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Copilot Studioの生成AI回答は「ナレッジソース」で根拠を決める

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Last updated at Posted at 2026-08-14

Copilot Studio generative answers and knowledge sources

Microsoft Copilot Studioで「トピック」を組めるようになった次の壁が、生成AI回答です。トピックは決まった対話フローを担当しますが、マニュアルやFAQのように言い方がバラバラな質問には、あらかじめ全経路を書くのが現実的ではありません。そこで使うのが、ナレッジソースを根拠にした生成AI回答です。

この記事では、Microsoft Learnの公式ドキュメント(Knowledge sources summary は 2026-08-04 更新)をもとに、生成AI回答とナレッジソースの関係、置き場所の違い、最初に確認したい設定を整理します。

結論:先に決めるのは「どこから答えさせるか」

決めること 意味 最初の目安
ナレッジソースの種類 公開サイト / アップロード文書 / SharePoint / Dataverse / コネクタ 公開FAQならWeb、社内規程ならSharePointか文書
置く場所 エージェント全体か、トピック内の生成AI回答ノードか 全体は共通の根拠、ノードは特定の会話だけ
オーケストレーション クラシックか生成か 件数上限が変わる
根拠のない回答 Allow ungrounded responses のオン/オフ 最初はオフで、根拠がない応答を止める

最小の理解は次の図です。

ユーザーの質問
  ↓
該当トピックがある?
  ├─ ある → トピックのフローで答える
  └─ ない → 生成AI回答(ナレッジソースを検索して要約)
              ↓
            見つからない → Fallback システムトピック

生成AI回答は「何でも答える魔法」ではなく、設定したソースから検索し、要約して返す仕組みです。Microsoftはこれを RAG(Retrieval Augmented Generation)として説明しています。

生成AI回答はトピックの不足を補う

生成AI回答ノードの公式説明では、ユーザーの意図がどのトピックにも一致しないとき、生成AI回答で答えようとする、とあります。これがフォールバックとしての生成AI回答です。ここでも答えられない場合は、Fallbackシステムトピックへ進みます。

つまり設計の順番は次です。

  1. よくある定型の会話はトピックで書く
  2. 資料を読んで答える質問はナレッジソースに任せる
  3. どちらでも無理なら人へ渡す(Fallback)

全部を生成AI回答に寄せると、根拠の範囲が広がり、意図しない資料から答えやすくなります。逆にトピックだけだと、言い回しのゆらぎに弱くなります。役割を分けることが先です。

ナレッジソースは5系統から選ぶ

Knowledge sources summary では、生成AI回答と組み合わせる主なソースが次のように整理されています。

名前 内外 何をするか 生成モードの件数 認証
Public website 外部 Bingで指定サイトだけを検索 25サイト(クラシックは公開URL 4) なし
Documents 内部 Dataverseへ上げた文書を検索 全文書(クラシックはストレージ上限) なし
SharePoint 内部 SharePoint URLを GraphSearch 25 URL(クラシックはノードあたり4) 利用者の Microsoft Entra ID
Dataverse 内部 DataverseのテーブルをRAGで返す 無制限(クラシックはソース2、各15テーブル) 利用者の Microsoft Entra ID
Enterprise data using connectors 内部 Microsoft Searchで索引されたコネクタ 無制限(クラシックはカスタムエージェントあたり2) 利用者の Microsoft Entra ID

ポイントは3つです。

  • 公開WebはBing経由です。組織が所有するサイトを確認したうえで指定します。
  • SharePoint / Dataverse / コネクタは、質問した人の権限で見えるものだけを返します。他人のフォルダは出ません。
  • 生成オーケストレーションとクラシックでは上限が違います。 ソースを増やしすぎる前に、どちらの方式かを確認します。

生成オーケストレーションでは、ソースが25を超えると内部のGPTモデルで絞り込みます。アップロードしたファイルはこの25の検索上限には入りません。一方、カスタムデータや Bing Custom Search は生成オーケストレーションのエージェントレベルでは使えず、トピック内の生成AI回答ノードへ埋め込む必要があります。

