が困難となります。ご注意ください。
何かのご参考になれば幸いです。