はじめに
前回は、Arduino UNO Qの特徴と、本連載で製作するWBGT計の概要を紹介しました。
今回は、Arduino UNO Qに標準搭載されているArduino App Labを使って、開発環境を準備します。
Arduino UNO Qは、リアルタイム制御を行うマイコン(MCU)とDebian Linuxを1枚の基板に搭載しています。そのため、一般的なArduinoボードとは開発方法が少し異なります。
とはいえ、最初は難しく考える必要はありません。
本記事では、まずArduinoマイコン側へプログラムを書き込み、動作することを確認します。
Arduino App Labとは
Arduino App Labは、Arduino UNO Qのために用意された統合開発環境です。
通常のArduino IDEと同じようにArduinoスケッチを作成できるだけでなく
- Arduinoスケッチ(MCU)
- Pythonプログラム(Linux)
- プロジェクト管理
を1つのアプリケーションで扱えるのが特徴です。
今回作成するWBGT計では
- 前半:Arduinoスケッチのみ
- 後半:Arduinoスケッチ+Linux(Python)
という流れで開発を進めます。
App Labを起動する
UNO Qを起動すると、Arduino App Labが自動的に起動します。
もし起動していない場合は、アプリケーションメニューから Arduino App Lab を起動してください。
起動すると、新規プロジェクトを作成する画面が表示されます。
新しいプロジェクトを作成する
画面右上の Create new app ++ ボタンをクリックします。
今回はプロジェクト名を
WBGT_Monitor
とします。
作成すると、ArduinoスケッチやPythonプログラムを編集するための画面が表示されます。
Arduinoスケッチを確認する
今回使用するのはArduinoスケッチだけです。
Arduinoスケッチには、次のような基本構造があります。
void setup()
{
}
void loop()
{
}
-
setup():電源投入時に1回だけ実行される -
loop():繰り返し実行される
これは従来のArduinoと同じです。
最初のプログラムを書き込む
まずは開発環境が正常に動作することを確認するため、シリアルモニタにメッセージを表示するプログラムを書き込んでみます。Filesのsketchにあるsketch.inoに以下のスケッチをコピペします。
void setup()
{
Serial.begin(115200);
while (!Serial)
{
}
Serial.println("Arduino UNO Q");
Serial.println("WBGT Monitor");
}
void loop()
{
}
ビルドと書き込み
画面右上のRunボタンをクリックします。
コンパイルが成功すると、自動的にArduino UNO Qのマイコンへプログラムが書き込まれます。コンパイルには、しばらく時間がかかります。エラーが表示されなければ成功です。
シリアルモニタを開く
シリアルモニタを開くと
Arduino UNO Q
WBGT Monitor
と表示されます。
これで
- Arduinoスケッチを書ける
- コンパイルできる
- マイコンへ書き込める
ことが確認できました。
今後の流れ
これでWBGT計を製作する準備が整いました。
次回は、GXHT30温湿度センサとSSD1306 OLEDを接続し、I²C通信が正常に行えることを確認します。
最初にI²Cスキャナを動かし、
Found device at 0x3C
Found device at 0x44
と表示されれば、配線は成功です。
その後、GXHT30から温度・湿度を読み取り、WBGT計の製作へ進んでいきます。
おわりに
今回はArduino App Labを使って、Arduino UNO Qの開発環境を準備しました。
Arduino UNO QはLinuxを搭載していますが、Arduinoスケッチの作成方法は従来のArduinoとほぼ同じです。
まずはArduinoマイコンだけを使ってWBGT計を完成させ、その後Linux側と連携することで、データ保存やWeb表示など、UNO Qならではの機能を追加していきます。
次回は、GXHT30温湿度センサとSSD1306 OLEDを接続し、I²C通信を確認するところから始めます。