はじめに
DroidKaigi 2026、お疲れ様でした!
今年もAndroidに関する様々なセッションがあり、どのセッションに参加するか悩んだ方も多かったのではないでしょうか。
自分もタイムテーブルと睨めっこしながら参加するセッションを決めていましたが、改めて全体を眺めてみると今年のAndroid開発を象徴するような傾向がいくつか見えてきます。
特に印象的だったのが、
- Jetpack Compose
- AIを活用した開発
- Kotlin / Androidのより深い領域
- 開発プロセスやエンジニアの役割
このあたりです。
今回は個々のセッションの参加レポートではなく、DroidKaigi 2026のタイムテーブル全体から、現在のAndroid開発について考えてみたいと思います。
やっぱり強いJetpack Compose
まずタイムテーブルを見ていて感じるのが、Jetpack Composeの存在感です。
特に9月3日は、朝からJetpack Composeに関するセッションが3つ同時に開催されています。
内容についても、
- 複雑なUIの実装
- Navigation
- Composeの内部構造
- RemoteCompose
- Compose Multiplatform
- Screenshot Testing
- 新しいCompose API
など、かなり幅広くなっています。
ここで面白いと感じたのが、単純な「Composeの使い方」を紹介するセッションではなくなってきていることです。
少し前までは、
「XMLからComposeへどう移行するか」
「Stateをどう管理するか」
といった、Composeを導入するための話題が多かった印象があります。
しかし今年のタイムテーブルを見ると、Composeを使うこと自体よりも、
Composeを使って何を実現するか
という話が中心になってきています。
Android開発においてComposeが「新しい技術」ではなく、当たり前の選択肢になってきたことを感じます。
そして、とにかくAIが多い
もう一つタイムテーブルを見ていて分かりやすいのがAIです。
9月2日には、
- AIエージェントによるUI/E2Eテスト
- Gemmaを利用したAI開発
- ローカルAIランタイム
- LLMによるCompose移行
- AIによる大規模コードベースの解析
- AIエージェントを利用したアクセシビリティ対応
などのセッションがあります。
9月3日にも、
- AIによるCompose UI生成
- 開発組織へのAI導入
- AIエージェントを利用した開発
- Claudeを利用した障害防止
- AIエージェントを前提としたUIテスト
- AI時代の勉強会
- エージェントワークフロー
- AIによるコードレビュー
など、AIに関連するテーマが一日を通して登場します。
改めて並べてみると、かなり多いですね。
ただ、個人的に面白いと思ったのは、単純にAI関連のセッションが増えたことではありません。
「AIでコードを書く」の次に進み始めている
ここ数年で「AIを使ってコードを書く」こと自体は珍しくなくなりました。
自分自身も普段の開発でAIを利用していますし、Claude CodeやCodexなどを利用しているエンジニアもかなり増えていると思います。
そんな中で今年のDroidKaigiのタイムテーブルを見ると、AIの使われ方がもう一段先に進んでいるように感じました。
例えば、
- AIにUIテストをさせる。
- AIに大規模なコードベースを理解させる。
- AIにUIを作らせる。
- 過去の障害情報をAIに利用させる。
- AIによる実装を前提としてScreenshot Testingを整備する。
- AIによるレビューを前提に、人間のレビューそのものを再設計する。
つまり「AIにコードを書かせる」から「AIが開発に参加する」へ少しずつ変わってきているように感じます。
AIが便利な開発ツールの一つという位置付けから、開発プロセスそのものに組み込まれ始めています。
この変化は、今回のタイムテーブルを見ていて特に印象的でした。
一方で、Androidそのものを深掘りするセッションも多い
AIやComposeが目立つ一方で、AndroidやKotlinそのものを深掘りするセッションもしっかりあります。
例えば、
- Android Framework
- AOSP
- Foreground Service
- ANR
- Kotlin Flow
- Gradle
- WebAssembly
- セキュリティ
- HDR
- ハードウェア制御
などです。
新しい技術が増えても、結局その下で動いているAndroidを理解する重要性は変わりません。
むしろAIによってコードを書く速度が上がっていくほど、生成されたコードがなぜ動いているのかを理解できることの重要性は上がっていくのではないかと思っています。
AIがコードを書いてくれるからAndroidについて知らなくてもいい、ではなくAIがコードを書いてくれるからこそ、人間はより深い部分を理解しておく必要がある。
そんな関係になっていくのかもしれません。
技術だけではないセッションも増えている
もう一つ気になったのが、エンジニアの働き方や組織についてのセッションです。
「なんとかする力」
「自分が歩く道を、正解にする。」
「なぜエンジニアの意見は届かないのか」
「変革を、一部の人の熱量で終わらせないために」
といった、直接Androidの実装とは関係しないセッションもあります。
開発体制についても、個人開発、AI時代の勉強会、AI時代のコードレビューなどがテーマになっています。
これも現在のAndroid開発を表しているように感じました。
AndroidエンジニアだからAndroidのコードだけを書いていればいい、という時代ではなくなってきています。
- プロダクトについて考える。
- チームについて考える。
- AIをどう利用するか考える。
そして、自分自身のキャリアについて考える。
技術の選択肢が増えるのと同時に、エンジニアが考える範囲も広がってきているように思います。
タイムテーブルから見えたAndroid開発の現在地
今回改めてDroidKaigi 2026のタイムテーブルを眺めてみて、個人的には大きく3つの変化を感じました。
Composeは「導入する技術」から「使いこなす技術」へ。
AIは「コードを書く道具」から「開発プロセスの一員」へ。
Androidエンジニアは「Androidを書く人」から、より広い範囲を考えるエンジニアへ。
もちろん、たった2日間のタイムテーブルだけでAndroid開発全体を語ることはできません。
ただ、その年に多くのAndroidエンジニアが何に興味を持ち、どんな課題に向き合っているのかを見る材料として、カンファレンスのタイムテーブルは意外と面白いものだと思います。
さいごに
Androidという領域が成熟してきたからこそ、AIを活用した開発フローや、キャリアマネジメント、エンジニアとしての立ち回りなど、技術そのものだけではない領域にもよりスポットライトが当たり始めているように感じます。
そういう意味では、今回のDroidKaigiはAndroid開発を取り巻く環境の変化が色濃く表れた、ある種の「特異点」とも言えるイベントだったのかもしれません。
自分自身、これからAndroidエンジニアとしてどう変化していくのか、改めて考える良いきっかけになりました。
また次回も参加すると思いますので、お見かけした方はぜひお気軽にお声がけください!