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ECCメモリと非ECCメモリについて

Last updated at Posted at 2024-08-05

ECCメモリと非ECCメモリについて

概要

メモリ(RAM)は、コンピューターの性能と信頼性に大きな影響を与える重要なコンポーネントです。特にECCメモリ(Error-Correcting Codeメモリ)と非ECCメモリの違いは、データの整合性とシステムの安定性に直結します。本記事では、ECCメモリと非ECCメモリの見分け方、特徴、エラー検出方法の違いについて解説します。

見分け方

メモリモジュールを見て、黒四角のメモリチップの数でECCメモリか非ECCメモリかを見分けることができます。

  • ECCメモリ: メモリチップが9つあります。
  • 非ECCメモリ: メモリチップが8つあります。

IMG_1527 2.jpg

ECCメモリとは?

ECCメモリ(Error-Correcting Codeメモリ)は、コンピューターのメインメモリ(RAM)に使用されるメモリの一種です。主にサーバーやミッションクリティカルなシステムで使用されます。ECCメモリは、9番目のメモリチップを追加することで、データの誤りを検知し訂正する機能を持っています。

特徴

  • 潜在的な脅威からシステムを保護します。
  • データの誤りを検知し訂正する機能があります。
  • 主にサーバーで使用されます。

エラー検出方法の違い

非ECCメモリ

非ECCメモリは、パリティビットを使用してエラーを検出します。

  • 8ビットのデータにつき1ビットのパリティを加えて、合計が偶数になるようにします。
  • 合計が奇数となることで、エラーが発生したことが分かります。
パリティ 判定
ビット 0 1 1 0 1 0 1 0 0 偶数

1bitエラーが発生すると...

パリティ 判定
ビット 0 1 1 0 0 0 1 0 0 奇数

しかし、これだとどのビットがエラーなのかわからず修正できません。

また、偶数箇所エラーが発生した際に、エラーを検知できない点も挙げられます。

ECCメモリ

ECCメモリは、パリティの欠点を補うために、垂直パリティと水平パリティを組み合わせてエラーを検出し訂正します。

  • 1つのエラーが発生した場合、修復が可能です。
  • 2つ以上のエラーが偶数で発生した場合でも、高い確率で発見することができます。
パリティ 判定
0 1 1 1 0 0 1 1 1 偶数
1 0 0 1 0 0 0 1 1 偶数
0 0 1 1 1 0 0 0 1 偶数
1 1 1 1 1 0 0 1 0 偶数
0 1 0 1 0 0 1 0 1 偶数
1 0 1 1 1 0 1 0 1 偶数
1 0 1 1 0 0 0 0 1 偶数
0 0 1 1 0 0 0 1 1 偶数
パリティ 0 1 0 0 0 1 1 0 1 偶数
判定 偶数 偶数 偶数 偶数 偶数 偶数 偶数 偶数 偶数 偶数

1bitエラーが発生すると...

パリティ 判定
0 1 1 1 0 0 1 1 1 偶数
1 0 0 0 0 0 0 1 1 奇数
0 0 1 1 1 0 0 0 1 偶数
1 1 1 1 1 0 0 1 0 偶数
0 1 0 1 0 0 1 0 1 偶数
1 0 1 1 1 0 1 0 1 偶数
1 0 1 1 0 0 0 0 1 偶数
0 0 1 1 0 0 0 1 1 偶数
パリティ 0 1 0 0 0 1 1 0 1 偶数
判定 偶数 偶数 偶数 奇数 偶数 偶数 偶数 偶数 偶数 奇数

これにより、どこのビットでエラーが発生したかを検知でき、修正することができます。

まとめ

ECCメモリは、データの誤りを検知し訂正する機能を持つため、サーバーやミッションクリティカルなシステムで重要です。非ECCメモリは、パリティビットを使用してエラーを検出するため、一般的なデスクトップPCやラップトップに使用されます。それぞれの用途に応じたメモリを選ぶことが、システムの信頼性と安定性を確保するために重要です。

参考文献

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