エージェント全体とノードでは優先順位が違う

ナレッジは2か所に置けます。

場所 使い方 向き
Knowledge ページ(エージェントレベル) エージェント全体の共通根拠 FAQサイト、共通マニュアル
生成AI回答ノード(トピックレベル) その会話だけ追加・上書きする根拠 特定部門の規程、機密寄りの資料

公式の注意として、生成AI回答ノードで定義したソースは、エージェントレベルのソースより優先されます。エージェントレベルはフォールバックです。

ノード側には Search only selected sources があります。

  • オフ(既定):エージェントに設定したソースをすべて検索する
  • オン:そのノードで選んだソースだけを検索する。エージェントレベルへ自動では戻らない

「このトピックは承認済みの1サイトだけから答える」といった場合は、オンにして対象を絞ります。オフのままだと、関係ない共通ナレッジが混ざることがあります。

根拠のない回答を最初に止める

Generative AI 設定の Knowledge にある Allow ungrounded responses は、ソースやツールを使わず、モデルの一般知識だけで答えてよいかを決めます。生成オーケストレーションがオンである必要があります。

  • オン:ソースがなくても一般知識で答える
  • オフ:そのターンでソースもツールも使っていない応答を止め、Fallback を起動する

オフにしても、ソースから取った情報と一般知識を混ぜることはあり得ます。公式は「ソースもツールも使っていない応答を止める」と書いています。また、オフのときは本文中に出典引用がある回答だけを返す、という条件もあります。正しい内容でも引用が付かないと出さないことがあります。同じ質問をやり直すと出る、という間欠的な挙動も文書化されています。

社内向けの最初の設定としては、根拠のない回答をオフにして、出典が付くことと Fallback が動くことをテストするのが安全です。

実装チェックリスト

  • 定型会話はトピック、資料参照はナレッジ、と役割を分ける
  • 公開サイト / 文書 / SharePoint のどれが主ソースかを1つ決める
  • オーケストレーション方式(生成 / クラシック)と件数上限を確認する
  • 共通ソースは Knowledge ページ、特定ソースは生成AI回答ノードへ置く
  • ノードで根拠を絞るなら Search only selected sources をオンにする
  • Allow ungrounded responses をオフにして、出典なしの一般知識回答を止める
  • Test pane で「トピックに乗る質問」「ナレッジで答える質問」「どちらでも無理な質問」の3種を試す
  • SharePoint 等を使うなら、利用者認証と Files.Read.All / Sites.Read.All の委任権限を確認する

失敗パターン

公開サイトを指定せず、一般知識でFAQを答えさせる → 対策:所有サイトを Public website に追加し、ungrounded をオフにする。

エージェント全体に何でも載せる → 対策:部門固有の資料はトピックの生成AI回答ノードへ移し、Search only selected sources で限定する。

クラシックのままURLを5本以上足して効かない → 対策:方式ごとの上限(公開URLはクラシック4、生成は25)を先に見る。

SharePointを認証なしで使えると思っている → 対策:利用者の Entra ID 委任が必要。権限のない文書は返らない前提でテストユーザーを分ける。

出典が付かないので「ナレッジが壊れた」と判断する → 対策:ungrounded オフだと引用なし回答は抑止される。同じ質問の再試行と、出典が付くソースかを切り分ける。

生成AI回答に複雑な判定まで任せる → 対策:公式ガイダンスでは、RAGは事実のQ&Aや手順の要約向きで、長文の比較やコンプライアンス判定向きではない。判定が要る会話はトピックの Condition へ戻す。

参考リンク

この記事を書いた人✏️@YushiYamamoto
ITPRODX.com代表 / AIアーキテクト
Next.js / TypeScript / n8nを活用した自律型アーキテクチャ設計を専門としています。
日々の自動化の検証結果や、ビジネス側の視点(ROI等)に関するより深い考察は、以下の公式サイトおよびnoteで発信しています。

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