1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

「結局この施策、何のためだっけ?」を防ぐ会議設計やってみた

1
Last updated at Posted at 2026-02-18

よくある会議のパターン

プロジェクトの定例会議で、こんな経験はありませんか?

「業務効率化のため、承認フローのシステムを改修しよう」

という話になり、開発も完了。しかし後日の報告会で、

「結局この改修、何のためだっけ?承認時間は短くなったの?それとも差し戻し件数を減らすのが目的だっけ?」

となってしまう。

会議自体は成立し、結論として施策を実行したものの、以下が曖昧なまま進んでしまうケースは多々あります。

  • この施策で何を達成したかったのか(目標)
  • どの指標で効果を測る想定だったのか(成功基準)
  • いつまでに判断するのか(期限)

あるいは、「引き続き検討」となり、議事録には次回アクションが残らなかった、というパターンも…

このような状態がなぜ起きやすいのか、そして会議の設計を少し変えてみることで改善できないかを整理してみました。


目的が不明確な会議で起きていること

ケース1:営業支援システムの帳票出力機能改善

  • A「帳票の出力に時間がかかるから、処理速度を改善しよう」
  • B「いや、そもそも必要な項目が出力されていないのが問題では?」
  • C「営業から『PDFじゃなくてExcelで欲しい』と要望が来ている」

全員それぞれの視点で「正しいこと」を言っているのですが、会議の目的が

  • 「営業からの不満解消」
  • 「システムのパフォーマンス改善」
  • 「次期リリースに向けた要件整理」

のどれなのかが共有されていないため、議論が収束しませんでした。

このような会議では、以下が起きがちです。

  • 判断基準がない:何を優先すべきか決められない
  • 前提がバラバラ:発言者ごとに想定している利用部署や状況が異なる
  • 意見が発散する:それぞれの視点が並列に並ぶだけで統合されない
  • 結果として「決めない会議」になる

「会議の中でゴールを作ろう」という発想の落とし穴

ここで言う「ゴール」とは、会議で決めるべきこと(決定事項) を指します。

例えば、

  • 「帳票改善として、今月対応する項目を1つ決める」
  • 「A案・B案のどちらで実装するか決める」
  • 「次回の定例会議までに調査すべき事項を決める」

といった、会議終了時に達成すべき状態のことです。

多くのチームは「会議の中でゴールを作ろう」とします。
つまり、会議を相談の場として使ってしまうのです。

そうすると、以下が発生します。

  • ゴールをその場で作ろうとすると、全員の納得が必要になる
  • 誰も反対しない形を探し続け、結論が先延ばしになる
  • 本来30分で決まる内容に1時間かかる

会議を「意見を集める場」と「決定する場」の両方に使おうとすると、どちらも中途半端になります。
これを仕切ろうとすると、スーパーマンにならざるを得ないなぁと思います。
なので、人ができる範囲で分けてみたいと思います。


相談と会議は役割を分ける

効率的なチーム運営のためには、以下を分けることが重要です。

相談(意見収集フェーズ)

  • 目的:情報を集める、認識をすり合わせる、課題を洗い出す
  • 形式:個別のヒアリング、メールやチャットでのやりとり、事前アンケート
  • 時間:柔軟(ただし期限は設ける)

会議(意思決定フェーズ)

  • 目的:意思決定する、方針を確定する、次のアクションを決める
  • 形式:関係者が集まる会議
  • 時間:短く、集中的に

以下の図は、この2つのフェーズの関係を示しています。

会議が長時間化し、参加者の集中力も低下する中でゴールを決めるのは、至難の業。
この2つを同じ場で常にゴールできる人は、NBAのスター選手くらいです。
(最近Bリーグも大好き)


実践:会議前に「仮ゴール」を設定する

完璧なゴールである必要はありません。
以下のような「仮ゴール」で十分です。

良い仮ゴールの例

  • 「今日の会議で、A案・B案・C案のうち1つに絞る」
  • 「対応優先度を決め、上位3つを今月の対応項目とする」
  • 「今日は方向性だけ決め、詳細仕様は次回」

悪いゴール設定の例

  • 「帳票の問題について話し合う」(何も決まらない)
  • 「改善案があれば共有する」(情報共有で終わる)
  • 「現状を確認する」(確認だけで終わる)

仮ゴールは修正前提で構いませんが、「この会議で何を決めるのか」は明示することが重要です。

議題の冒頭で「今日のゴールは〇〇です。認識が違う方がいれば、最初に調整しましょう」と宣言するだけで、会議の質は大きく変化します。


それでも会議で相談したい場合の注意点

状況によっては、会議の中で相談せざるを得ない場合もあります。
その際は以下を意識してみた方が良いと思います。

1. 影響範囲を事前に整理する

相談を会議に持ち込む前に、以下を明確にしておきます。

  • 誰の合意が必要なのか(例:部門長、情報システム部、経理部)
  • 誰の反対で止まるのか(例:コンプライアンス部門、セキュリティ担当)
  • どの部署に影響するのか

これを整理せずに会議を始めると、「あ、それって総務部の確認が必要ですよね?」と後から判明し、会議が無駄になります。

事前に関係者の意見を聞いておくことで、会議での議論をスムーズに進みます。
これは密室で全てを決めるという意味ではなく、会議を効率化するための準備作業です。

2. 相談には時間制限を設ける

相談が無期限になると、永遠に決まりません。
そのため、以下のようにあらかじめ制限を設けます。

  • 「意見交換は30分まで。その後15分で方向性を決める」
  • 「今日は方向性のみ決定。詳細設計は持ち帰り」
  • 「この会議のアウトプットは『3つの選択肢と各メリット・デメリット』まで」

たとえアウトプットが方向性のみであっても、以下のような価値が生まれます。

  • 情報収集が進む
  • 参加者ごとに前提が違っていることに気づける
  • 次に何を調査・準備すべきかが明確になる

その結果、次回の会議では「決めるための材料」が揃い、スムーズに意思決定できるようになります。


メールやチャットで済む相談を、会議にしない

メールやチャット(Slack、Teams等)で非同期に済む相談は多いはずです。

会議にすべきでない相談の例

  • 「この画面レイアウト、どう思いますか?」→ メールでの意見収集で十分
  • 「このマニュアル案、フィードバックください」→ ファイル共有とコメントで十分
  • 「この業者を使っていいですか?」→ 個別確認で十分

会議にすべき議題の例

  • 「A案・B案のどちらで実装するか、今日決めます」
  • 「リリース日を確定します」
  • 「今月の対応優先順位を決めます」

事前に意見を集めてから会議に上げることで、会議は「決める」ための場として機能し始めるはずです。


まとめ

  • ゴール(会議で決めるべきこと)は、会議で作るものではなく、会議に持ち込むもの
  • 相談と会議を分けるだけで、会議の密度は大きく変わる
  • ゴールがある会議は短く、次のアクションが明確に残る

明日からできる小さな一歩として、次回の会議で「今日のゴールは〇〇です」と冒頭で宣言してみてください。

それだけで、会議の質が変わることを実感できるはずです。
実感した瞬間、その会議設計は成功となります。
1つずつ、成功会議を積み重ねていけば、いつかスター選手にもなれるかもしれない…
そんな気持ちでやっていきましょう!

1
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?