はじめに

こんにちは！キャンプ歴4年目のズボラキャンパーです。

前回、「Geminiにキャンプ予約メールを読ませてGoogleカレンダーに自動登録する」 というGASを作りました。

こんな感じで表示できるようになっています！
誰か私にほったらかしキャンプ場の予約をとれる力を💪！

これで予約忘れはなくなりましたが、運用していて1つだけ 「めんどくさい」 と思うことがありました。

「新しいキャンプ場に行くたびに、GASのコードを開いてリストを更新するのがダルい」

スマホでキャンプ場を予約した後、PCを開いてスクリプトエディタを立ち上げて、ドメインを調べて追記して……。
いや、もっと楽にしたい。スマホからURLをペタッと貼るだけでリスト更新したい。

というわけで今回は、前回の仕組みを 「スプレッドシート連携版」 に進化させます。

今回の改善点

Before（前回）

GASのコード内に許可リストを直書き。
更新するにはスクリプトエディタを開く必要がある。

After（今回）

スプレッドシートに予約サイトのURLを貼るだけ。
関数が自動でドメインを抽出。
GASはシートを見に行くだけ。コードへの追加不要！

実装ステップ

1. 管理用スプレッドシートの作成

まずはGoogleドライブで新規スプレッドシートを作成し、シート名を「キャンプ場リスト」にします。

以下のような列を作ります。

A列： キャンプ場名（自分がわかればOK）
B列： 予約サイトのURL（ここをコピペする）
C列： ドメイン/キーワード（自動抽出エリア）

魔法の数式（ここがミソ！）

C2セルに、以下の数式を入力して、下の方までオートフィル（コピー）しておきます。

=IFERROR(REGEXEXTRACT(B2, "https?://([^/]+)/"), B2)

何をしているの？

B列に https://www.nap-camp.com/shizuoka/1234 と入力されると、www.nap-camp.com だけを抜き出してくれます。

もしURLじゃない文字（例：「楽天トラベル」など）を入力した場合は、そのままの文字を表示します。

これで、「B列にURLを貼るだけで、C列にGAS用の検索キーワードが出来上がる」 状態になりました。スマホのGoogleスプレッドシートアプリからも簡単に追記できますね！

2. GASのコード修正

前回のコードを少し修正して、このスプレッドシートを読みに行くようにします。
まず、スプレッドシートのURLに含まれるID（d/と/editの間の文字列）をコピーしておきます。

🏕️ newコード.gs 全文（クリックして展開）

/**
 * キャンプ場予約メール自動カレンダー登録スクリプト
 * - Gmailから予約メールを検索
 * - スプレッドシートのホワイトリストでフィルタリング
 * - Gemini APIで内容を解析
 * - Googleカレンダーに登録
 */

// ==========================================
// 1. 設定エリア
// ==========================================
// ★重要: これより上にコードがないことを確認してください

const SPREADSHEET_ID = 'スプレッドシートID'; // スプレッドシートID
const SHEET_NAME = 'キャンプ場リスト'; // シート名

// 検索クエリ（2025年以降、予約関連、未処理のもの）
const SEARCH_QUERY = 'subject:("予約" OR "完了" OR "Reservation") -subject:予約受付 -subject:仮予約 -label:カレンダー登録済 after:2025/01/01';

const CALENDAR_ID = 'アカウントメールアドレス'; // 登録先カレンダーID

// ==========================================
// 2. メイン処理
// ==========================================
function main() {
  console.log('処理を開始します...');
  
  // Gmailから検索
  const threads = GmailApp.search(SEARCH_QUERY, 0, 20);
  if (threads.length === 0) {
    console.log('検索条件にヒットする未処理メールは0件でした。');
    return;
  }
  console.log(`${threads.length} 件のスレッドがヒットしました。処理を開始します。`);


  // スプレッドシートから許可リストを取得（1回だけ実行）
  const allowList = getAllowListFromSheet();
  if (allowList.length === 0) {
    console.warn('【警告】許可リストが空、もしくは取得できませんでした。処理を中断します。');
    return;
  }
  console.log(`許可リスト読み込み完了: ${allowList.length}件のキーワード`);

