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2026年6月のLLM提供停止ラッシュ:GPT-5・o3スナップショット非推奨とClaude 4退役、本番コードで今すぐ直すこと

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Last updated at Posted at 2026-06-20

2026年6月、本番でLLM APIを呼んでいるチームに効く「提供停止・非推奨」の通知が立て続けに出た。OpenAIはGPT-5・o3系スナップショットの非推奨を Deprecations ページに掲載し(停止日2026年7月23日、移行先はGPT-5.5/5.4系)、Anthropicは6月15日に claude-sonnet-4-20250514 / claude-opus-4-20250514 を退役させた。さらに6月9日に公開されたClaude Fable 5 / Mythos 5が、わずか3日後の6月12日に米政府の輸出管理ディレクティブで提供停止になっている。

この記事は「どのモデルIDがいつ死ぬか」を一次情報で確認したうえで、本番コードでモデルIDをピン留め運用しているチームが今日やるべきことを整理する。退役には2種類あり、対処も別物だ——予告ありの計画的退役(移行すればいい)と、予告なしの規制起因の停止(フォールバック設計がないと即死する)。

結論

確認項目 ニュースの含意 直すこと
OpenAI GPT-5/o3 スナップショット 非推奨、2026-07-23 停止 gpt-5-2025-08-07 等の固定IDを gpt-5.5 系へ移行
Claude Sonnet 4 / Opus 4 2026-06-15 退役済み、APIはエラーを返す claude-sonnet-4-6 / claude-opus-4-8 へ更新
Claude Opus 4.1 2026-06-05 非推奨、2026-08-05 退役予定 claude-opus-4-1-20250805claude-opus-4-8
temperature / top_p / top_k Opus 4.7以降で非デフォルト値は400エラー 該当パラメータを送らない(プロンプトで制御)
Claude Fable 5 / Mythos 5 規制で予告なく提供停止、30日保持の Covered Model 単一モデル依存をやめ、フォールバックと保持ポリシーを確認

OpenAI:GPT-5・o3スナップショットの非推奨(停止は2026年7月23日)

確認できる事実

OpenAIは旧GPT-5・o3スナップショットの非推奨を Deprecations ページに掲載している。APIからの削除(停止)日は2026年7月23日。対象IDと推奨移行先は以下のとおり(OpenAI公式 Deprecations ページより)。

非推奨モデル 推奨移行先
gpt-5-2025-08-07 gpt-5.5
gpt-5-mini-2025-08-07 gpt-5.4-mini
gpt-5-nano-2025-08-07 gpt-5.4-nano
gpt-5-pro-2025-10-06 gpt-5.5-pro
o3-2025-04-16 gpt-5.5
o3-pro-2025-06-10 gpt-5.5-pro

あわせて6月初旬には、プラットフォーム機能側の停止も告知されている。Reusable Prompts(v1/prompts)・Evals プラットフォーム・Agent Builder がいずれも2026年11月30日停止予定(Evals は10月31日に読み取り専用化)。画像モデル gpt-image-1-mini / gpt-image-1.5 / chatgpt-image-latest2026年12月1日停止で、移行先は gpt-image-2

実務解釈

停止まで約1か月しかなく、危険なのは「日付つきスナップショットIDをハードコードして放置している」コードだ。gpt-4o のようなエイリアスではなく gpt-5-2025-08-07 のような固定IDを使っている箇所は、7月23日に一斉に死ぬ。モデルだけでなく Agent Builder や Evals に依存した社内ツールも同じ期限で止まる点を見落としやすい。

Anthropic:Claude Sonnet 4 / Opus 4 は退役済み(6月15日)

確認できる事実

Anthropicは2026年4月14日に告知し、2026年6月15日に claude-sonnet-4-20250514claude-opus-4-20250514 を退役させた。公式ドキュメントのステータスは両モデルとも「Retired」で、推奨移行先は claude-sonnet-4-6claude-opus-4-8。退役後のAPIリクエストは失敗する。

さらに6月5日には claude-opus-4-1-20250805(Opus 4.1)が非推奨となり、2026年8月5日に退役予定(移行先 claude-opus-4-8)。Mythos Preview(claude-mythos-preview)も6月30日に退役予定だ。

公式は退役の運用について次のように明記している。

原文: "Anthropic notifies customers with active deployments for models with upcoming retirements, providing at least 60 days notice before model retirement for publicly released models."
日本語訳:「Anthropicは、退役予定モデルを実運用しているお客様に通知し、一般公開モデルについては退役の少なくとも60日前に告知する」(Anthropic公式 Model deprecations)

実務解釈

退役自体は1行のモデル文字列変更で済むことが多い。問題は「どこで旧IDを使っているか」を棚卸しできているか。AnthropicはConsoleの[Usage]→[Export]でAPIキー・モデル別の使用量CSVを出せるので、これで残存箇所を洗い出すのが確実だ。なお、claude.ai のコンシューマー利用やClaude Codeのマネージド環境は今回の退役の影響を受けない——壊れるのはピン留めIDを使う自前のAPI呼び出しである。

