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PrePoMaxによる円孔をもつ長方形板の応力計算(ShellモデルとSolidモデルによる)

Last updated at Posted at 2023-01-14

はじめに

PrePoMaxを使って円孔をもつ長方形板の応力計算を行いました。モデルはFreeCADで作成しています。

FreeCADによるモデルの作成

図1に示す円孔をもつ長方形板の1/4モデルをFreeCADでスケッチします。

Fig.1.JPG

図1 円孔をもつ長方形板とその1/4モデル(破線部)

作成したスケッチから、厚さ1mmにPadしたモデルと、スケッチのエッジをFaceに変換したモデルを作成して、それぞれSTEPファイルにエクスポートします。
FreeCADで作成したモデルはこちらにあります。Pad.stepとface.stepというファイルです。

PrePoMaxによるSolidモデルの応力計算

PrePoMaxにPadのモデルをインポートします。
メッシュを作成します。メッシュの最大サイズは2mmとします。
境界条件は、対称面に垂直な変位を0とし、板の端面にSurfaceTractionとして4000Nを加えます。材料は鋼(ヤング率210000MPa、ポアソン比0.3)です。このモデルは幅が1/2ですので、実際には8000Nの力を加えたことに相当します。
メッシュと境界条件を設定したようすを図2に示します。

スライド3.JPG

図2 ソリッドモデルのメッシュと境界条件

応力の計算結果を図3に示します。板の長手方向の垂直応力は穴の縁で最大値884MPaで、穴から遠い位置(X=11.78mm、Y=84.21mm)では4000Nを断面積(幅20mm×厚さ1mm)で割った値200MPaとなっていることが分かります。

スライド4.JPG

図3 ソリッドモデルの長手方向の垂直応力の計算結果

PrePoMaxによるShellモデルの応力計算

PrePoMaxにFaceのモデルをインポートします。
メッシュと境界条件をSolidモデルと同様に設定します。ただし、対称面の境界条件については、対称面に垂直な変位を0とすることに加えて、対称面が回転しない条件が必要になります。ハーフモデル(対称条件)の設定方法|CAEトピックスなどに説明が載っています。ここでは、表1のように設定します。

表1 Shellモデルの対称面における境界条件

パラメータ 長さ方向断面 幅方向断面
U1 0 mm Unconstrained
U2 Unconstrained 0 mm
U3 Unconstrained Unconstrained
UR1 Unconstrained 0 rad
UR2 0 rad Unconstrained
UR3 0 rad 0 rad

メッシュと境界条件を設定したようすを図4に示します。

スライド5.JPG

図4 シェルモデルのメッシュと境界条件

応力の計算結果を図5に示します。板の長手方向の垂直応力は穴の縁で最大値843MPaとなり、穴から遠い位置(X=10.58mm、Y=93.27mm)では200MPaとなっていることが分かります。Solidモデルと同様な結果が得られました。

スライド6.JPG

図5 シェルモデルの長手方向の垂直応力の計算結果

最後に、シェルモデルにおいて、表1のUR1~UR3をすべてUnconstrainedとして計算した結果を図6に示します。比較のため、表1の回転拘束した結果を図7に示します(図7は図5の見る方向を変えたものです)。対称面に回転拘束をしない場合、対称面で板が曲がってしまうことが図6から分かります。

スライド8.JPG

図6 シェルモデルにおいて、対称面の回転拘束をしなかった場合の計算結果

スライド7.JPG

図7 シェルモデルにおいて、対称面を回転拘束した場合の計算結果(図5の見る方向を変えたもの)

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