  // スレッドごとのループ
  threads.forEach(thread => {
    const messages = thread.getMessages();
    let threadHasProcessed = false; // このスレッド内で1つでも処理成功したかどうかのフラグ

    // スレッド内のメッセージ（メール）ごとのループ
    messages.forEach(message => {
      // 判定ロジック：件名やFromがリストに含まれるか
      if (isTargetEmail(message, allowList)) {
        console.log(`処理対象を発見: ${message.getSubject()}`);
        
        // Gemini実行 & カレンダー登録処理
        const isSuccess = processReservation(message);
        
        // 成功した場合、フラグを立てる
        if (isSuccess) {
          threadHasProcessed = true;
        }
      } else {
        // 対象外の場合はデバッグログ（必要に応じてコメントアウトを外してください）
         console.log(`対象外スキップ: ${message.getSubject()} / From: ${message.getFrom()}`);
      }
    });

    // スレッド内のいずれかのメール処理が成功していれば、スレッド全体にラベルを貼る
    if (threadHasProcessed) {
      markAsProcessed(thread);
      console.log('ラベル付与完了');
    }
  });
  
  console.log('処理終了');
}

// ==========================================
// 3. サブ関数群
// ==========================================

/**
 * スプレッドシートから許可リスト（ドメインやキーワード）を取得
 */
function getAllowListFromSheet() {
  try {
    const sheet = SpreadsheetApp.openById(SPREADSHEET_ID).getSheetByName(SHEET_NAME);
    if (!sheet) {
      console.error(`シート「${SHEET_NAME}」が見つかりません。`);
      return [];
    }
    const lastRow = sheet.getLastRow();
    
    if (lastRow < 2) return []; // データがない場合
    
    // C列(3列目)の2行目からデータがある最後まで取得
    const data = sheet.getRange(2, 3, lastRow - 1, 1).getValues();
    
    // 空白を除去して一次元配列にする
    return data.flat().filter(String);
  } catch (e) {
    console.error('スプレッドシート読み込みエラー:', e);
    return [];
  }
}

/**
 * メールが処理対象かどうかを判定
 * @param {GoogleAppsScript.Gmail.GmailMessage} message 
 * @param {Array} list 許可キーワードの配列
 */
function isTargetEmail(message, list) {
  const subject = message.getSubject();
  const from = message.getFrom();
  
  // リスト内のキーワードがいずれか含まれていればTrue
  return list.some(keyword => {
    return subject.includes(keyword) || from.includes(keyword);
  });
}

/**
 * 予約メールを処理してカレンダーに登録
 */
function processReservation(message) {
  const body = message.getPlainBody();
  const subject = message.getSubject();
  
  // Geminiに解析を依頼
  const eventDetails = parseEmailWithGemini(body);
  
  // 解析失敗またはカレンダー登録不要なメールだった場合
  if (!eventDetails) return false;

  const start = new Date(eventDetails.startTime);
  const end = new Date(eventDetails.endTime);

  // 日付チェック
  if (isNaN(start.getTime()) || isNaN(end.getTime())) {
    console.error(`日付形式エラー: start=${eventDetails.startTime}, end=${eventDetails.endTime}`);
    return false;
  }

  // カレンダーのメモ欄用に、時間を整形して取り出しておく
  const timeZone = Session.getScriptTimeZone();
  const timeStrStart = Utilities.formatDate(start, timeZone, 'HH:mm');
  const timeStrEnd   = Utilities.formatDate(end, timeZone, 'HH:mm');

  // 終日イベントのバーを正しく引くため、終了日を+1日する（Googleカレンダーの仕様）
  const endForAllDay = new Date(end);
  endForAllDay.setDate(endForAllDay.getDate() + 1);

  const calendar = CalendarApp.getCalendarById(CALENDAR_ID);
  
  try {
    // 終日イベントとして登録
    calendar.createAllDayEvent(`🏕 ${eventDetails.title}`, start, endForAllDay, {
      description: `【時間】 ${timeStrStart} IN 〜 ${timeStrEnd} OUT\n\n【詳細】\n元メール: ${subject}\nメモ: ${eventDetails.memo || 'なし'}`
    });
    
    console.log(`カレンダー登録成功: ${eventDetails.title} (${Utilities.formatDate(start, timeZone, 'yyyy/MM/dd')})`);
    return true;
  } catch (e) {
    console.error('カレンダー登録エラー:', e);
    return false; 
  }
}