地味だが見落とせないのがパラメータの非推奨temperature / top_p / top_k は Claude Opus 4.7以降(4.8含む)で非デフォルト値を設定すると400エラーを返す。モデルIDを最新に上げた途端、温度を明示していたコードが落ちる、という事故が起きる。該当モデルではこれらを送らず、挙動はプロンプトで制御する。

Claude Fable 5 / Mythos 5:予告なく消えた「規制起因の停止」

確認できる事実

2026年6月9日、AnthropicはClaude Fable 5をClaude API・AWS・Microsoft Foundry等で公開した。しかし6月12日、米政府の輸出管理ディレクティブにより提供停止。InfoQによれば、AmazonのセキュリティチームがFable 5のジェイルブレイクをホワイトハウスに報告したことが引き金とされる。Fable 5とMythos 5は同一アーキテクチャを共有しており、両方が対象になった。

両モデルは「Covered Model」に指定され、30日間のデータ保持が必須でゼロデータ保持(ZDR)の対象外。Microsoftは保持ポリシーの不整合を理由に、6月10日時点で社内Copilotのモデルピッカーから Fable 5 を外している。

ホワイトハウスのAIアドバイザー David Sacks 氏のコメント。

原文: "the Admin's hope now is that Anthropic remediates the safety issue, the export control is lifted, and Fable goes back into general release."
日本語訳:「政権としては、Anthropicが安全性の問題を是正し、輸出管理が解除され、Fableが一般提供に戻ることを期待している」(David Sacks/InfoQ報道)

実務解釈

これは計画的退役とは性質が違う。告知も猶予もなく、コンプライアンス上の理由でモデルが消えるという新しいリスクだ。最新モデルに飛びついて単一モデルに本番を直結していると、ある朝APIが403/不可用で返り始める。対策は「特定モデルIDを直書きしない」抽象化レイヤと、主要モデルが落ちたときのフォールバック先を1つ用意すること。加えて、Covered Model の30日保持・ZDR非対応は、医療・金融・法務などデータ保持要件が厳しいワークロードでは採用判断そのものに関わる。最新だから採る、ではなく保持ポリシーを先に確認する。

実装チェックリスト

OpenAI 依存の棚卸し

  • コード内の gpt-5-2025-08-07 / o3-2025-04-16 など日付つき固定IDを grep して列挙
  • gpt-5.5 / gpt-5.4-mini 系へ移行し、出力をテストしてからデプロイ
  • Agent Builder / Evals / v1/prompts に依存した社内ツールの代替を11月30日までに用意
  • 画像生成は gpt-image-2 へ(12月1日停止)

Anthropic 依存の棚卸し

  • Console [Usage]→[Export] のCSVで退役・非推奨モデルの残存使用を確認
  • claude-sonnet-4-6 / claude-opus-4-8 へ更新(Sonnet 4 / Opus 4 は退役済み)
  • Opus 4.1(claude-opus-4-1-20250805)利用箇所を8月5日までに移行
  • Opus 4.7以降で temperature / top_p / top_k を送っていないか確認

設計レベルの耐性

  • モデルIDを直書きせず設定/環境変数に切り出す
  • 主要モデルが落ちたときのフォールバック先を1つ定義する
  • 採用モデルのデータ保持・ZDR対応をコンプライアンス要件と突き合わせる
  • 各社の Deprecations ページを定期巡回する運用に組み込む

失敗パターン

パターン1:日付つきスナップショットIDをハードコードして放置 → 停止日に一斉死する。エイリアス運用に切り替えるか、最低でもIDを設定値に外出しして棚卸し可能にする。

パターン2:モデルだけ見て周辺機能の停止を見落とす → Agent Builder / Evals / Reusable Prompts も同じ期限で止まる。モデル移行とプラットフォーム機能移行は別タスクとして管理する。

パターン3:モデルIDだけ最新化してパラメータを残す → Opus 4.7以降で temperature 等が400を返し、移行直後に本番が落ちる。非対応パラメータは送らない。

パターン4:最新モデルに本番を直結 → 規制起因の予告なし停止で即時障害になる。抽象化レイヤとフォールバック先を必ず持つ。

パターン5:保持ポリシーを確認せず採用 → Covered Model は30日保持必須・ZDR非対応。データ要件の厳しいワークロードでは採用後に手戻りする。確認を採用判断の前段に置く。

参考リンク

この記事を書いた人✏️@YushiYamamoto
ITPRODX.com代表 / AIアーキテクト
Next.js / TypeScript / n8nを活用した自律型アーキテクチャ設計を専門としています。
日々の自動化の検証結果や、ビジネス側の視点(ROI等)に関するより深い考察は、以下の公式サイトおよびnoteで発信しています。

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