はじめに
複数モデルをCAEで解析して結果を比較したい場合、簡単なモデルであれば、複数モデルを同時に解析して結果表示させることが可能です。ここでは、PrePoMaxを使って、複数の梁について同時に曲げ応力解析を行います。梁の材質は、鋼材、銅材、アルミニウム材として、これらの結果を比較します。
条件
- 梁の寸法:幅20、高さ10、長さ300mm
作成したstepファイルとFreeCADのモデルを以下のアドレスに格納
梁の横断面をy-z平面、長さ方向をz方向
梁の中心位置をずらした三個のstepファイルを作成
作成したファイル(Bar_0.step、Bar_Plus50.step、Bar_Minus50.step)は以下アドレスに格納
- 境界条件:片側の端面を完全固定し、もう片側の端面の角に下向きに100Nを印加します。
- 解析に用いたヤング率およびポアソン比の値は次のとおりです。
-- 鋼材:210000MPa、0.28
-- 銅材:130000MPa、0.34
-- アルミニウム材:70000MPa、0.34
操作方法
- CADで梁のstepファイルを作成します。上記アドレスにあるBar_0.step、Bar_Plus50.step、Bar_Minus50.stepを利用することも可能です。
- 三個のstepファイルを順次PrePoMaxにインポートします。順次インポートすることで、Partsに表示される順に三個のモデルを並べることができます。
- Parts名をSolid_part-Steel、 Solid_part-Copper、Solid_part-Aluminumに設定します。
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三本の梁について、同条件でメッシュを作成します。Mesh Setup 右クリック Create でTypeにMeshing Parametersを選び、Max element sizeを2mmに設定し、全ての梁を選択してOKをクリックします。
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セクションを設定します。Sections 右クリック Create で材料とPartを紐づけます。
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境界条件を設定するため、Steps 右クリック Create でStatic Stepを選択します。
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BCs 右クリック Create でFixedを選択し、固定する三個の面をshiftキーを押しながらクリックで選択してOKします。
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Loads 右クリック Create でConcentrated Forceを選び、荷重を印加する三本の梁の角をshiftキーを押しながらクリックで選択してOKします。荷重は-4.76Nとしました。これにより、梁の先端には4.76N×21節点≒100Nが印可されることになります。
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解析を実行します。Analyses 右クリック Create、Analysis-1 右クリック Runを実行します。
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終了後、Resultsで結果を表示します。
変位の結果です。材料力学の梁の曲げによる理論値は、鋼2.57mm、4.15mm、7.71mmとほぼ一致していることが分かります。
応力の結果です。固定位置での応力集中を避けるため、固定位置を外した節点における応力値を表示しました。材料力学の理論値90MPaとほぼ一致していることが分かります。