/**
 * Gemini APIを呼び出してメール本文からJSONを抽出
 */
function parseEmailWithGemini(emailBody) {
  const apiKey = PropertiesService.getScriptProperties().getProperty('GEMINI_API_KEY');
  if (!apiKey) {
    console.error('スクリプトプロパティに GEMINI_API_KEY が設定されていません');
    return null;
  }

  // モデル設定 (安定版の gemini-1.5-flash を推奨)
  const model = 'gemini-1.5-flash'; 
  const url = `https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/models/${model}:generateContent?key=${apiKey}`;

  const prompt = `
    以下のキャンプ場予約メールの本文から、カレンダー登録に必要な情報を抽出してJSONのみを返してください。
    
    【重要：日付の抽出ルール】
    - チェックイン日とチェックアウト日を正確に抽出してください。
    - 年号がない場合は、メール受信日や文脈から2025年などを推測してください。
    
    【抽出項目】
    - title: キャンプ場名
    - startTime: チェックイン日 (YYYY-MM-DD形式)
    - endTime: チェックアウト日 (YYYY-MM-DD形式) ※1泊2日なら翌日の日付
    - memo: サイト名やプラン名など
    
    【メール本文】
    ${emailBody}
  `;

  const payload = { contents: [{ parts: [{ text: prompt }] }] };
  const options = {
    method: 'post',
    contentType: 'application/json',
    payload: JSON.stringify(payload),
    muteHttpExceptions: true
  };

  try {
    const response = UrlFetchApp.fetch(url, options);
    const responseCode = response.getResponseCode();
    const json = JSON.parse(response.getContentText());

    if (responseCode !== 200) {
      console.error(`Gemini API Error (${responseCode}):`, json);
      return null;
    }

    if (!json.candidates || json.candidates.length === 0) return null;

    const text = json.candidates[0].content.parts[0].text;
    // コードブロック記号(```json 等)を除去してパース
    const cleanJson = text.replace(/```json/g, '').replace(/```/g, '').trim();
    return JSON.parse(cleanJson);

  } catch (e) {
    console.error('Gemini解析中の例外:', e);
    return null;
  }
}

/**
 * スレッドに「処理済み」ラベルを付与
 */
function markAsProcessed(thread) {
  const labelName = 'カレンダー登録済';
  let label = GmailApp.getUserLabelByName(labelName);
  if (!label) {
    // ラベルがなければ作成
    label = GmailApp.createLabel(labelName);
  }
  thread.addLabel(label);
}

// ※ processReservation, parseEmailWithGemini, markAsProcessed は前回と同じなので省略
// （前回のコードの下にそのまま残しておいてOKです）

※前回の記事の parseEmailWithGemini 関数などはそのまま使えます。
前回のコードの下にそのまま残しておいてOKです。
isTargetEmail 関数だけ少し変わっているので注意して書き換えてください。

仕組みの解説図

これでシステムは以下のようになりました。

ユーザはスプレットシートにキーワードやURLを張り付けリストを作成
リストを元にGASプログラムを実行する。
Gmail検索⇒本文取得⇒Gemini解析⇒Googleカレンダーに登録する
定期実行を設定する(botとして使用する場合に設定)

さいごに

これで、「新しいキャンプ場の予約」から「自動化リストへの追加」まで、すべてがスマホ１つで完結するようになりました。
コード編集というハードルを取り払うことで、楽に 「使い続けられる自動化」 になったと思います。

皆さんも、スプレッドシート関数とGASを組み合わせて、自分だけの最強のキャンプ管理botを作ってみてください！

次回は…Gemを使用して進化できないかに挑戦します。
興味のある方は、ぜひ いいね や ストック をしてお待ちください！